野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

柳沢峠の紅葉散策

2017-10-17 09:41:45 | 散歩

 10月も中旬に入ったら、一気に寒さが押し寄せてきた。秋冬の衣替えは私の所では

9月の終わり頃にするのが通例。オーバーやセーター類は未だタンスの奥にしまったままで、

11月になってから寒さを見計らって出すのがいつものやり方だった。

今年はそうも言ってられないようで、セーターや薄手のコートを取り出して早々と着はじめている。

 

 更にここ数日の寒さと雨で、数年前から悪くなり始めた腰や膝関節も痛み出した。思い通りに

行かずチクショウメ!と罵っても自分の体なのだから、だましだましでも付き合っていくよりない。

 

 あーぁ百年もたてば再生医療が進歩して新しいパーツに交換できるそんな時代が

来るのだろうか……。

それでも結構値段はするのだろうなぁ。 まぁ生きてはいないから心配いらないか。

 

 気分を変えていち早く紅葉を愛でに出かけることにした。

 柳沢峠は青梅街道をずーっと遡って甲州に入っていく途中の峠だ。標高は1480mになる。

車を降りたのは10時過ぎ。駐車場には一台だけ車が止まっていた。雨は弱いながらも

降り続いている。思ったより寒い。薄手のジャンバーに雨がっぱを着こんでちょうど良い位だった。

 

 山道を登り始めてすぐ、出迎えてくれたのはマムシグサ(の仲間)の真っ赤な実。

 

まだ緑の多い森の中でひときわ黄葉しているのはヒトツバカエデ。

 

 

 

 山道にはそのヒトツバカエデの落ち葉が敷き詰められている。

 

 残念ながら、もうすぐ10月下旬というこの時期なのに紅葉は

 やっと始まったばかりのようだ。

 

 

 

 

 ここは大菩薩嶺や鶏冠山への登山道になっている。その一部が森林学習のための遊歩道にもなって

いて所々にベンチが置かれている。また樹種名のかかれた札が表示されていて楽しみながら歩ける。

 

 少し分け入っていくと色を付けた樹々も見えるようになってきた。

 

 

 

 この一帯は10月初めごろにツタウルシが綺麗に染まる。

 

 今年はどうやら終わってしまったようでポツリポツリとしか残されていない。

 

 

これはアジサイの仲間のイワガラミの黄葉

 

 ゆっくり山の香を味わいながら小一時間。展望台が見えてきた。

 

 ここからは雲取山から飛龍山、唐松尾山、多摩川の水源笠取山そして甲武信だけへと続く

奥秩父の縦走路が見られる。もちろん晴れてさえいればだが……。

 

 展望は濃いガスの向こうに隠れてしまって見えない。

 

 音もなく静かに雨は降っている。雨は森の匂いをいっそう濃くするようだ。足を止めて目を閉じると、

時折遠くでカケスの鳴き交わす声が聞こえてくる。

 

標高が少し高くなって1600mを超えたあたりまで来た。この辺りまで来ると色づいた樹々が増えてくる。

 

 

 落ちたばかりの色とりどりの枯葉が雨に濡れてやけに艶々と光っている。趣味もない定年退職後の夫が、

出かけようとする妻に付きまとって離れないことを「濡れ落ち葉症候群」といったのは

随分前(便利なネットで調べたら1989年年の流行語大賞の一部門を受賞していた)のことだった。

 

 こういう渋い色の紅葉は何と言ったら良いのだろうか。何かに似ていると考えていたら

広島土産のもみじ饅頭だった。

 

 

 苔むした岩にも落ち葉が降り積もっている。

 

 

 

 

 

 丸川峠までの予定だったが雨脚が強くなってきたようだ。この辺で引き返すのが

おとなの分別というものだろう。寺尾峠手前だが予定を変えて戻ることにした。

 

 この辺で。