78回転のレコード盤◎ ~社会人13年目のラストチャンス~

昨日の私よりも今日の私がちょっとだけ優しい人間であればいいな

◎絶望と希望のフラッシュバック ~奇跡~

2008-08-31 23:29:08 | 追憶の自分史
初めて読むけど何のことか解んねーよゴルァの方は「追憶の自分史」カテゴリーの一番下からお読み下さい

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必死の勉強も空しく、日本経済論の後期試験は3割ほどしか解けなかった。

残りは勘を働かせて書いて何とか埋めはしたが、ほとんど記述なのでごまかしは効かない。

もちろん大学は絶対評価なので、他人の成績も全体的なレベルも関係ない。



終わった。そうとしか思えなかった。



約束を守れないかもしれないことを友人Aに伝えた。



Aは激怒した。



「大学辞めてでも関東に来い。
そうしなきゃ俺が今まで苦労して関東で働ける会社に決めた意味が無くなる」



そんな無茶なことまで言い出した。

Aの約束にかける想いは本物だったのだ。
例え人の人生を目茶苦茶にしようが守り通すつもりの約束だったのだ。



じゃあどうすりゃいいんだよ。
本当に大学辞めろというのか、それとも――



イヤ、まだ諦めてはならない。すぐさまゼミの先生に相談を持ち掛けた。

しかし、



「気持ちは分かるけど、私の権限ではどうすることも出来ないんだよ」



やはりそういうことだった。

成績が出るまでの2週間、大人しく待つことしか出来ないもどかしさは半端無かった。



木枯らしと真っ白な雪に身を包まれるだけの日々が過ぎ去り、2週間後。

成績は――









これは想定外だった。


奇跡が起きた。まだチャンスはある。



しかし、再試験の内容は、試験ではなく課題だった。

本を2冊、計6000円も費やして購入し、指定箇所をそのまま書き写したり感想を述べるなど、
ノート2冊を丸々使い切る量の課題だった。

しかも、期限はわずか一週間。

当方は毎日3時間睡眠でとにかくノートに書き続けた。

全ては大学を卒業するため、
約束を守るために。




――1週間後――



「ノート確かに受け取りました。よく頑張ったね。
君は出席日数や試験の点数は足りなかったんだけど、
普段から勉強を頑張っているのは分かっていたから、
特別に再試験という形でチャンスを与えたんだよ。
もう大丈夫。単位のことは安心して下さい」



つづく

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