ウソです。
彫っていません。
これは、今度新築のお宅の仏間に取り付ける彫り物で、
その枠を製作させてもらうことになりました。
南房総では、
家具を作っていると、
「同じ木」ということで、「ちょっと彫り物も彫ってくれよ」
と言われることがありますが、
私のなかでは、
「家具と彫り物はまったく別物」
もちろん、まったく関連性がないわけではありませんが、
求められる技術や道具がまったく異なります。
たとえば、
ビジネスの世界でも、
「広告」と「広報」が似ているように思われることがあるようですが、
前職の広告代理店マンいわく、「根本的に違う」
(この場では説明はしませんが)
また「同じ漁業でも、一本釣りと網と養殖が異なるように?」とか。
このあたりのいいたとえ話を考えることもあるのですが、
なかなか適切な話が浮かんでいません。
誰か教えてください。
とりわけ、彫り物は「絵心」とか「デッサン」みたいな能力が不可欠だと思います。
これは努力もありますが、天性みたいなものが関わっていると思います。
私は写真が好きで、「配置」とか「バランス」という能力は少しづつ鍛えてきたつもりで、
これは家具製作にも活かされていると思っているのですが
彫り物はちょっと別かなあ。
こうして、昔の彫り物師の作品を間近で見させていただくと、
完全に立体の絵が頭の中にあるんだろうなと思います。
ちなみにこの作は、
南房総一円の名彫り物師集団「後藤派」の
「後藤利三郎 橘義久」
この地域に多い山車や屋台の制作には出てこない名前でした。