GABACHOP〜あがんにゃな日々〜

趣味について、日記がてら。

硫黄島からの手紙

2006年12月16日 | 映画
 映画『硫黄島からの手紙』を見てきました。

 俺が日本映画を見ない理由は、普段テレビなどで見ている芸能人がスクリーンに登場していることが、うそ臭さにまみれて見えるから。どんなに演技が上手くても、渡辺謙は渡辺謙じゃん!としか感じれないから厄介なのです。けして嫌いじゃないのだけど、むしろおもしろく見たいのだけど、どうしても違和感がぬぐえない。

 ただ、この映画がよかったのは、俺が知っている芸能人が渡辺謙と中村獅道くらいであったことと、渡辺謙はラストサムライのイメージが強すぎたため、多少別人寄りに見ることができ、また中村獅道のほうは、いかにも当時の日本人キャラ(あくまで想像上のだけど)そのままの激ハマりっぷりのおかげで、違和感をかなり抑えて見ることができました。

 戦場の再現は見事の一言で、といっても僕は体験したことがないのでこれも想像上なのだけど、よくある日本の安映画、安ドラマなどでのドンパチを見ていると、なんか普通に生き延びれそうな錯覚を受けるのだけど、この映画の場合、各シーンの緊張感たるや、もし自分がここにいたらどうやって現状を受け入れようか、いや、そもそも理解すらできるのだろうか、という思いがかけめぐり、さらには“死”に対する“覚悟”すらも突きつけられた気がしました。

 それにしても、この映画、アメリカ人監督の作品とは、今でも信じられない。戦争映画なんてのは、どんな名作でも、どんなに配慮した内容でも、賛否両論巻き起こるものだけど、両国双方の視点から(米国視点の『父親達の星条旗』てのもある)描き、偏り、ある種奇跡のようなバランス感覚。素敵でした。

 映画で見る戦場は、絶対に行きたくないし体験したくもないのだけど、心のすみっこの方の、ほんのちょびっとの所で、熱く燃えるものを感じてしまう自分がいるのはなんでだろう。戦争に明け暮れ、戦争とともに進化してきた人類の遺伝子の成せる業だろうか。

 もちろん、その存在を認めつつも、根っこの部分ではあくまでも戦争クソクラエ!なんですけどね。