漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

人生は儚(はかな)い?

2016-11-22 22:11:15 | 雑記
 カタカナの部分を漢字にしてください。

1. カンタン の夢
  カンタン の枕

2. ナンカ の夢

3. キンカ 一朝の夢

4. コウリョウ 一炊の夢

5. カイアン の夢

6. フユウ の一期

7. リョオウ の枕

8. ソウシュウ の夢

9. カイロコウリ

10. ロセイ の夢

11. コチョウ の夢



 お気づきの通り、これらはすべて人生や人の世の栄華がはかないことのたとえです。手元にまとめた問題の中だけでもこんなにあるのですから、これ以外にもまだまだたくさん類義の言葉、故事成語があるのでしょう。「盛者必衰」や「会者定離」などもその類と言っても良いかもしれません。古来どれだけ多くの人々が人生の無常、世のはかなさを感じてきたかの証左でもあるように思います。「洋の東西を問わず」という決まり文句がありますが、英語など西洋の言語にもこのような成句がいくつもあるのでしょうか。外国語には疎いのでそのあたりは良くわかりませんが、東洋人においてより顕著な人生観のようにも思います。

 ところで、「はかない」の漢字表記は 【儚い】 ですね。「人」の「夢」で「はかない」とは、ひょっとしてこれは今まで見過ごしていたけれど国字なのではないかと思って調べてみたところ、漢字そのものは大陸から伝来のもので国字ではありませんでしたが、この字に「はかない」という意味が生じたのはやはり日本において、しかも江戸時代以降と、比較的新しい用法であることが「全訳 漢辞海」に出ていました。もともとは「夢」の部分は「くらい」の意で、【儚】は暗い人、つまりおろかな人物を意味する字だったようです。「漢検 漢字辞典」にも、第二版には「くら・い」との訓が掲載されていますね。熟語 【儚儚(ぼうぼう)】 は、「ぼんやりするさま。頭が鈍いさま。」を表します。

 自分的には久しぶりに興味深い「発見」でした。





<解答>

1. 【邯鄲】  (「漢検 漢字辞典」初版 P.224/第二版 P.227)

2. 【南柯】  (1179/1190)

3. 【槿花】  (360/362)

4. 【黄粱】  (501/504)

5. 【槐安】  (181/183)

6. 【蜉蝣】  (1319/1332)

7. 【呂翁】  (1556/1609)

8. 【荘周】  (928/935)

9. 【薤露蒿里】  (183/185)

10. 【盧生】  (1594/1610)

11. 【胡蝶】  (450/454)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。