ひと言だけ・・・福岡ソフトバンクホークス応援ブログ

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オリヲン座からの招待状(2007)

2009-02-04 01:07:25 | 映画
♪小倉生まれで玄海育ち・・・うちの親父、いつも「無法松の一生」を鼻歌にしてるんだよなぁ。(苦笑)「無法松の一生」とは、人力車夫の松五郎と軍人未亡人の良子の身分の釣り合わない秘めた愛情物語。その「無法松」がモチーフになった浅田次郎原作の「オリヲン座からの招待状」・・・よかったぁ!!

オリヲン座館主の松蔵(宇崎竜童)の死後、その志を引き継いで弟子だった留吉(加瀬亮)は未亡人となったトヨ(宮沢りえ)とともに貧乏や世間からのあらぬ誤解に耐えながらも映画館を守り続けるという物語。

映画化された浅田作品「鉄道員」「地下鉄に乗って」なんか観たんだけどどれもイマイチだったんだよな。あまりに出来過ぎのファンタジーみたいな印象ばかり強くてね。でもこの「オリヲン座」、いい意味で期待を裏切られたな。ベタなストーリーで結末もある程度予想できるような内容なんだけど、観終わった後の心地よさは他の作品にはないものを感じたな。

ところで留吉とトヨは実際に夫婦になったのか、ましてや男女の関係になったのかさえも最後までハッキリしない。でも、おそらくそこがこの作品のおもしろさじゃないのかな、観たヒトそれぞれの解釈に任せます、みたいな。「秘めた愛」、憧れるけど、つらいだろうね。(苦笑)宮沢りえ、あまり好きな女優じゃなかったんだけど見直したね。不自然な関西弁は置いといて、愛情や悲壮感あふれたやまとなでしこの鏡のようなトヨはハマり役だった。

時代は変わったもんだよ。昭和30年代、今みたいに不倫さえも堂々とするような世の中になるとは誰も考えなかったろう。無法松にしろ留吉にしろ分だけはわきまえていた。「感情のおもむくままの恋愛」とか「好きだから仕方ない恋愛」とか全く短絡的すぎるよ。ホントに義理も節度もなくなったよなぁ。

今、昔ながらの映画館って、どんどんなくなって、ほとんどシネコンに変わっているんだろう。地元福岡に子供の頃から通った中洲大洋って歴史ある映画館があるんだけど、なんとなくこの「オリヲン座」に似てたなぁ。大洋は確か10年前くらいに閉館の噂があったんだけど、リニューアルして現在も頑張っている。昔の雰囲気をそのまま残してくれていてうれしいよ。僕は今でも映画館というと必ず大洋!いっしょに観にいく相棒たちにはブーブー言われるけどね。やはり映画館ってものは、レトロな雰囲気、窮屈でボロのいすに不健康な空気の悪さ、みたいな感じが一番!