志村史夫/著
今度こそ、E=mc2が、わかる!「知の巨人」の魅力を濃縮。
偉い。凄い。深い。しかも面白い。アインシュタインについて知ることは、二十世紀最高の知性に触れることである。「時空が歪む」という空前絶後の発想はどこから生まれたのか。無名の役人はいかにしてノーベル賞科学者となったのか。波乱万丈の人生と業績を辿り、数々の味わい深い名言からその哲学を知る。「熱狂的ファン」を自任する物理学者が、知の巨人の魅力を濃縮。ついに、今度こそ相対性理論がわかる!
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著者がアインシュタインの熱狂的ファンであることがわかります。
まるで、イチローや松井秀の熱狂的ファンで、目標にもしていて、プロを目指している高校の野球部員のようです。
数学、物理、化学を学ぶ高校生や大学生に目標とする数学者、物理学者、化学者がいて、熱狂的ファンになっている状況は非常に少ないのではないかと私は推察しますので、本書を読んで熱狂的ファンになる高校生や大学生が多くでてくるといいと思いました。
私には、著者のアインシュタインに対する熱狂的ファンの熱狂ぶりが伝わってきて、本書を熱狂の中で読み進めることができました。とても面白い本です。
アインシュタインは、以下のような驚きの結論を導きます。
●時間と空間を独立に扱うことはできない
●動いている物体の長さは運動方向側に縮む
●動いている時計の時間は遅れる
●動いている物体の質量は大きくなる
●宇宙に光速を超えるものはない
●エネルギーと質量は等価である
ただし、相対性理論の物体の速度は「光速」に近いものを想定しています。「光速に近づいた」動いている物体の長さは縮み、質量は大きくなるのであって、私たちが日常目にする物体の長さが縮んだり、質量が大きくなったりはしません。
相対性理論の後に世に出てくる量子論はミクロの世界ですので、これも私たちが日常体験するマクロの世界とは違うものです。
自宅と会社を往復する生活であると、マクロの世界だけがあり、絶対時間・絶対空間のニュートンの世界が私たちのリアルな認識だと思うのですが、相対性理論を学び世界観を拡大していくことは有益なことだと考えました。