縁起笑店

縁起の道も招き猫から
陶芸家猫社長のつれづれコラム
横浜の縁起村から伊豆の満腹村に移住

おおかみとうさぎ

2009-06-14 | Weblog
大神君の家にセキュリティシステム会社のうさぎのセールスマンがやってきた。
「この辺も最近は治安が悪くなりました。安心のために防犯装置の設置をお薦めします。
我が社の装置は家が留守の時に空き巣が入ったらセンサーが探知します」とうさぎのセールスマンはカタログを広げて
説明した。
大神家のお母さんがふむふむと聞いていると、「何々」と家の奥から家族が様子を窺いに玄関までやってきた。
その数5人、大神君の家はおじいさん、おばあさん、お父さん、大神君の兄弟姉妹が5人、おじさん夫婦と
その子供たちが3人の総勢14人家族だった。
「うちは24時間、誰かしらいるのよ」お母さんは言った。
「もうひとつ火災の時に煙を探知します。火災ですべてのものが一気に失われることから回避できますよ」
いつの間にかお母さんの後ろには大神君を含めておじさん、おばさんやら10人以上が集まっていた。
「ごめんなさい、うちは火を使わないの」家族はうさぎのセールスマンをみつめてニヤニヤしだした。
「オール電化しておられるんですか?」
「ううん、違うの、うちはね食べ物には火を通さないのよ。全部生なの」
お母さんの口から涎がぼたぼたこぼれ落ちた。
その後営業に出ていたうさぎのセールスマンが会社に戻ることは永久になかった。

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