=118 ~木の因数分解~(家具工房つなぎブログ)

南房総でサクラの家具を作っています。ショールーム&カフェに遊びにおいでください。

大工の現場

2023年04月11日 | 【志事】独立を選んでからの日々
この数カ月、大工の見習いというかお手伝いをさせていただいた現場もそろそろ外構が完了すれば引き渡しになりそうです。
自社の家具製作業務もあったために付きっ切りになれず涙。家づくりの現場をもっともっとやりたかったです!

現場の大工さんが本当にいい方でいろいろお話をさせていただき、私も大工の仕事以外にも人生についても勉強になった部分が多々ありました。本当にありがとうございました。

以下はそうしたお話からあくまで私個人が感じた私見ですのでご承知おきください。

まず思うのは、建築とか家づくり、大工ってものづくりの最たるものでそのやりがいやかっこよさ、楽しさは間違いないことなのですが、やっぱりどんな仕事でも現場はキツイということです。折しも年末から1月、2月という寒さが一番厳しい時期という気候的なことはおいておいても、粉塵の舞う中、不安定な足場、きつい姿勢での作業も多く体力も使います。

それでも建築という現場には、そんなことは差し引いてもさっき言ったやりがい、かっこよさ、楽しさがありますし、そういうことが好きな人間がこの仕事に集まってくるのだと思います。しかし昨今の職人不足を考えると、たんに人口減少だけでなく、「集まってきていた」という過去形といってもいいのかもしれません。
私が言うまでもないことですが、その大工さんのお話を聞いていると現代の現場は作業のやり方、合理性追求のために昔の現場と比べると魅力が薄らいでいるのかなと思います。つまり、しんどさ>やりがい(お金も含めて)
大工さんは昔は刻みをやっていましたし、曲がりくねった丸太を使った小屋組みなんかは大変だけど楽しかったといいます。「今はすべて直角、直線、プレカット、楽だけどね。」と。せっかくの技術も活かしきれてないと思いますし、でもこの方法でと言われて、それば楽ならば、そういうふうになっていってしまうのは仕方のないことです。

それに「昔は現場で一人なんてことはなかったなー」と。
上棟が終わってしまうと、大工さん一人という現場も最近はよくあるのではないでしょうか。(一人でやるのが好きな人もいるとは思いますが)大工さんが自分が棟梁でやっていた頃は必ず数人の仲間がいて、一緒にワイワイやっていたそうです。

つらつらと書きましたが、今に始まったことではないですし、ほんと私が言うまでもないことですが、なんだか実感したなという感じです。
最初に申し上げたとおり、現場は楽ではありません。はっきり言って70代半ばの棟梁には今までで体ができているとはいえ、決して楽ではないと思います。余計なおせっかいかもしれませんが、技術があって、今まで頑張ってきた人がもう少し年齢に合った働き方ができる世の中であってほしいとも思いました。
コメント
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