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病院坂の首縊りの家(1979)

2008-02-17 18:22:33 | 映画
日本が誇る映画監督の市川崑さん、亡くなられたんですね・・・
映画監督というと「くわえタバコ」というイメージを植えつけられたのは、市川監督にほかならないなぁ。ホント、くわえタバコが様になってましたよね。

「市川作品」といえば、なんてったって、僕ら世代では70年代後半の「金田一シリーズ」に決まってる。「犬神家の一族」「悪魔の手鞠唄」「獄門島」「女王蜂」そしてこの「病院坂の首縊りの家」。どれも甲乙つけがたいほどの出来だ。市川監督はよくその撮影方法を前衛的とか実験的とか評されるのだけど、確かに独特なモノがあるなぁ。ワンシーンに数台のカメラによる別アングルからの撮影とか、陽と陰の表現(特に影の出し方)なんてすごいよな。

そして、美人女優を撮らせたら、さらに美人度20%アップするというほどに女優を引き立てる監督だ。この「病院坂」のヒロインはなんとあの桜田淳子。子供の頃のかすかな印象しか残っていないけど、この作品の中の桜田淳子って、他に類をみないほどの美しさ!当時二十歳前後だったみたいだから、現在のトップアイドルでいうと長澤まさみと同じくらいの頃かな。ただ比較にならないほどキレイだ。劇中でジャズの名曲「ペーパームーン」を唄うシーンがあるんだけど、こっちの方もかなりいけてる。昔のアイドルって、ルックスだけじゃなかったんだなぁ。

物語は、金田一シリーズの中でも最も難解なのでは?とにかく人間関係が複雑!
金田一(石坂浩二)とともに事件を解明する青年(草刈正雄)が金田一に対して事件の当事者である法眼家の複雑な家系譜を超早口で説明するシーンがあるんだけど、あのシーンって一度聞いただけで理解できるヒトなんていないだろうな。説明を受けた金田一でさえ「全く分かりません」って言ってたしな。(笑)この「病院坂」って作品は、過去4作とちょっと雰囲気が違うんだよなぁ。そこがまたよし。

市川監督、本当に残念です。最後の作品は「犬神家」のリメークだったんだぁ。本人は「本陣殺人事件」も撮りたかったとか・・・今後も金田一作品は製作されるんだろうけど、もう市川作品の映像美を越えるようなモノは出来ないだろうな。