野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

雨の雁ヶ腹摺山を登る

2016-09-08 09:01:46 | 登山

 この夏はそんなに暑くもなかったのに9月になると少々夏バテぎみで

8月の下旬にのぼった山を2週間たってアップするという怠慢、情けない。

 さて今日は山梨の雁ヶ腹摺山。雁が腹を擦るほど高い山というのが謂れだが

標高は1874mとさほどでもない。なお、この山の3,4km北西にある牛奥ノ雁ヶ腹摺山という

山は日本一名前の長い山なのだそうだ。

 大月から林道を走り大峠に着いたが、雨は一向に止む気配はない。

林道の先は何年も通行止めになったままだ。「シオジの森」の看板がむなしい。

 

午前9時を回ったばかり、駐車場に全く人気はない。雨の中身支度をして登り始める。

 

 少し行った先に湧水がある。最近になって「麗水 御硯水」の石版が置かれたようだ。

いつものように登り、下り(晩酌用)ともにここで水を汲んだ。うまい。

 

雨が結構降っているが、別に急ぐ登山でもないので道路わきの花を撮りながらのんびりと登っていく。

 まだクワガタソウが咲き残っていた。

 

 水場に一輪だけ気の早いヤマトリカブトが咲いていた。花のピントを外してしまったのが残念。

 

 これも水場の近くだけで見かけたタマガワホトトギス。

 

 斜面が急になってくるとシロヨメナ(おそらく)が多く見られるようになってくる。

 

 その先更に急こう配になると、崖に咲くタチコゴメグサやウスユキソウがちらほら見えてきた。

 

 雨を味わうように登って一時間と少し。頂上が近づくといつもの巨岩が迎えてくれた。

 この岩をじっと見ていると、いかつい男の横顔に見えてくる。やあ、また来たよと

挨拶をしながら傍らを通る。 

 

 薄暗い森を抜けると頂上直下の開けた草原が見えてくる。

 

 嬉しいことにだんだんと雨も小降りになってきた。黄色の大きな花はマルバタケブキの花だ。

 

頂上は1900mにも満たないながら、富士の景色の素晴らしさから山梨県一番山頂の称号を貰っている。

 

500円札の富士山はここで撮影されたのだとか。が、今日は残念ながら分厚い雲の向こうだ。

 

 頂上でちょっと休んでいる間に雨も上がり、時折日も差すようになってきた。そろそろ草原の

観察を始めるとしよう。

 すぐにマルバタケブキの大きな葉の上で休んでいるアサギマダラを発見。

 

 アサギマダラは時には数千キロをも旅するという渡り蝶だ。

 

 今回の個体には識別マークがなく、羽の痛みもないので近くで羽化した個体なのだろうか。

また羽の下の性標(黒い斑点)がないので♀のようだ。

 

飛ぶ姿も撮りたかったので、何度か挑戦した。

 

 私の腕とレンズではこれが精いっぱいのようだ。

 

草原は一帯がマルバタケブキの群生でおおわれている。

 

 

  それでもよく見ると、草原の背の高い草の中にウメバチソウの姿も見られる。

 

緑色のこの花はハナイカリ。

 

日本ではほとんど見られないオレンジ色の花コウリンカ

 

 これはノコギリソウ

 

 

 雨もすっかり上がって日差しが差しはじめると、ほかの生き物たちも活動し始めたようだ。

コガラの群れが数羽、大きなフキの葉で鬼ごっこしだした。

虫を探しているのだろうが、忍者のように素早く飛び回っている。

 

仁王立ちのヒョウモンチョウの仲間

 

 キアゲハも優雅な姿を見せてくれる。

 

 

  丈高い草の間を縫うようにひらひらと飛んでいるのはジャノメチョウのようだ。

 

木の葉の上で休んでいるこの虫は、図鑑やネットで探したのだが皆目わからず。ジョウカイ、カミキリモドキなど

が近そうなのだが、ぴったり来るものはなく??のまま。

 

 小1時間ほど遊んでいたら、再び雨がぱらつくようになったので下山をすることにした。

 

 下山は急いだので、40分ぐらいであっという間に登山口に戻ることができた。

この辺で。