野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

日向山トレッキング

2016-09-14 09:59:11 | トレッキング

 

  南アルプスの特有種 タカネビランジ

 

久しぶりに高速に乗って山を歩いてきた。それにしても高速代が馬鹿にならない。

国立府中から中央高速で長坂まで乗ると3320円(ETC割引で)にもなる。

距離は120㎞ほどだからガソリン代は1000円弱、高速代だけでほぼ3倍になる。

 くて金だから仕方がないかとは思うが、

少しでも倹約をと八王子から甲府昭和までにしたら2480円になった。

しかも嬉しいことに到着時間は30分も違わなかった。

余りに腹立たしいので帰りは一般道で4時間かけてゆっくりと帰った。

 

 さて今日は南アルプスの前衛峰である日向(ひなた)山1660M。

登山口の矢立石からぐるりと一周するコースで3時間と少しかかる。通常の左回りの

コースは錦滝の下りが危険だということで右回りのコースで行くことにした。

登山口に着いたのは8時を回ったばかり。狭い駐車スペースには先行車が一台だけいた。

右手が尾根道のコースで、私は左の林道コースを行くことにした。

 

林道は100Mもしないうちに車止めの柵が設けられている。

道の両脇に咲くツリフネソウが鮮やかだ。

 

よく見るとキツリフネも咲いている。

 

このキク科の花はユウガギクでいいのだろうか

 

タマアジサイもまだ咲き残っている

 

歩いているのは林道なのだが、長年の崖崩れの放置で1m幅に狭められ

野の草が生い茂っている。辺りには鬱蒼とした森林の雰囲気が漂っている。

 

40分で錦滝に到着した。

注意書きには下りは通行禁止、登りは滑落に注意して登るようにとあった。

 

錦滝。この辺が標高1300m地点。

 

滝の脇の急な坂道を登る。鎖場も何か所かある。

 

1時間ほど登ったところでやっと傾斜が緩んだようだ。

 

 と思ったら不意に森を抜け、前方に白砂の世界が現れた。

 

陽射しはないものの雨は既に止んでいる。

 

砂の中にもところどころ花は咲いている。

ハナイカリ

 

ヤマハハコ

 

アキノキリンソウ

 

ヤマホタルブクロ

 

頂上までの最後の急登。一時間以上登り続けた足に、砂がもぐり歩きにくい。

 

 登ってきた後の急勾配を振り返る。

 

 

10時やっと頂上についた。

  頂上には誰もいない。暫らく軽食を取って体の火照りを鎮める。

 

疲れも取れたので頂上付近の探検を始めることにした。

トモエシオガマ

 

 オヤマボクチがいい雰囲気を出している。

 

ところどころ群生している白い花はタチコゴメグサ

 

 

 そしてタカネビランジ

 

この花に出会うためには、本来なら南アルプスの高峰を1泊以上かけて登らねばならない。

日帰りでしかも3時間ちょっとで登れる日向山は何とお得な山なのだろう。

 

緩い傾斜のあちこちにぽつんぽつんとタカネビランジの群生がみられる。

 

 

 

 惜しいことに9月ではやや時期を失したようだ。花びらに白い斑点が見られるのが残念だ。

何とか見られる一輪をアップで。

 

この山の魅力は花だけではない。頂上の北から西にかけて雁ヶ原と呼ばれる

白砂奇岩の崩壊地が広がっている。

 

 

 

 

 頂上にいる間にガスが時折晴れていくようになった。

 

 向かいに見えるのは雨乞岳へと至る稜線

 

 足元に広がる市街地は北杜市、甲州街道も見える。その上には晴れていると八ヶ岳が望める。

 

頂上を独り占めして一時間余り過ごした。

下山はカラマツの植林地の中を緩やかに下っていくコース。

 大した高山でもないのだが、サルオガセが木に絡みついている。

 

 

旧雨量観測所。昭和48年まで無線ロボット雨量計による観測が行われていたようだ。

 

 下山路では6組10人のハイカーとすれ違った。登山も終点、約一時間の下りで

登山口の矢立石の大岩が見えてきた。

 

この辺で。