フェラーリを一晩で潰した男

数年前のある夜、１１時頃だったろうか。

（夫も私もまだ携帯電話の持って居なかった←普通の人より持つのが遅かったし、
今でも殆どふたりとも携帯を携帯していない）


夫が血だらけになって帰ってきた。

私、

唖然・・・(・0・)

何が起こったか、しばし、判らなかった。


夫は「早く保険会社の担当の人に電話しなきゃ！」って興奮していた。

ナニ？

何が起こったの？？？

血をいっぱい流している夫を見ながら、

どうしても何がなんだか判らなくなって、

横で夫が元気で生きているのに、怖くなった・・・。


その日、確か、夕方、青色のフェラーリ（赤色と乗り換えて２台目）が

家に届いて、夫は有頂天だった。

夜、９時頃「ちょっと近くをドライブしてくる」と言って出て行った夫。

その夫が今、横にいる。

はあ？なに？？？

・・・・・・・

しばらくして夫が、彼の過ごした約２時間の話をしてくれた。


「昨夜、ポルシェ（同時所有・赤色）で、ドライブした近くの道を、

今日届いたフェラーリを運転していて、同じスピードで曲がろうとしたら、

路上の砂利に車の足を取られて、曲がりきれずに、

横の約２ｍ下の田んぼに転落したんだ。

車は１８０度回転して落ちたから、屋根がペシャンコになった。

僕も逆さま向いていたんだけど、幸いドアが開いたから脱出してきた。

田んぼは休耕田だったから水が無かったんだ。

で、真っ暗な道で立っていたら、たまたま通過しようとした車が止まってくれて、

そこには男性ふたりが乗っていたんだけどさ、

『どこまで送りましょうか？』って言ってくれたんで、

最寄りの駅まで送ってもらったんだ。

そこにタクシーが待機してたんで『○○整形外科まで行って下さい』って

言ったら、

運転手さんが

『お客さん、血がいっぱい出てますけど大丈夫ですか？

○○整形って、今頃閉まってますよ。連絡取られたんですか？』って訊いてきたよ。

けど自宅って言えないしなあ。」ということだった。


ひえ～～～！！！


結局、○千万円の（借金だよ～！！！）車は全損で一日で廃車になったが、

夫はカーキチで保険にだけはいつもすぐに入るので、

数日後には、また新しいフェラーリ（今度は青色が無かったので緑色）が届いた。


夫は軽傷で車から無事脱出できたからヨカッタが、炎上でもしていたら・・・

と思うとぞっとする。


心配性の私を尻目に、血だらけの夫は事故時にどう思ったかを話に付け加えた。

「僕ね、車が、ひっくり返っていった時、

『次のフェラーリは、どんなの買おうかな』って考えていたんだ。(^。^)」


え～～～～！！！！(◎皿◎)ナンデスト!!


恥ずかしながら・・・わたくしは、こんなアホなオッサンと

長年暮らしているのでごじゃりますう・・・（涙）・・・。