桃太郎君

桃太郎君は 昼過ぎに買い物に出た。今日も暑いなあと汗を拭き拭き、日傘で日光を避けながら縁起村の
何か妖怪堂に入った。妖怪堂では涼みながらあっちこっちとみて回り適当な総菜をカゴに入れ
レジに並んだ。レジの順番が来てポイントカードを渡したまさにその時だった。入り口の自動ドアから見える
その先の景色が一変した。日暮れのように暗くなって雨が滝のように道路を叩き始めたのだ。
道路はあっというまに川になった。川になった道路にはゴミやペットボトル、犬、猿、雉、大木、自動車
ありとあらゆる物が流されていった。やがて川の水は何か妖怪堂にも流れ込みあっというまに
一階がプールになった。　桃太郎君は急いで二階に避難したが水は一階から二階へと浸食してきた。
そこで４階の屋上まで避難したのだが水はすでにここにもヒタヒタ上がってきていた。
ああこれで一巻の終わりかとあきらめ掛けていたら無人のゴムボートがどんぶらこと流れてきた。
しめたとばかり桃太郎君はボートに乗り込み避難することが出来た。ついでに桃太郎さんは水の中で
溺れかけていた犬猿雉をボートに引き上げた。犬猿雉は桃太郎君を命の恩人です一生付いていきますと
涙をこぼして感謝した。水かさはどんどん増してボートはスイスイ下流に流されていった。
ああやれやれ、後は雨が退くのとボートまかせでどこかに着くのを昼寝しながら待つとするか。
どれくらいの時間が過ぎたのだろうか、桃太郎君が目を覚ますとそこは大海原のただなかだった。
こりゃ大変だ。犬猿雉も不安そうに桃太郎君を見つめていた。
やがて水平線に小さな島が見えてきた。島が近づいてくると崖っぷちに看板が立っているのがわかった。
　ようこそテーマパーク鬼ヶ島へ　
桃太郎君たちはしばらくそこで遊んでから帰ることにした。おみやげはもちろんキビ団子。

余計なお世話

テレビ画面の右上に何やら変な物が張り付いている。ア　ナ　ロ　グ　て文字だった。
分かってますよ。このテレビはアナログなんでしょ。余計なお世話だ。
てことでこの忌々しくて嫌み満載の通告を見ないようにしようと紙ヤスリでその部分を擦ることにした。
「これやめんか、よけい目立ってしまうじゃないか」婆ネコに止められた。
仕方がないので半透明のテープを貼った。ところが返って目立ってしまい、アナログの文字がますます
脳内に刷り込まれていった。
テレビなんか見なけりゃいいんだ。馬鹿だってことを売りにするタレントばかりでこっちが赤面する。
そういやバカタレの先輩にはもっとすごい人たちがいる。熱血痛々しタレント軍団だ。
本家が森田健作、本家が藤岡弘、分家に石原純良　松岡修三、でも彼らには芸があるからまだましだ。

車離れ

若い人の車離れが加速している、らしい。だって車って高価だしガソリンもどんどん上がっているし
酒気帯びはきびしいし、それで貧乏だったら買えないのは当たり前。
というか、車に感心がなくなっているんだって。いや昔みたいに車命の人がいなくなったってことかね。
猫社長は以前から疑問だったんだけど、車検ているのかなあ。あってもいいけどこれまた高すぎないか。
イタリアなんて車体がぼろぼろのへこみ傷だらけでドアやミラーが無い車が平気で走っている。
きっと車検なんてものはないのだろう。日本の車検は自家用で２年ごと、猫社長のカローラランボルギーニは
７年目でやっと１万キロに到達した。まだまだ新車だ。元気はつらつなのに車検が切れると道路を
走れなくなる。走行距離は人様ざま、たくさん走ればガタが来る。車検は走行距離でやってほしい。
日本の人口は少しづつ減少している。車の台数も比例してもっと減る。
道路に１０年で六十兆円なんてもういらんぞ。予算を削れ。
その分地デジに回せ、介護費用に回せ、猫社長にちょうだい。

登とDAIGO

DAIGOのお爺さん、竹下登元総理で検索したらなんとまあ孫のDAIGOが占領していてたまげた。
１０年たったら竹下登さんは言語明瞭意味不明、今の石破大臣みたいな、捕らえどころのないのたりくたりと
した答弁で有名だった。福田総理も最近はどっちつかずの発言をしている。ただ支持率は福田さんでも
追いつけないだろう、３．９パーセントで褒めごろされた。
そんな爺ちゃんでも孫にとってはすばらしく利用価値があった。純ちゃんの息子も最大限に使っている。
そのDAIGOをテレビで眺めていたら、だれかに似ているなあとしばし考えてあぐねた。
ああそうだ。口の曲がっていない、ともさかりえだ。
これは褒め殺しではありません。両者とも美形です。

きゅうりの指輪

一ヶ月前に庭にきゅうりの苗を一株だけ植えた。苗は背丈だけは伸び、蔓も添え木に絡まって順調に
育ってるように見えるんだけど、最初についた実の育ちがイマイチでくるりんと曲がってヘビが自分の尻尾を
くわえるような姿になっていた。もっと育ったら渦巻きウンコになるかな、それまでほっておこうかなと
思っていたのだけど、いまならピクルスにしたら美味しかろうと収穫してしまった。
曲がったベビーきゅうりはリングになっている。指にはめたらエメラルドグリーンに輝く美しい
生リングになった。
ところでピクルスってのはきゅうりの子供を漬けているのかな？