=118 ~木の因数分解~(家具工房つなぎブログ)

南房総でサクラの家具を作っています。ショールーム&カフェに遊びにおいでください。

10年後もいい仕事

2010年09月20日 | 【仕事】岡山の工房での日々
少し前の話です。

写真は博物館などで使われるようなある大きなカウンターを、家庭用のキッチンに合わせて小さくした際にカットした部分のかけらです。

このカウンターは実は親方が修行先で作ったもので東京のほうの会社へ納入されたものが、何かの理由でオークションに出され、それを落札した方が、
今回キッチン用への改造を依頼されたのでした。
(ちょっとややこしい?)

親方にとっては10余年ぶりの再会で感慨もひとしおだったと思うのですが、私は尋ねました。
「今から見て10年前の仕事ぶりはいかがですか?」

「いい仕事してるね」
私の意に反したその答えは印象深いものでした。

私も10年後も胸を張って「いい仕事だ」と言えるように目の前の仕事をしていきたいと思います。
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おいしいもの、ぞくぞく

2010年09月17日 | 【仕事】岡山の工房での日々
先週の桜のテーブル、
栗のキッチンに続き、今週は抽斗に胡桃の材料を使いました。

少し前に、ブラックウォルナットというこげ茶色の木を扱わせてもらったのですが、その木はアメリカ産の胡桃の木でした。

今回の胡桃は日本産?というか普通の胡桃なんで色はそんなにブラックじゃないけど、木目とか木の感じは、ブラックウォルナットも胡桃も似ていて、さすが同じ種類の木だなと、当たり前ですが思いました。

さくらんぼ、栗ごはん、胡桃のお菓子?
そんな美味しい食べ物にもなっている木は、
家具の材料としても人間の生活に役立っています。
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神様、仏様、○○様

2010年09月12日 | 【仕事】岡山の工房での日々
写真は、単なるポストカード立てです。

でも、
そのうちのひとつは、鉋がけ+サンドペーパー+オイル仕上げ
もうひとつは、サンドペーパー+オイルのみの仕上げです。


世の中にはサンドペーパーという便利なものがあって、
しかも機械式もあったりして、
結構なものが、平らになったりします。

テーブルなどを鉋がけしていて、
逆目などでうまく削れない場合でも、サンダーが平らにしてくれることも可能といえば可能と言えると思います。

しかし、もともとサンダーはオイルフィニッシュをする前工程であり、
材そのものを平らにするものではありません。

親方はじめ経験者は、
やはり、鉋がけをしっかりしたものと、サンダーに頼ったものでは、
できた当初はあまり見分けがつかなくても時間の経過とともに、その滑らかさに違いが出てくると言います。

そんな言葉を自ら実感してみようと作ったのが写真のポストカード立て×2です。
製作してから2、3ヶ月が経ちましたがまだ目立った違いはでてきていません。
でもきっとそのうち出てくると思います。

それに、やっぱり職人として誰にでもできるサンダーには頼りたくありません。
ビシッと鉋をかけるのが職人として当然ですよね。



とは、思いながらも、
先週から、桜のテーブルや栗の板などをたくさん鉋がけさせてもらっている中で、
ときどき、
ほんの一瞬間がさしたように、聞こえてくる言葉があるんです。

「神様、仏様、サンダー様、
どうかこの傷を消してください。」と。

もう腕と腰がヘトヘトで、この残暑。


でもそこはふんばりどころ、
少し他の作業をしたり、休憩したりして再び鉋を構えます。

最近ありがたいことに、
一生ものとして高額で手に入れた碓氷さんの鉋「晩悠」の切れ味に、
「やっぱりこれは違うな」と思うときがあります。
今後もこの鉋「晩悠」を使い込んで、
どんなに硬くて癖のある木目が入った難敵な板が来ても対応できるようにしたいと思います。
「神様、仏様、晩悠様」ってね。
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N氏、三たび!

2010年09月02日 | 【仕事】岡山の工房での日々
昨年、5月に右足を骨折、
9月には同じところを捻挫し、
クラスのブログには、「N氏、再び!」と報じられた私ですが、
まったく懲りていません。

本日、薪を運んでいるときに捻挫を発症!
「N氏、三たび!」
となったわけです。

今回は、残念ながら?右足ではなく左足ですが、
しかし、患部と状況はまったく同じです。



考えるに、これは

1.生来、私は体が硬い
2.私の歩き方が悪い(靴底の外側が減るのが早い)
3.歳を重ね、各所が弾力を失ってきた

等の理由が考えられます。


とにかく、「気をつける」 しかありません。


せっかく写真にあるとおり、碓氷さんの鉋が調子が出てきたところなのに・・・
まあ症状は今まで出一番軽く、歩いたりするのは影響ないのですが、
少しでも早く治したいと思います。

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念願の?桐

2010年08月30日 | 【仕事】岡山の工房での日々
この前作った将棋の盤の箱と駒入れ?です。

材は桐で、軽くて独特な感じがあります。
変なたとえでは、赤ちゃんが食べる白い煎餅のような?麩のような?


訓練校時代に使わせてもらえなかったことを思い出します(笑)
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満を持してのブラックウォールナット

2010年08月15日 | 【仕事】岡山の工房での日々
お盆前までずっと、あるお宅のキッチンを作りに従事していました。

その材がブラックウォールナットです。

楢や桜を使ったことはあるけど、ブラックウォールナットは初めてで、
訓練校にもなく、なんとなく特別な感じを抱いていた木ですが、
ついに登場です。

この木は逆目が多かったのですが、
親方によると、木によってかなり異なるようです。

オイルを塗って、濃い濡れ色になるのもいいのですが、
私は結構何も塗っていない状態の、
淡いチョコレート色が好きですね。
削りカスを見ていると、本当によくこんな色になるなあと思ってしまいます。
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仕事の見積もり

2010年07月22日 | 【仕事】岡山の工房での日々
最近どうにか抽斗作りの仕事のやり方、工房の仕様がわかり、
作業を見積もれるようになりました。

でもこの見積もりが甘いんですね。
いや、正確には見積もりというよりは、意気込みなんですね。
「この時間までにやってやろう」
と。

でも、
たいがいそんな意気込み時間までには終わらず、
ざっとその予定時間の3倍から4倍の時間がかかります。

理由として、
作業がわかったといっても、まだまだわかっていない部分もあるし、
自分の技能が低いのと、
何よりも自分の能力がわかっていないなどの原因があると思います。

今までの仕事の経験から、
人間どんな仕事でも5年やれば、なんとなくその仕事がわかると思います。
(もちろんその仕事を極めるというレベルの話ではありません)
それでも、仕事の見積もり時間よりも、1,2倍から1,5倍かかってしまうことが多いと思います。
これは、
その業務だけ集中してやっているわけではなく、
他の会議やらがあったり突然の急用なんかが発生するためだと思います。

でもこれが10年経てばきっと、
どんな状況でも、見積もった時間で一定レベルの仕事を完遂できるようになるのではないでしょうか。


と、悠長なことを言っている場合ではありません。
まずは目の前の仕事、明日もしっかり抽斗を作っていきたいと思います。



追伸:
この前の仕事で、栓の木(写真)を使いました。
これは訓練校時代に初めて整理箱を作ったときに使った木です。
切っていると独特の香り、漂白剤のような?がしてきます。
クラスのSーさんの木目がうねりまくっていたのを思い出します。


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えんじゅ

2010年07月05日 | 【仕事】岡山の工房での日々
先週行った現場は木製のドアでした。

楢で作った戸枠にガラスが入り、取っ手はえんじゅの木を使いました。

えんじゅの木は、
昨年長野の材木アウトレットで初めて買った樹種です。
値段は500円でした。
そのため、そのありがたさもなかなか感じないまま、
部屋の棚板になっていましたが、
削ってみるととても艶が出ていい木なんです。
改めて見直しました。
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魚の切り身が泳いでいる?

2010年06月27日 | 【仕事】岡山の工房での日々
暑い季節になり、工房でもアイスコーヒーを飲むことが多くなりました。


私は今まで強いて言えば「アイスコーヒーは邪道」
冷やしてしまうとコーヒー特有の香りもよくわからないし、
暑いときの仕方なしの飲み方

と思っていました。


でも、
「アイスコーヒーは美味しい!」
と、ここに来て初めて思いました。

それもそのはず、
ホットコーヒーももちろんなんですが、
ここでは、
生のコーヒー豆から炒ってコーヒーを入れているからです。


なんといっても、
入社して出社初日の朝、わたしが見た最初の親方の姿は、
鉋で削っているでもなく、鑿を叩いているでもなく、
特製のコーヒー炒りスタンドで、豆をガラガラ回している姿だったのです(笑)


私は小さいころ、
コーヒーといえばインスタントコーヒーしか飲んだことがなかったので、
コーヒーといえば、あの微粒という認識でした。
それから、褐色のコーヒー豆を見て、
さらにその豆が炒られる前の緑の豆を、スターバックスの見本で見たのでしょうか。
やっと、コーヒーも豆なんだなと実感したときです。

極端な話だと思いますが、今の子供は生の魚を見たことがなく「海の中を切り身の魚が泳いでいる」と勘違いしている子もいると聞いたことがあります。
こういうことは、見た経験があるかどうかですから、そのような機会を与えてあげることが大人の務めですね。

という私も、
家具になった木しか知らなかったわけで、
ようやく、製材された状態の木になじみ始めたわけですが、
それでも、なかなか山の中で木が樹である状態を見ることはまだまだ少ないです。

これからの夏は山の季節、足を運んで見たいと思います。
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仕事はお日様とともに

2010年06月22日 | 【仕事】岡山の工房での日々
自分の作業台に一輪挿しを飾ることにしました。
どんなに忙しくても、そうした心の余裕が必要だと思います。
また、前職時代に数多くの飲食店を見て回った際に、
十分条件だと思いますが、売れているお店には決まって、テーブルやカウンターまたはトイレなどに小さな花が飾ってありました。


まあ、私の場合は花といってもそこらに生えている花です。
今日はタンポポです。


夕方になって気がついたのですが、
花は日が暮れると花を閉じるのですね。
その営みを改めて知りました。

仕事も効率よくやって日暮れとともに終わらせたいものです。
というのも、
木工にとって太陽光はとても大切だからです。

木の色や、削り跡の確認、鉋の下端や刃の確認など、
日の光のもとでやったほうがよい仕事がたくさんあるからです。

ああ、お天道様ありがたや。

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