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縁起笑店

縁起の道も招き猫から
陶芸家猫社長のつれづれコラム
横浜の縁起村から伊豆の満腹村に移住

江戸の墓石

2009-03-26 | Weblog
ピノコとの散歩コースの途中に墓地がある。100坪ほどの四角い敷地の中に30基位の墓石が規則正しく並んでいる。
各家の墓地の敷地は皆同じ位で通路から墓石まで2メートル位の距離があった。家ごとに今風の墓石が据えられその左右には
雨風に曝され角が丸くなった小さな墓石がお互いの顔を向け合って並んでいた。小さな墓石はまん中の新しい
御影石とは違ってボツボツしてしたいかにも柔らかそうなな石だ。石には文字が刻んであるのだけど
崩れて読めない物が多かった。それでも文久、明和とかはかろうじて分かった。明治より前、だとするとこれらは
江戸時代に彫られた石ってことなのか。
そういえば、墓地の入り口に区画整理のために各所に散らばっていた墓地をこの地に移設したって
書いてあった。昔ここいらは原生林か里山だった。そこをブルトーザーでぶっつぶして成らして
住宅地にしたのだ。
「昔農家は自分の敷地に各々先祖の墓地を持ってい供養していたのじゃ」
突然後ろから見知らぬおじさんに声を掛けられ猫社長はドキッとした。
「当時は土葬でここには墓石だけ持ってきたんじゃ。儂のご先祖のむくろは今でもどこかの地面の下に眠って
おるのじゃろう」おじさんはちょっと悲しそうな笑みを浮かべた。
「そうですか。それは残念ですね。ところでおじさん、なんでちょんまげなんか結っているんです?」
足下のピノコがクーンと鳴いた。振り向くとおじさんはいなくなっていた。
わーー。