ハイエースのキャンピングカーに車載されていた Mikuni 製 FFヒーター MY16
暫く放って置いたのですが、そろそろ捨てるか 5万かけて修理を試みるか?の判断をしないといけない。
本当に コントローラーの故障だろうか?
どうしてもそれを切り分けない事には、 ヒーター本体の別の原因だったりした場合、 5万でフレームセンサーを換えてもプラス余計な修理代金がかかりますから。
今回は 本体を調べられる程度まで分解します。
灰色のベースから 本体を取り外し、
コントロール配線カバーを外し、その中の配線もはずします。
サイドカバーと モータカバーも外します。
グローのカバーを付けたまま 抵抗をチェック 約0.6~1オーム程度あります。
モーターの抵抗測定から入りますが、 構造的に ファン回すと抵抗地が変わりますのでこんなもの、モーターその物は正常に動いているのを確認しています。
ぐりぐり回して
測定すると、 特に問題なし、 ベアリングも問題らしき音も 引っかかりも無しでスムーズ。
ちなみに モータ起動時に過電流が流れたりするとコントロールボックスはアラームを出します。
ベアリングが駄目だったり、 ファンに何か詰まったり、 した場合ですね。
次に オーバーヒートを検出するセンサーを調べます、型番が書いてあり、データシートが
出てくるか?と番号入れて検索してみましたが出てきませんでした。 残念
これの通常抵抗地は極めて低く、普通は導通状態で、 これで正常なんです。
異常があると 抵抗が瞬間的に無限大となり コントロールボックスにオーバーヒートの異常を知らせます。
一応テストしてみることにしました。 ヒータの異常加熱検出なので 大胆。
テスト方法は極めて簡単に ガスライターの火で、センサー部分をあぶると温度が上がります。
ある程度温度上がると 抵抗地がポンと無限大になります。 簡易テストですが 機能的にオンかオフしかないので、 これでも十分テストできるのですね。
異常加熱のアラーム出したりした場合は 、このセンサーの精密テストが必要になります。
ほら抵抗地が 無限大になりました。 冷えると又導通します。
で、センサーの裏はすすで黒になってしまった(笑) 拭けば取れるので気にしません。
異常加熱を知らせるセンサーには、異常がありませんでしたということで、
次はグローそのもの。
グローカバーを取り外して、もう一度抵抗地を測ります。 0.5オームとほぼ正常です。
このグロープラグの処には 燃料の配管が来ています。 指で指している配管がそうで、グローが赤熱して そこに燃料を噴射して 着火、運転中は燃料がここで燃えているので 一度つくと その熱で赤い状態を維持するのです。 なので再着火までの間、コントローラーは電気を遮断します。
配線ターミナルを外して グローを取り出します。
こんな形しています。 セラミックの処に巻かれているのがヒーター線。
瞬間的に 加熱させるために 抵抗地が極めて小さいのが特徴。
実際に、これが切れているかどうか、赤熱する様子を見てみましょう。
まずは 33Aの 12V電源。
この配線をグローのカプラに繋げると
ほら 真っ赤(笑)
グローも異常有りませんね。
ちなみに このグローが取り付けられている穴から中を覗いたりして。
異常で オーバーヒート(異常加熱)センサーと グロー、 ファンの三つが問題ないことが解りました。
いよいよ最後は 例の 2フラッシュして故障表示する フレームセンサー。
グローの隣で、燃焼温度を監視するものですね。
見ての通り綺麗ですが、 ミクニに問い合わせたとおり、二〇度で3オームくらいの抵抗地があります。
これは温度が上がると 抵抗地が増えますから、 本当ならこのセンサーだけを取り外して
テストしたいのですが、見ての通り配線が出ているために 普通のソケットレンチは使えず、
特殊工具が必要となりますが、 これが高い。
で、センサーがきちんと温度変化するかどうか解ればよいだけですから、 本体ごとオーブンにぶち込みます。
乾燥用なので、 内部温度は六〇度くらいまで上がりますので、その温度で約10分程度 本体まるごと加熱。
で、抵抗地を測ってみると 4.2オーム その前は4.7有りましたが、 蓋開けてオーブン止めると
急に冷えてくるので抵抗地が下がる。
センサーも問題は有りません。
というわけで、 これでヒーター本体の全て、特に電気的に制御されている部分全部のテストは
完了。
2フラッシュの フレームセンサー異常は、 この最後のテストで解るように、きちんと抵抗値が変化しています。
起きているトラブルは 運転スイッチ入れて まだ点火もしていないのに アラーム出して停止しててしまう症状のために 普通ならこの抵抗地が 無限大だったり 導通になったりと、点火前のダイアクノースティック(自己診断)で電気的問題が明らかな場合に出すので。
センサーが正常な場合、 コントローラーに問題が有ると考えるのが理論です。
今回本体の各部をテストしたのは、それら他の電気的部分に異常があり、 それと相互作用して
アラームを出している恐れがあったからですが、一般的な常識から考えても異常なく、 僕の経験からも、何ら問題有るとは思えない。
これが点火して運転開始後に アラームを出したとするなら 本体に異常があるとか認められるわけですが、そういった事例とは違うわけです。
参考までに Webast等の FFヒーターも基本的にはこのミクニと基本構造は全く同じです。
もっともミクニはFFヒーターの販売辞めて久しく、 Wabestoは ずっと進化しているために
制御がもう少し先進的と言えるかと思いますが。
さて、次は 最終回、 これまでを総合し、 結論を出してみたいと思います。