12月5日の朝、公園事務所のベランダに珍客が飛来していました。黄色い一匹の蛾が、寒さのせいかグッタリした様子で床にじっとしています。何処にも傷も無く綺麗な状態だったので、標本にしようと紙に載せポリ袋に入れて確保しました。
ヤママユガ科 ウスタビガの雌です。
成虫の出現は10~11月と言われています。翅が全く傷付いていない事から少し遅くなって羽化したばかりの個体なのでしょうか?
正面から見た顔です。背中と脚は、多くの柔らかそうな毛で覆われています。細めの触覚は雌の特徴ですね!その日の夕方、自宅に持って帰ろうとした時に変化があり、ポリ袋の個体が微動を始め、腹部の先を曲げて紙に押し付け始めたのです。
何と⁉ 紙の上に2個見えます。産卵行動が始まったようです。
紙の上に産み付けられた卵です。
慌てて‼「虫かご」を探し、サクラの枝とクヌギの葉付き小枝と共に個体を収めました。産卵途中だったので虫かごの壁面にも1個付いています。クヌギの小枝に摑まって体勢が安定すると、本格的に産卵行動が始まりました。
次々とゴマ粒くらいの大きさで、白い卵を産み付けていきます。
産卵の動きが止り、動く気配が無くなったので、自宅に持ち帰り観察することにしました。この日は、最初の紙面に産んだ卵を含めて、合計20個の卵を産みました。--------後編に続く
ウスタビガのメスは奇麗な黄色をして目立つと思いましたが、クヌギの小枝に止まり動かない状況は、枯葉の色に同化して結構見ずらいものです。コナラやアベマキも枯葉が残っている状況で身を守る色になっていると実感しました。
これまで何度か卵、繭は出会うことができています
成体、そしてなんと産卵行動は全く初めてです。
貴重な画像を有難うございます
この後も大きな楽しみが待っていますね
私も成虫を間近で見たことも初めてで、まして!産卵に立ち会えるとは、本当にラッキーでした。
産卵が始まった時は、かなり動揺しました!