取るに足らないちっぽけな全能感に惑わされていると、自分の生が未来永劫続くと
錯覚してしまいそうだが、そんな訳はないのだ。そんなことは決してない。
人は永久に生きるわけではない。自分を作っていた肉体はやがては野に散り
土に還っていくのだ。我々の魂は無となり、僅かに親しいものの記憶に暫くはとどまるが、
そしてやがてはそれすらも消えていく。
虚無的ではなく、妙に清々しく腑に落ちた感じでそう思える自分がいる。
今日も近くの公園に冬鳥を求めてやってきた。
紅白に塗り分けられた鉄塔にトビのような鳥がいた。
見ていると急に飛び立った。
ノスリのようだ。
ノスリはワシタカ類つまり猛禽類の仲間で、トビよりは一回り小さい。
頻繁に低空飛翔を繰り返し、餌を探し求める。
日本では比較的よく見られる方で、平地の農耕地や河原、市街地の公園などに現れる。
鳴き声は口笛に似てピーエーと聞こえる。
何かを見つけたのか急降下
数回繰り返すうちに上昇して空の向こうに溶け去ってしまった。
変わってこちらはずいぶん低いところにいる小型猛禽類のモズ。
小刻みに尾を振りながらじっと何か獲物を狙っているようだ。
獲物には逃げられたようで、暫くしたら咲き始めた梅の枝で一休み。
ジョウビタキは庭先でもよく見かける冬鳥。
ゲジゲジのようなものを口にくわえて、何やら誇らしげだ。
この個体は頭の大きさの割には随分と体が痩せている。やっと餌をとることができたのだろうか。
近づいたらあっという間に飛び去ってしまった。
多摩川上流の河原にやってきた。ここでのお目当てはホオジロガモ。
ホオジロガモは海ガモ類で、マガモやカルガモなどの淡水ガモ類とは異なる。
オスには嘴の根元から頬にかけて白い斑点がある。
冬鳥として日本に来るが、内湾、河口、川の淀み、湖沼のどに数羽の群れでいることが多い。
甲殻類や魚、水生昆虫などを一斉に潜ってとる。
あまりに遠く小さいので切り取り拡大してみた。
一番先頭にいるのが♂、後ろの頭部が茶色いのが♀。
この群れはこれで全部が勢ぞろい、総勢7羽の群れのようだ。
もう少し大きく撮ろうとゆっくり近づいたのだが、お見通しだったのか
悠然と下流に向かって泳ぎ去って行った。
今日はこんなところで。