野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

八仙花

2017-06-14 18:47:51 | 散歩

 前回に引き続きアジサイの話。八仙花も七変化と同じアジサイの異名。

もともとは中国名だが、八仙花と書いてアジサイと読むこともできる。

 今回は高幡不動のアジサイ祭りに出かけてきた。ここには初夏のアジサイ、

秋の紅葉、冬は探鳥と季節を変えては何度も訪れている。駅のすぐ近くなのに

無料の広い駐車場があって、車で行くのにはとても便利な所だ。ただ土日

混んで入れないこともある。

 アジサイ祭りは6月1日から30日までの催し。訪ねたのは13日で、早咲きのヤマアジサイ系の花は

 見ごろ過ぎながら咲き残っていて、ガクアジサイや園芸種のアジサイはちょうど見ごろとなっていた。

 

 先ずは境内の中のアジサイ

 

 

 伽藍の脇に咲くのはカシワバアジサイ

 

  アジサイは山をぐるりと一周するようなコースで見て渡ることができる。

もちろん仏様のご加護もあるので入園は無料。

 

 

 

 

 品種名の書かれている花もある。

これにはヤマアジサイ、「津江の紅鶴」とあった。

 

 これには小さい札で単に「小町」と書いてあった。

  とても派手な色合いで小町からくるしっとりとした清楚なイメージは

感じられない、と思うのは私だけだろうか。 

  きりりとした色合いが魅力のミヤマヤエムラサキ

 

 これは名前わからず。装飾花だけでなく真花まで咲いているのは咲きすすんだ花。

 

ヤマアジサイの紅(クレナイ)ははっとするような鮮やかさだ。

 

 山でもよく見かけるノリウツギと思ったら ダルマノリウツギという品種らしい

 

 「ハイエスターバースト」とあった。ネットで調べてみると「ヘイズスターバースト」の名もあった。

カタカナ名なのはアナベルと同じく北アメリカ原産だから。八重咲きアナベルの別名もある。

 

 ヤマアジサイ系の「土佐の大盃」

 

 境内を抜けてコースに沿って山に入っていく。日陰はひんやりとして気持ちが良い。

 

 アジサイは大きく分けてガクアジサイとアジサイ(ホンアジサイ)とヤマアジサイの三つに分けられるが

もともとの原種は日本の山野に自生するガクアジサイである。

 

 ガクアジサイをいくつか。ただし品種名にはまったく自信が持てない。

立札には「アルテミス」とあったが……

 

これには「ラジアータ」の名が添えてあった……

 

 「八重カンコク山」の名がつけてあった。

 

 純白のガクアジサイ。名は不明。

 

 これも不明。

  アジサイはネットで調べても私のような素人にはわからないものが多い。同じ品種でも色合いが赤から青まで変化

しているのと、同じ株でも咲き始めと散り際では色相が変わってしまう。

 

 手鞠咲きのアジサイをいくつか。

「花笠」と名がついていた。

 

「咲耶姫」という品種。日本神話に登場する女神 木花咲耶姫(このはなのさくやひめ)からとったもの。

 因みに木花咲耶姫は天照大神の孫で 海彦山彦の母でもあるそうだ。

 

 涼しげな伊予手鞠

 

 不明、和菓子のようでちょっと食欲を誘われる。

 

 舞子アジサイ

 

 これも不明。

 

 

 山内には88か所の巡拝路があって、それぞれイラストマップの番号ごとに仏様が置かれている。

 

 ただ、アジサイを見るだけなら①から⑳まで位を歩くだけで事足りる。

 

更に変わったアジサイをいくつか。

これはウズアジサイ。病変したものが園芸種として定着したらしい。

 

 残念ながらこれも不明。七段花や墨田の花火などに似ているが……。

 

これは稲荷堂の脇に咲いていたもの、全く不明。

  巡拝路歩きは距離は大したことはないが、人も少なくゆっくりと歩けた。アジサイで火照った眼を

冷やすには青紅葉はもってこいだった。

 この辺で。


七変化

2017-06-12 18:26:19 | 散歩

 今日は鈴木常吉の話から。鈴木常吉といっても知らない人が多いかもしれない。

ドラマ「深夜食堂」のオープニング曲として使われた「思ひで」の作曲者と言ったら、

あぁーと合点してくれる人が少しだけ居るかもしれない。(因みにwikipediaには

「深夜食堂」の項目はあるが、鈴木常吉の項目はない。)

あまり更新してないhpならここにある。

 深夜食堂の挿入歌にも使われている鈴木常吉の「石」を初めて

聞いたのはもう4年ぐらい前になるだろうか。

身内に不幸があって心底から打ちのめされている時だった。

 「石」の詞の一部抜粋

♪ 思い通りにはならねえな 近づいてるとも思えない
  ……

  *あの日  流れ星が流れて 我が心に落ちて石となる 
  きっと  いつか俺も 自由になるのだろうな  


 満ち足りたことなど一度もないと

 呟いたアイツが忘れられない

 *繰り返し


月の光は風の中で  匂いのように漂ってる
俺の頭に手を乗せて  此処にいるよって言ってくれ

  *繰り返し  ♪

この歌に出会ったのは不幸から数か月経った頃だった。私は

 「流れ星が流れて落ちた」ことを身内の死ととらえ、それを受け止めきれない

鬱屈した思いを「心に落ちた石」に準えた。そしてやがて私が「自由になる」時までは

その石を抱いて、その石と共に生きていこうと覚悟をしたのだった。

 鈴木常吉の曲では他にも「思ひで」や「父のワルツ」「アイオー夜曲」などが良い。

いずれもYoutubeで聞けるが、気に入ったらCDを買うのもありだろう。

 

 冒頭の七変化はアジサイの異名。6月の中旬になりやっとアジサイの色づく季節となった。

初めは府中郷土の森博物館のアジサイ祭りから

 

 純白のアジサイも捨てがたい

 

アナベル

 

 ベニバナアナベル

 

 

 

 

 

色づくのはこれから

 

 

 

 カシワバアジサイ

 

 ここからは町田にある薬師池公園のアジサイ

 

ヤマアジサイ

 

 

 

 

 

 全体としては4分咲き程度。アジサイの見ごろははこれからといったところか

 

 お終いは大きなアジサイの葉の上で休んでいた虫たち

ハムシのなかま

 

 ナミテントウ

 

カマキリのこども

 

 この辺で。

 


6月の高尾山を歩く

2017-06-07 17:57:07 | ハイキング

 

  サイハイラン

昨日九州が梅雨入りしたと聞いたら、今日は関東の梅雨入りだそうだ。

6月5日からは節季が芒種(ぼうしゅ)と変わる。芒種とは芒(のぎ)のあるイネ科の

植物である稲や麦を蒔く季節ということのようだ。

 

 早起きして高尾山を6号路→2号路→3号路→5号路→学習路(富士見台園地を廻る)

→4号路→1号路とコンプリートしてきた。歩行距離12.5km、総歩数21000歩余となった。

 

 登り始めたのは早朝6時を過ぎたばかり。登山者の数が年間300万人を超えるといわれる

高尾山だが、平日の早い時間だとまだ人は少ない。

登山路にはコバノタツナミソウやフタリシズカが咲いている。

 

 

 ガクウツギも咲き出した。

 

 これはウツギ

 

甘い香りを放つスイカズラ。別名金銀草。

 

 ヤブムラサキやウリノキはやっと咲き出したばかりだ。

 

 

 ガマズミは最盛期を迎えた。

 

 3号路に入って薄暗い道を歩いているとギンリョウソウを見つけた。

 

たくさんの花を付けたナルコユリ

 

 カンアオイの花

 

サイハイランも数か所で見ることができた。

 

 6号路の途中では期待していたセッコクが見ごろだった。

 

 セッコクは岩の上や大木に寄生する着生ランのなかま。北海道、沖縄を除き本州から

九州まで分布する。最も沖縄にはよく似たオキナワセッコクがある。

 

 

 3号路の途中、タヌキを見かけた。

 

 ノイバラ

 

高尾山では初めて出会えたハンショウヅル

 

 今回はセッコク以外にもう一つ、出会いたい花があった。

それはイナモリソウだ。

 

 イナモリソウはアカネ科の多年草。分布は関東以西の本州。

 

 ハコベに似ている4枚の葉を持つことからヨツバハコベの別名もある。

 

花が星咲きのものもよく見かける。

 

 イナモリの名は三重県稲盛山で発見されたことから。

 

 この花私は高尾山以外でお目にかかったことがない。

 

 その他に思わずも出会えた珍しい花

オオバウマノスズクサ

 

ツレサギソウはラン科の花でなかなか見ることができない。富士見台付近の学習路に

立札があったので見ることができた。ちょっと枯れかかったいたのが残念。

 

 花だけでなく虫たちも姿を見せ始めたようだ。優雅に舞っていたのが

渡り蝶のアサギマダラ。草につかまったところでやっと撮れた。

 

 道案内をするように飛んでいた。コジャノメ

 

 羽化したばかりのオニヤンマ

 

ヒシバッタかな

 

 カワトンボの♂は縁紋が赤茶色となる

 

 登山者が多いのが欠点だが、花の多さは何と言っても魅力的。

これだから高尾山通いはなかなかやめられない。この辺で。


6月の花

2017-06-03 20:47:07 | 植物園

 バラの花もあっという間に終わり、今は夏の花の開花を待つ季節。そんな中

近所では至る所にドクダミの花が咲きだした。憎らしいほど繁殖力の強いドクダミだが、

 何ともエレガントな八重咲きの種類があるのを知っているだろうか。

 

 あの憎まれっ子のドクダミもこうなると不思議に優雅な花に思えてくる。

 

 昭和記念公園のみんなの広場。混植されたヤグルマギクとポピーがいい雰囲気を出していた。

 

 

 こちらは花の丘のシャーレーポピー

 いずれも5月の見頃を過ぎていて散りかけなのだが、それなりに見られる。

 

 春の花たちがあらかた散ってしまった6月。公園を歩いていると樹木の花が目についた。

  幹も枝も隠すほど白一色に花をつけたヤマボウシ。一本の木に一体いくつの花を

つけているのだろうか。

 

 見たときはこれがクスノキの花だとは……。いつも見慣れている木に花が咲いて、ああこれが

この木の花だったと気づかされることが結構ある。

 

 テイカカズラはつた性の花。大木に絡みついて、まるでその木の花で

あるかのように装って咲く。

 

 

 巨木の幹に咲いているのはイイギリの花。この花は香りもよい。

 

  大木の花はなかなか花を撮るのが難しいのだが、 珍しく低いところに咲いていたタイサンボクの花

 

 ユリノキの花、去年の花も残っている。

 

 とてもいい香りを放って咲いているカラタネオガタマの花はモクレンの仲間。

 

 

 やや終わりかけのウツギ

 

 他ではあまり見かけないナツロウバイ。原産地は中国。

 

 

 以前皇居の庭園で見たことがあったウメモドキの花。尾瀬で見かけた真っ赤な実もきれいだったが

よく見ると花もけっこう美しい。

 

 

 6月の木の花と言ったらこれを忘れてはいけない。

ア ジサイの仲間も梅雨を前に少しずつ咲き始めた。これはオオアマチャ。

 

 ヤマアジサイ

 

 いかにも涼しげなコアジサイの花は、多摩の低山歩きではよく出会う花だ。

 

 イボタの花も虫をたくさん集めていた。

 

 特有の匂いを撒き散らして咲いているのはクリの木の花

 

 ガマズミの仲間、オトコヨウゾメは名前は変わっているが花は可憐

 

 お終いは枝の先で休んでいたトカゲ(ニホンカナヘビ)

 

 今日はこの辺で。