思わぬ大差がついて、藤枝東が敗れた。
決勝戦まで勝ち上がったからといって、ここまで安心して見られる試合はなかった。
どの試合もかなりアップアップの状態だった。
しかし、ここまで差があるとは....。
やはりユース選手権を制しただけあって、強い。
一番こたえたのが、後半早々の2点目だったのではなかろうか?
後半立ち上がり、前半いいとこなしから一転、藤枝東は攻勢に出て、僅かな時間では
あったが、自分たちの時間を作れた。
が、つかの間の攻撃から失点をしてしまったのは、思いっ切りカウンターパンチを
食らった感じ。致命的だった......。
流経大柏の良いところを挙げると、まず、
1)寄せが早い。しかも運動量がまるで落ちない。
これだと藤枝東は、ボールを持ってもなかなか自由にプレイ出来ないし、
なかなかパスが繋がりにくい。
2)1対1に強い。
日本代表等にも言えるのだが、複数でマッチアップしなくてはならないとなると、
どうしても陣形が何処かに寄る形となり大きなスペース、フリーな選手が
生まれる。その点からしても有利に試合を運べる。
これをクリアするには、相手を上回る運動量しかないだろう。
3)セカンドボールを拾う。
チャンスが自ずと増える。相手の寄せが早く押し込まれるがために、苦し紛れに
大きく蹴りださなければならない結果、相手ボールになる可能性は高い。
相手のボールになって攻め込まれ、クリアするが拾われ、また攻め込まれ、1対1で
上回るがゆえに守備に人数をかけざるを得ず、攻撃に切り替わっても
人数が足りず、単発的な攻撃で終わってしまう。
これを90分間やすむことなく続けられると厳しい。
更に流経大柏は、この上にパスサッカーを行い、きちんとチームが連動していて
且つ、絶対的なストライカーがいる。周りの選手も非常に攻撃的で積極的だ。
パスをつなぐサッカーが持ち味なのだが、先に書いた3点が
発動されていると非常に厳しい。
頼みの河井にボールが通っても早めに人数をかけて潰される....。
もう2人くらいボールをキープできる選手がいて、前を向いた状態で
うまく河井をフリーにしてボールを受けさせれば違っただろうと思われる。
打開策はなかったのか?------------------
普通、こういうサッカーを頭からやると、後半25分過ぎから運動量も落ち、
前線と最終ラインとの間が間延びし始め、ボールを持てるようになるが、
その気配がまるでなかった。
確かに足がつり始めた選手もいたが、全体に影響を及ぼすまでに至らなかった。
そんな中、考えられるのはやはり多少遠目からでもミドルをどんどん打って、
こぼれ玉を詰めるか、グランドを広く使って、サイドからえぐる攻撃、
そして最大のチャンスはCKやゴール前でのFK等のセットプレイだろう。
いずれにしても、チームのファンダメンタルの能力が大きく差があるので、
これなら絶対というものでもなく、月並みなところにとどまってしまう。
単純に大きく前に蹴り出すのだけは、得策ではなかろう。
いっそのこと、人数かけてもっと守備的な布陣でラインを1列くらい上げた
くらいで臨み、ボールを受けたら左右に散らす形で攻め上がるのでも良かったのかも。
ただ、それがどこまで有効なのかは、未知数。
まぁ、いずれにしても流経大柏は、日本サッカー界が目指すべきスタイルのヒントを
チーム全体で示してくれたような気がする。
あと、大前の決定力は素晴らしい。
清水でどこまでやってくれるのか、プロでどこまで通用するのか早く見てみたい。
流通経済大学付属柏高校、選手並びに関係各位の方々おめでとう!
そして藤枝東もお疲れ様。
胸を張って静岡に帰ってきて欲しい。