アワフキムシ上科 アワフキムシ
ヨモギやセイタカアワダチソウまた色々の草の茎にこんな泡状の物をご覧になったことは有りませんか?その昔はホタルの住処とも言われていたのですがこの泡の中にアワフキムシが住んでいます。
泡を少しどかすとこんな虫が出てきます。草が水を吸い上げる維管束に口吻を差し込み栄養分をろ過して取り込みます。要らなくなった水分がアンモニア液となりアワフキムシが持っている蝋物質と反応して界面活性剤になります。アワフキムシはお尻の官(マルピーギ管)をシュノーケルの様に泡の外に出して呼吸をします。
泡はお尻にあるマルピーギ管から吸い込んだ空気を出して泡にします。蝋物質とアンモニア液の中に入っている繊維質とで若干の粘りのある泡が出来ます。界面活性剤と書きましたがその働きは洗剤と同じです。油と水の境界を取り払います。簡単に言うとアンモニア石鹸の泡で居住区を作っているんです。
界面活性剤の泡ですから天敵やほかの虫にとってはとても近寄れない泡になります。何故か?気管で呼吸する虫に取って界面活性剤で気管の中に泡が入ってきて呼吸が出来なくなり溺れ死んでしまいます。時々こんな昆虫の姿が見られます。自らの命を守る居住区を泡で作り出すアワフキムシや恐るべしです!!
さて、そんな事を踏まえて、アンモニア洗剤なら汚れが落ちるのでは??実験です。タマタマ少し怪我をしたのでこれ幸いと白い布で血をふき取っておきました。
次の日血をふき取った布を持ちアワフキムシの泡探しです。適当の見つけたアワフキムシの泡をふき取った血の部分へ塗りました。粘性の泡状液体ですからこんな状態です。待つこと1分くらいでしょうか・・・
何と擦りも叩きもしないのにこの状態です。ウソの様に血の汚れが無くなっています。アンモニア洗剤の良い所は擦らなくても化学反応で汚れが落ちる所です。他にはワインが掛かった時とか、紅茶のシミなどにも効果あるとか・・・恐るべしアワフキムシです。
最後にもう一回泡を付けて数分放置。その後水洗いしたのですがこの状態です。普通血の汚れって落としにくいものなのに思わぬ発見が出来た実験でした!(^^)!
正に血の滲むような努力のスクープです。
油になじみやすい界面活性剤のようなものは気管の奥まで入り込み空気が取り込めなくなるので呼吸はどうするのかと思っていました。
お陰様でスッキリ解決です。
いつもありがとうございます。
これだけ落ちるとは思ってもいませんでしたので、ある種感動でした。お試しあれ・・・でも怪我されないように!(^^)!