帆∞翼(セイル バイ ウイング) -太陽そして風と供に- 

海・南風・そして何より”真夏の太陽”が大好きな翔です。

「よろしく!」  

木崎湖

2017年08月05日 | 研究-教育・育児

木曜日朝の2時に起床。

メールチェックや各種手配を済ませて3時過ぎには出発して、現地に着いたのは8時少し前でした。

なんで木崎湖なのか?というなら、 毎年此処で行われている戸塚ヨットスクールの臨時補助コーチとして、これまで毎年参加をしてきたからなのですね。

ここ7~8年くらいは、キッズの方が盛んに成り、その手伝いの方がメインになっていたのですが、昨年は不参加でした。

今年も参加予定は無かったのですが、 コーチの方々、皆さんには親しくさせてもらっていますが、その一人から電話があり、急遽応援参加という事になりました。

 

どんなキャンプなのか?というのを、ここですこしですが紹介させてもらいます。

今回は2~12歳くらいまでの子供(男女合計27人)とスタッフやら何やらで、40人以上がほぼ1週間のテント生活を送ります。

食事は、施設の生徒とスタッフの共同作業で提供され、 僕は子供達のウインド訓練を受け持つだけなのですが、SUPボードや大きなサーフィンボードでパドリングしては湖面に浮かぶ子供達に操作を教えたり、レスキューをします。

セイルの操作がまだまともに出来ない、特に小学生以下の子供達はどうしても風下に流されるので、それをすくっては風上にパドリングで運んで”落とす”

ひたすら一日がその繰り返しで、ただ、運ぶ度に少しずつ子供達の成長が見えるという楽しい一面もあります。

「子供達は逞しいな・・・・」と感じるのは、 親と離れ、廻りが見ず知らずの人間という空間に放り込まれて、初めはひたすらベソべソするし、少しの事でも泣き出すのですが、それが変化する。

それまではずっと親の保護下にあり、廻りも顔なじみの友達ばかりだった世界に居たわけですから、それも当然事なんですが、それが変化する。

進歩というやつです。

たった1週間程度の短い時間では有れど、そこで積まれた経験はその先の人生に少なからず影響してくる勉強でも有り、

それは完全に親依存だけで成長するのと、 時々親から離れて依存の無い処で、自分を確立させねばならないところで過ごしてくるのでは、 小学校高学年から先の自立に対する基礎訓練という意味合いに置いて、とても重要なのですね。

 

これは言葉では無く、理屈でも無く、 ごく自然で感覚的な物として備わるという方が正解かと思います。

 

このキャンプでは、ウインドサーフィン訓練がメインで行われて、 2~3歳の子は ボードに立つバランス訓練。

それ以上の子は、それぞれのサイズのセイルとボードを与えられて、”嫌でも”乗る訓練をさせられることになります。

親が居れば、泣き叫べば根負けして中断させてしまうのが親心だし、それが当然とも言えるのですが、 他人の集合体でもあるキャンプではそうした甘えによる泣き落としは一切通用しません。

ある道は、ひたすらボードの上で自ら訓練に励むことだけです。

不思議なことにですね、 そこに大きな成長の鍵がある。

 

多くの方は、「泣くな-!!」、 「セイルを上げろ!」、 「前を向け! 下を向くな!」、 「きちんと やれ!!」 そう朝から夕方まで怒鳴られる訳ですから、 子供が傷ついてひねくれてしまうのではないか?と

そう考える方が多く居ます。

 

私も初めはそう思っていたのですけど、不思議なことが100%起きるんですね、現実に。

 

子供達の中で何年もキャンプに参加している上級生の走る姿(やってきているので当然です)を見ていた泣き虫達の中から、その姿を追うように練習し始める子が必ず出てきます。

すると、そこに能力の差が生まれる。

ここに正しい競争心が芽生えてきて、上手になり始めた他の子の姿をみて、逃げ一辺倒だったはずの子が、自ら進んでだんだんとやり始める。

後からやり始めても、先に始めた子が油断している間に上手になる子が出てきて、

先のステップにすすんでいた子は、後から来たその子の姿をみて、焦り心が起きることから、なおいっそう真剣にやるようになる。

ウインドサーフィンは勉強とは違い姿に全ての結果がでますので、子供でもすぐに判るんです。

コーチ達は、逃げ姿勢だけの時は”ひたすら厳しい言葉”を浴びせますが、 自ら練習し始めた子、競争心(向上心)が芽生えた子には、そうした言葉は一切不要なので、段々と練習している湖面が静かになってきます。

当たり前ですが、自ら前向きになった子供達は、正しい競争心で行動しているわけですから、しかる必要は一切無いし、それ以前に”泣き言”というのが自然に消滅するんです。

 

これが人の持つ正しい本能で有り、心の成長の原動力となるもの。

そしてこの経験が大人になるまでのあいだ、 目の前に現れる苦しい事に立ち向かうための基礎力となって備わる。

このキャンプではウインドサーフィン意外に、ヨーガと朝の体操、及び筋力トレーニングが行われて、

ヨーガは柔軟力を培うと同時に、筋力トレーニングも兼ねていて、そこでもやはり多くの子供達が泣きます。

子供とはいえど、昔とは違って、今の子供達は外遊びが極端に少ないことから体が硬く、肥満傾向にあります。

本来なら自然の中で遊ぶことで、その二つが備わるのですが、ゲームや習い事などで、

常に不十分。

実際に、なんでこんなことができないのだろう?と見ている僕は多々感じます。

 

朝の始まりに行われる一時は、ヨーガとはいえ、体をひねったりねじったりですから、 痛いし苦しいしで、必ず逃げが入る。

それはやっている姿にすぐ現れるので、すかさずそこをピシャリとやられる。

「泣きまくりますよ、 特に何の我慢もしてきていない子ほど・・・・」

 

ところが、これも初めのうちだけ、本来、体の柔らかい子供は割とすぐに出来る様になってきて、最後の方は殆どの子が泣かなくなります。

ただ、苦しいので狡したり、適当にサボろうとする子が必ず出てきて、そうした姿が見えるとやはりドカンと叱られる。

 

こうして、1週間をすごすのですけどね、顔つきが変わるんです、初めから見ていると。

今回は実質後半の2日間だけのコーチ参加でしたので、そこまでの変化は感じ取れませんでしたけど、

キャンプ前の表情は容易に想像つきます。

 

そうそう、他にもこのキャンプで面白いのが、 食事。

これ嫌い、 あれ食べられない、 気持ち悪い、 食欲無い、 不味い。

初めはそんな子ばかりです。

毎日好きな物だけたべて、おやつ食べて、そんな生活だけだったのが、スタッフの造る料理しか目の前には並ばない。

嫌なら食べなくても結構! ただし、それが何日つづけられるのか?ですが、

最後には競うように食べて、お代わりで奪い合う姿にまで変化する。

 

どんなものでも、運動して食べるものに不味い物などありはしない。

特にウインドサーフィンは体力消耗が激しいので、なおさらお腹が空く。

訓練終了から夕飯までの自由時間は、これまた親しくなった友達同士で色々な遊びをする楽しい時間ですから、はしったり飛んだり、時には喧嘩も・・・・おっとと。

 

一日中動いているので、当然と言えば当然のことですが、その当然が今の社会には消失してしまっているんです。

 

僕は木曜の朝から、訓練で二日間、 土曜日は撤収の手伝い。

合計3日間でしたけど、 やはり戸塚ヨットスクールは凄いなと・・・・

 

そう思う一時でした。

 


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