縁起笑店

縁起の道も招き猫から
陶芸家猫社長のつれづれコラム
横浜の縁起村から伊豆の満腹村に移住

111の上をいく

2010-07-30 | Weblog
111才の、でも本当は81才であの世に逝っていたお爺さんの話をしていたら、カマキリちゃんが
しみじみとした顔をしてカマキリちゃんの幼い頃から今に至る不思議な話を語り出した。
カマキリちゃんの家の近くに毎朝玄関の掃き掃除をするやさしいお爺さんがいたそうだ。ところが
そのお爺さんはカマキリちゃんが小学校に上がる頃ぷっつりと姿を現さなくなった。
お爺さんの奥さんの話によると足が悪くなって外に出られなくなったということだった。
カマキリちゃんが大学に入学した頃区の職員がお爺さんの家に100才のお祝いを持ってやってきた。
でも奥さんはお祝いだけ受け取ってお爺さんとの面会は拒否したらしい。
カマキリちゃんが会社勤めをし始めた頃お爺さんの奥さんの姿が見えなくなった。
その家のお嫁さんの話ではお姑さんは腰が悪くて外に出られなくなったと言うことだった。
カマキリちゃんが結婚した頃お嫁さんのご主人、つまりお爺さんの息子が消えた。お嫁さんの
話では主人は目が悪くなって外出できなくなったということを言った。
カマキリちゃんの子供が幼稚園に通うようになった頃、お嫁さんの姿が消えた。
お嫁さんの息子、つまりお爺さんの孫は母は頭が悪くなって外出できなくなったと言った。
カマキリちゃんの子供が結婚して孫を連れて遊びにくるようになった頃、区の職員がお爺さんの家に
世界一の長寿になったお祝い品と共に大臣を伴ってやってきた。
お爺さんはなんと130才になっていたそうである。
「ほら、これが大臣と一緒に写っている写真よ、ギネスに申請するんですって」
写真にはミイラとしか思えないお爺さんとにこやかに政治的笑みを浮かべる大臣が写っていた。
お爺さんの奥さんも120才、これも世界一の長寿夫婦なのだそうだ。
まるでうそのようなうその話であった。

暑いのが仕事

2010-07-28 | Weblog
暑い暑い、太陽の馬鹿ー、と叫んでも夏なんだし夏が暑いのはそれが商売なんだから恨んでも仕方ない。
そこで夏になってここはよかったってことを逆説的に考えてみた。
蛇口を捻ると水がぬるま湯だ。顔を洗うのにも歯磨きの後のうがいの時も冬は冷たすぎて顔は痺れるし
歯にしみるけどちょうどいい塩梅なので湯沸かし器のお世話にならずにすむしガスの節約になる。
お風呂も冬場より3分の一の時間で済む。
胡瓜や茄子、トマト等の夏野菜が安いのでたくさん食べられる。
冬はババシャツ、セーター、コート、マフラーとたくさん重ね着をするので体が重い。寒さで身を
縮こませて歩くし肩に力が入ってしまうのでいつも肩が凝っている。
その点夏はダラーと体がだれきっているけど肩こりは小さい気がする。
猫社長の仕事場と自室にはエアコンがない。毎日汗水流して猫社長流デトックスをしている。
夏に汗をいっぱいかくと冬に溜め込んだ体の中の垢をいっきに絞りだせるような気がする。
かけかけかけよ汗もっとかけよ。だけども汗疹は痒いのよ。
過ぎてしまえば夏はあっと言う間。

魔法の杖は万年筆

2010-07-25 | Weblog
イタチちゃんが雀が太陽にじりじりと焼かれてついに焼き鳥になったまま電線に止まっていると
言い始めた。そのうち日中に無理矢理散歩させられている犬が歩きながらホットドックになったと言いそうだ。
ハリーポッターの最終巻死の秘宝を読んでいる。エアコンのない部屋で読んでいると汗が間欠泉のように
噴出し溶岩のように流れてくる。そこで猫社長は万年筆を手にとって空に向かってかざし
「アブダケダブラ、暑さよ去れ」と呪文を唱えた。いっこうに涼しくならない。
こんどは雲を呼ぶ呪文「イグノダレア、プロデグ」と唱えてみた。太陽は太陽は猫社長をあざ笑うかのように
ガンガン照りつけている。
猫社長はマグルだから魔法は使えない。仕方がない、エアコンのある部屋で読書をしよう。
ハリーポッター、賢者の石からようやくここまで来たけれど、何年越しなんだろう。
続けて読んでいないので今までの話や登場人物が味方かあるいは名前を呼んではいけないあの人側なのか
もうさっぱり分からなくなっていた。こんど映画でおさらいしよう。

着ぐるみ商売

2010-07-23 | Weblog
イタチちゃんがディズニーランドに行ってきたそうな。あまりの暑さにミッキーが2匹、ミニーが3匹、
ドナルドは5匹、プーさんに至っては7匹が路上に倒れているのを見たそうだ。
着ぐるみはつらい、ピノコも毛皮を付けている。着ぐるみは暑かったら脱げるけど、ピノコの毛皮は
脱ぐことができない。夏は口元がいつもラッセルになる。ハッハッハッハ。
昔は電車の中やデパートに入ると数分で体が冷え冷えになるくらいエアコンが効いていた。
だからカーデガン携帯は必須だった。今はほぼ必要としなくなった。
各機関が省エネ対策でエアコンの設定温度をあげたせいだ。
でも今日乗った電車の中で一緒の駅から乗った若いおねえさんがすぐにショールを体に巻き付け始めた。
前に座っているお姉さんも長袖を羽織っている。
やはり弱冷でも寒い人はいるのだ。猫社長は昔に比べて体の脂肪が増えた。そのせいで暑がりになって
しまったのかもしれない。
縁起村でもフィリップス君とスヌーピーがぶっ倒れていた。夏の着ぐるみ商売は命がけだ。

蠅男の未来予想図

2010-07-21 | Weblog
1958年制作のアメリカ映画、蠅男の恐怖をDVDで観た。
86年制作クローネンバークのザ・フライの元映画でセレブな天才科学者が瞬間移動装置を発明するが
自分を実験台にしたときに一匹の蠅が装置の中に紛れ込んでいたために顔が蠅の人間と蠅の頭が人間の
二つの物体に別れてしまい、そこから悲劇が始まるという物語だ。
映画の中で科学者のいかにも上流階級っぽい奥さんが義理兄に言うセリフが面白かった。
「すごい発明なの」
「薄型テレビでも発明したのかい?」
猫社長は薄型テレビで蠅男を観ていた。
「それとも机の上に乗るような小型のコンピューターとかテレビ電話、血液型以上に詳細な個体識別
ができる方法とかを発明したとかかい?」
「まあ薄型テレビなんて夢みたいなこと言って義理兄さんたら主人より想像力が逞しいのね。それは
アメリカ合衆国の大統領に黒人が選ばれることより難しいことよ」
なあんてその後こんなセリフが続いていたらこの映画の脚本家はすばらしく未来予測能力のある人だ。
PC、携帯電話、音楽配信、DNA、薄型3Dテレビ、電気自動車、オバマ大統領、
すべてあるあるみんないる。50年の月日は世界を変えた。
でも瞬間移動装置は未だに発明されていない。映画こそ夢を売る商売なんだ。