画燈樹

アンティークのある暮らし。営業日は火木金土・・12時半から5時まで
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「フジオさん」

2009-05-30 02:45:09 | Weblog
フジオさんは明治三十六年生まれ。
もし 亡くなっていなかったら百歳以上です。
鳥取県の山奥の神主の三男坊です。
神主の家は、かなり色々な面で厳しく
フジオさんも 十三才で書生に出されました。 昔は、数え年で言いますから十三才と言っても 今の十二才です。

書生は、他人さんの家に住み込み 学校は行きながら、家事全般 雑務を手伝い 勉強と下積みをします。
私が想像するに、お風呂の薪をくべながら 炎を見つめて、きっと家に帰りたかっただろうと思います。

冬は 足袋もはかせて貰えず素足で廊下の拭き掃除などをして、足がアカギレで ひび割れ いつも血がにじんでいました。

そのフジオさんが書生に出る朝、土間に腰をかけて 履物をはいている時に母親が背後から 「フジオ、お前本当に行くかや?」と声をかけたそうです。「はい、行きます。」と答えて早朝 風呂敷づつみを背負って出かけました。

カスリの着物に袴などはいていたのでしょうか・・・

そのフジオさんの、小学三年生の時の 俳句が 二つあります。

「つつじ」
空どんより
ぽたりと落ちし
ひとしずく
花のじょうごに
たまりたり


「ミソサザエ」(最も小さい野鳥)

ミソサザエ
鳴くはねぐらか
わらぐらか

かわいい俳句ですね。

フジオさんは、私の父です。
父と母は鳥取から京都に出て来ました。
この話しは、父からではなく全部母から 子供の時に聞いたものです。


私には一番下に三つ違いの弟がいます。
父は最後に出来た弟を とても可愛がりました。

父が仕事から帰って来ると、私と弟は われ先にと父に駆け寄ります。
でも、いつも父は弟を抱き上げて「シローや シローや」と言って頬ずりをします。
いつも いつもそうでした。

だから少し大きくなっても、私はよく弟を「シローや シローや」と言ってからかいました(笑)。

それから、二人の姉が私よりちょっと出来が良かったので、父によく姉達と比べられて「お姉ちゃんを見習いなさい。」と叱られました。

そんなことで 私は父のことが 余り好きではありませんでした。きっと 私ってひねくれていたと思います。ちょっと可愛くない娘だったに違いありません。いえ、間違いなくそうだったと思います。

普通 人は嫁に行って、又 子供が生まれてやっと親のありがたみが分かると言います。なのに私は、 恥ずかしい事ですが この歳になって、やっと今頃 父のことを思います。

とても懐かしく、そして“なんでもっと可愛い子になれなかったんやろ、なんでもっと素直になれなかったんやろ、お父ちゃん ごめんな!”と思います。

ちょっと遅すぎますね!
もう父が亡くなって、かれこれ二十六年になります。

楽しい お知らせ♪

2009-05-15 01:58:07 | Weblog
「ハナミズキさんと一緒に」

五月二十日(水曜)
ハナミズキさんの倉庫のお店で ちよっと場所をお借りして、

とっても お洒落な
古着を中心としたSHOPを仲間と一緒に開きます。

若い方の“只今流行中”の物もたくさん有りますよ!

もちろん ハナミズキさんの素敵なアンティークも 満載!!
私が買ってしまいそうです〓。

是非 是非 お越し下さいね、お待ちしています♪。

HANAMIZUKI 倉庫の店
(京都市中京区壬生)
時間
11時~6時

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