縁起笑店

縁起の道も招き猫から
陶芸家猫社長のつれづれコラム
横浜の縁起村から伊豆の満腹村に移住

掃除機逆噴射

2007-11-08 | Weblog
猫社長は電気窯で作品を焼いている。本焼きの時は還元焼成、つまり窯の温度が960度に達した時に
窯の下にある穴、エンドウっていうんだけど、その入り口で火を焚いて窯の中を酸欠にする作業をする。
そうすることによって作品を灰味がかった白色にするわけだ。何もしないことを酸化というのだけどそれだと
黄色っぽい色になる。薩摩焼の沈寿官の茶碗のような色だ。
還元焼成をした後エンドウの中は煤に被われてしまうので本焼きの後は掃除しなければならない。
掃除はいつも掃除機で吸い取っているんだけど、先日エンドウの口に掃除機をあてて掃除しようとしたら、
吸い込みが弱い、そこで掃除機を思いきり叩いてみた。するとブオーとけたたましい音と
共に力強い吸い込みが甦った。よーしいいぞ、でもなぜかいやな感じが、、
後ろを振り向くと火山灰が降り注ぐように黒い煤が天井全体を被っている。なんじゃこりゃ。
掃除機が悪態ついて逆噴射、一瞬で猫社長の仕事場がもくもく煤だらけになってしまったのだった。
すぐ換気扇を回し、うちわでぱたぱた外に追い出してみたのだがあわれ作りかけの作品、走り書きしたメモ用紙、
水鉢の表面、どこもかしこも春の黄砂襲来のようにうっすら黒い塵のベールに被われていた。
どうやら煤は粒子が細かすぎて掃除機にダメージを与えるらしい。掃除機のゴミパックはいっぱいに
なってなかったけどパックから煤がもれ、フィルターはフェルト状態だった。
掃除機怒りの逆噴射。結構威力あるもんだ。
その後のアトリエ掃除は大変だった。