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書評『ニコイチ幸福学』(前野隆司・前野マドカ著)

2019-05-03 11:25:52 | 書評
ニコイチ幸福学 研究者夫妻がきわめた最善のパートナーシップ学
前野 隆司,前野 マドカ
CCCメディアハウス


本屋さんで、自分の興味のある分野の本ではない本を手に取ることもあります。この本は、幸せそうな夫妻の写真と「可能性は♾」という帯を見て、思わず手に取り、読みました。

慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の教授と研究院の夫妻による、夫婦というパートナーにより成長することを説いた本です。

構成は、お二人の経験談、幸福学についての基礎知識の後に、本書の中心コンテンツであるニコイチのための幸せの4つの秘訣が書かれています。

ニコイチとは?
ニコイチとは、2人で1組ということ。英語に“my better half" という言葉があり、夫婦の相手側を指して、こう呼ぶそうです。素敵ですね。
そして、ニコイチで時間や経験を共有して、共感したり違う意見を交わしながら、互いをさらによく知り、互いに成長することが、こニコイチの醍醐味と書いています。まさに、この本でニコイチの幸福学を薦める理由ですね。

幸せの4つの因子とは?
幸福学に基づく幸せの4つの因子とは、
1 「やってみよう因子」ワクワクしながら頑張る
2 「ありがとう因子」あたたかく優しい
3 「なんとかなる因子」 あっけからんと肝が座っている
4 「ありのまま因子」妬みそねみがないブレない因子

それぞれ、因子の説明、ニコイチの場合の因子の説明、経験談が書かれていて、とてもわかりやすいです。いずれも共感できます。

この本を読んで、4つの因子に関連して、3つのアクションをとりたいと思いました。

アクション1 「やってみよう」因子
パートナーがやっていることをサポートして、ポジティブなフィードバックをする

アクション2 「ありがとう因子」
自分がしてほしいことを伝える際は、ネガティブな言葉を排除する。

アクション3 「ありのまま因子」
「すべてオープン」をさらに徹底する。

自分のテーマと関係ない本ですが、ニコイチという言葉、そして幸せの4つの因子について体系的に学べて、とても勉強になりました。

書評『英語学習2.0』(岡田祥吾著)

2019-05-03 10:25:23 | 書評
英語学習の類書研究するときは、主にTOEIC関連書籍を読んできました。ここで、TOEICに限定されない英語学習の本を読んで、TOEIC学習、TOEIC学習方法の体系化に役立てようと思って、この本を手に取りました。

著者は、大阪大学工学部卒業の20代のビジネスマンで起業家。交換留学でを1年間、マッキンゼー勤務(日本で)を経験しています。英語コーチングを行う会社を設立して、社長を勤めていらっしゃいます。ただし、多くの英語学習書の著者プロフィールに必ずある「TOEIC9XX点」「英検1級」という言葉はありません。英語学習、英語指導のプロではないのに、英語コーチングプログラムを作り、会社を運営しているという、一風変わったプロフィールが、かえって、読者の関心を呼ぶと思います。

本書の構成は、著者の経験談から始まって、間違いだらけの英語学習、リスニング勉強法、ヒアリング、継続する仕組みの5Chater構成です。(正式な章名は違いますが、要約すればこういうことだと思います)

この中から、私が特に印象的だった、TOEICに関する著者の評価と、シャドーイングについて、印象的な言葉を引用して、私の感想をコメントします。

TOEIC;「TOEIC嫌いはただの逃げ」
「英語初級から中級者にとってのTOEICは、きわめて有効な試験」
「TOEICのリスニングで満点近いスコアを取ることが、英語をビジネスで使うことでは必須」

まったく同感です。TOEICは英語力をかなり正確に測る試験だと思います。また、英語の学習を継続するには、成長を実感することが必要です。そのためには、TOEICを継続的に受けることにより、その成長を実感することがとても有効になります。

また、TOEICのリスニングでは、ビジネスに限らず、日常会話がとりあげられ、ネイティブに比べたら、かなりゆったりしたペースの会話が流れます。実際のビジネスで、場合によっては、いろいろ言葉も省略されながら交わされる会話は、さらに難しいです。頻繁に聞き返すことなくビジネス会話を行うには、やはりリスニング満点近いスコアを取る必要がある、と実感しています。

シャドーイング;「シャドーイングの真の目的」
この本では、シャドーイングにかなりのページを割いて、その英語学習における効果と重要性を説いています。私自身も、初めて読むことも多く
たいへん勉強になりました。

1)リスニングのプロセスは、1.音声知覚 2.意味理解の2段階になっている。この音声知覚を自動化するために、シャドーイングは行います。
2)音声知覚を自動化していないと、脳のワーキングメモリのかなりの部分を音声知識に使ってしまい、意味理解に脳を使えません。シャドーイングを行うことにより、音声知覚が自動化するのです。
3)シャドーイングの正しい行いかたのポイントは、ひとつの音源について100回以上すること、自分のシャドーイングを記録することの2点。

シャドーイングは同じ音源を100回以上行うとは!そこまではできないかな、と思いますが、まずは、
TOEICで間違った文については、10回シャドーイングする
ということを、TOEIC学習に取り入れてみたいと思います。

この本を読んだ一番の収穫は、シャドーイングの方法について、詳しく学べたことです。TOEIC学習法やTOEIC勉強法の本だけでなく、幅広く英語学習の本を読むのも意味があるな、と感じました。英語中級者向け、TOEIC600点から730点くらいのレベルの方に、特にオススメしたい本です。

英語学習2.0
岡田 祥吾
KADOKAWA