野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

道央の春を行く ④

2017-05-21 10:57:08 | 旅行

  

 

 鵡川に寄った後は北大苫小牧演習林を訪ねる予定だったのだが、

ナビで迷ってしまった。結局国道235号線沿いの「つた森山林」という場所に寄った。

 

 初めは入り口だけで変えるつもりだったが、静かな雰囲気が気に入り少し歩いてみることに決めた。

 

さっそく出迎えてくれたのがオオルリ。きれいな声で囀っては

  反応を確かめるように暫らく小首を傾げて周囲をうかがっている。

 

 運がいいことに地上近くの見通しの良い枝に暫く止まって居てくれた。

 

 後姿も決まっている。

 

 湿地帯にはミズバショウが咲きだしている。国道すぐわきの平地なのに

 自生のミズバショウが見られるのはさすが北海道ならではだ。

 

 咲きだしたばかりのエゾヤマザクラ(でいいのだろうか)

 

 一周一時間ほどの散策路を歩くことにした。

 足元にはヒナスミレ。これも内地では平地で見ることはできないスミレだ。

 

 フッキソウ

 

 これから咲くユキザサの蕾

 

 

と、エゾシカが道を横切った。

 

こちらを不思議そうに見ている。

 

 コース途中にあった廃屋寸前の作業小屋。

 

 この辺りの雑木林はずっと居たくなるほど、たくさんの野鳥たちの囀りで満ち溢れていた。

双眼鏡で姿を見つけるのに疲れ、草原の上に寝転がって暫くの間聞き入った。

 オオルリ、キビタキ、、クロツグミ、コガラ、センダイムシクイ、ツツドリ、ホトトギスの声も、

時折コガラやアカゲラのドラミング、目を瞑っていると360度世界は

 野鳥たちの鳴き交わす声で満たされていた。

 

 一際さえずりが大きく聞こえたので目を開けると、すぐ近くの枝にキビタキがいた。

 

 気づいたこちらに、向こうも気づいたようだ。

 

 頻りに上空を気にしているのは、先ほど見かけた猛禽類 (尻尾の細長いオオタカほどの大きさの鳥が

オオルリを追いかけていた)を警戒しているのだろうか。

 

 そのほか姿を見せてくれたのはゴジュウカラ、コサメビタキ。

 

 

 あとは声だけで姿を見ることはできなかった。

 

 思ったより長い時間を過ごしてしまった。そろそろ日が落ちようとしている。

 

 入り口近くまで戻ってきた。傾きかけた日差しを浴び桜の木が輝いていた。

 

 この辺で。


道央の春を行く③

2017-05-20 19:43:34 | 旅行

 昼前には苫小牧を抜け、日高方面に向かった。目的地は鵡川河口。

道の駅「むかわ四季の館」に車を止めて、浦河国道を越え河口に向かう。

 歩いて5分もしないうちに、目の前にのびのびとした北海道らしい風景が広がる。

 

  頻りにカラスが飛び交っている

 

 この先が結構長かった、地図の上ではすぐ海に着けそうなのだが…

 

 広い畑に無造作に大型の農機具が放置されている。この辺は鵡川牧場の敷地内

 

 やっと鵡川河口の看板

 

 海に見えるが、ここはまだ河口への途中。川岸にはコガモが一羽所在無げだ。

 

 左に大きく折れ曲がった先が本当の河口。アオサギが見える。

 

 ハシビロガモの番

 

 そしてカラスも

 

更に砂利道を歩くこと十数分、やっと河口と海が見えてきた。

 

一面の葭原の脇を過ぎて

 

 

 鵡川河口には人工干潟の看板。かっては2.5kmにわたってあった干潟もすっかりなくなって

今は再生の途中。

 

 先客が一人だけいた。葭原の中に腰を下ろして観察。背中の色を見るとムナグロのようだ。

 

少し離れたところにはハマシギがいる。

 

 それしてもさびしい。この作られた干潟にはカモ、シギチを含めても20数羽ほどしか見られない。

 

 砂州ではカモメたちが飛び交っている。

 

 

 

 

 

 

 暫く粘ったのだが、風が強く吹き付けるようになってきたのでここまで。

 

 帰りの空の雲が今まで見たことのない、変った雲だった。

 この辺で。 

 


道央の春を行く②

2017-05-18 18:51:17 | 旅行

 札幌市内に泊まった翌朝、早く起きて支笏湖まで出かけた。

千歳川を遡って着いたのが支笏湖野鳥の森。

時刻はまだ7時半、湖畔には支笏科休暇村のホテルが建っている。

 

 野鳥の看板。クマゲラやエゾライチョウが見られたら最高にラッキーなのだが……。

 

 

 さっそく出迎えてくれたのはヒガラ。新芽を求めせわしげに枝の間を飛び回っている。

 

 

  5月中旬のこの時期でも木々の芽吹きはまだまだこれからといったところ。

 

いち早く花をつけたカエデ科の木

 

 

 展望台がある

 

 登ってみると支笏湖対岸に雪を抱いた恵庭岳が見えた。

 

足元にはオオバナノエンレイソウ

 

シラネアオイ

 

ヒメイチゲ

 

エンレイソウ

  いずれも内地では亜高山帯に咲く早春の花たちだ。

 

 エゾタチツボスミレ

 

 湖畔に下りてみる

 

水面を吹き抜けてくる風は、内地では3月初旬の冷たさだ。

 

 

 明治時代の山線鉄橋

 

支笏湖の流出河川である千歳川

 

支笏湖野鳥の森にはハイキングコースが設けられている。訪ねたときは

コースのほとんどが崖崩れで通行禁止にされていた。

 

 それでも出会えた野鳥たちは

キビタキ

 

 あちこちでさえずっていたセンダイムシクイ。この鳥のさえずりは

「焼酎一杯グィーッ」と聞きなされる。

 

 

 オオルリ

 

 問題はこれ。せっかく北海道に来たのだからハシブトガラと言いたいのだが、

私には本州でも見かけるコガラと区別がつかなかった。

 

 

 見分けるポイントは幾つかある。嘴の根元が白いというのが一番わかりやすい。

比較画像はここに

 ただ私に写真ではその細かいところが分からない。

 あれこれ迷っているうちに飛び去ってしまった。

 

 

 まぁせっかく北海道まで来たのだから、私的には北海道固有種のハシブトガラだったということに

しておこう。

 残念ながら散策コースを歩くことはできなかったが、ベンチに腰かけているだけで

次から次へと野鳥たちが姿を見せ、囀ってくれるバードウォッチャーには

何とも至福の園地だった。

 

 今日はこの辺で。


道央の春を行く

2017-05-16 21:02:15 | 旅行

 連休が終わったところで、北海道は札幌に飛び近辺の野山を歩いてきた。

 札幌に着いたのは昼前。、午後からは北大植物園を訪ねた。

赤煉瓦の建物は旧北海道庁舎。

 

 その裏手にあるのが北大植物園。いつもながら東西南北が整然とした札幌は歩きやすい。

 

 植物園入口。入園料は大人420円。

 

 古びた園内案内図。「キタキツネに注意しましょう」の看板には驚かされる。

  園内のマップ

 入り口すぐ右手にあるのは北方民族資料室。

 

 植物園の初代園長である宮部金吾の記念館。

 

 

 ビル街を通り抜けたばかりの目には新緑がやけに眩しい。

 

散策路脇に多く咲いていたのはキバナノアマナとエゾエンゴサク

 

 

 灌木園にやってきた。

 黒船ツツジが見事に咲いていた。

 

この花はエゾノウワミズザクラ。雄蕊が花弁より長いのがウワミズザクラとの見分けポイントなのだとか……。

 

 オオバクロモジ

 

都心の中とは思えない巨木が多い。

 

ミドリザクラ。またの名は緑萼桜。花弁の中央に緑色の五芒星が見られる。

 

ライラック並木に面した広場。ここで昼食を兼ねて休憩。

 

 この緑色の桜?はウコン桜なのだろうか

 

 カジカエデの花

 

こちらはエゾイタヤ(カエデ)の花

 

オオカメノキ

 

 眼鏡橋を渡って樹木園に入るところでシラネアオイの群生を見かけた。

 

 

 

 オオバナノエンレイソウは北海道で早春よく見かける花だ。

 

ヒトリシズカは名前と違って大勢で咲く

 

 キクザキマイチゲ

 

 北方民族植物標本園ではアイヌ民族などが生活上に利用した200種の植物が栽培展示されている。

 

重要文化財群には博物館やバチェラー記念館の建物がある。

 

 この後、ロックガーデン、高山植物園なども回ったのだが、花が本格的にみられるのは

もうすこし先のようだった。

 結局植物園には2時間以上いて、その後は円山公園に向かった。

円山公園は動物園や球場、隣接している北海道神宮が有名だが、

私の目的は丸山原始林。地下鉄を降りてすぐに北海道神宮の大鳥居が目につく

 

北西にある大師堂が丸山への登山口となっている。登山といっても標高226m 、

ゆっくり上っても一時間足らずのハイキング。

途中の山道には円山八十八か所として八十八個の観音像が建てられている。

 

 山道には自然が良く残されていて、登っていても飽きなかった。

頂上からの札幌市街。

 

 下山は動物園の裏手の道を行ったのだが、麓からは高校野球の応援がずっと聞こえていた。

 とりあえずこのへんで。

 


早春の福島潟

2017-04-05 17:53:15 | 旅行

 福島潟には何度か訪れているが、雪のない季節に訪ねるのは

今回が初めてだ。訪ねたのは3月下旬、雪は見えないものの

吹く風は結構冷たかった。

福島潟のシンボルマークとなっているビュー福島潟。逆さ巻貝のような独特な建物だ。

 

 HPはこちら

 

 菜の花が咲きだしていた。今頃はもう満開になっているだろう。

見えている建物は潟来亭(かたらいてい)。

 

そのわきを通り抜けると、広々とした空の下に福島潟が見えてくる。

 

真ん中に見えるのはヨウモツ小屋。ヨウは魚、モツは待つの意。つまり

漁のための魚待ち小屋といったところ。 

 

 菜の花畑の上空を頻りにヒバリが囀っている。

 

  なかなかカメラでは捉えきれないほど空の高みで鳴いている。

 

 

背後の山は五頭連峰だろうか

 

 私が訪ねた少し前にヨシ原の野焼きが行われたようだ。まだ焦げ臭いにおいが残っていた。

真ん中の小屋はカモウチ小屋。

 

 上空をノスリのような、ミサゴのような鳥が飛んで行った。

 

 

冬季にはたくさんのヒシクイや白鳥たちがいたはずだが、すべて北の国に渡って行ってしまった。

 

 奥の方にはコガモやマガモたちがまだ残っている。

 

 

 

 

 

 

 目の前をカンムリカイツブリが泳ぎ去って行った。

 

背景の山々は飯豊山塊

 

 

 

たくさんの水鳥たちで賑わっていたのが、まるでなかったかのように

湖面は静まり返っていた。

 

 この辺で。