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特殊相対性理論・電磁気学・数学

物理の暗黒面や面白い問題など。

f(x)=sin(x)+sin(y)+sin(x+y) の極値を求める

2019-03-09 08:31:30 | 解析(極値)

1. はじめに

   f(x,y)=sin(x)+sin(y)+sin(x+y) (0≦x,y<2π・・・・①)
 の極値を求める問題があった。この場合、鞍点や変曲点の判定が難しかったので考察した。

 最大最小値の問題は以前にあったが、有界閉集合上の連続関数は必ず、最大最小が存在し、
 微分可能関数なら、極値でもあるので、停留点の候補を比較すればよく簡単だった。

2. 計算

 まず、停留点は
   fx=cos(x)+cos(x+y)=0、fy=cos(y)+cos(x+y)=0・・・②
 であり、

   fxx=-sin(x)-sin(x+y)、fyy=-sin(y)-sin(x+y)
   fxy=-sin(x+y)
 である。

 まず、②の2式は和積の公式から
   cos(x+(y/2))cos(y/2)=cos(x/2+y)cos(x/2)=0
 これを解くと

   x+(y/2)=π/2+mπ または、y/2=π/2+nπ・・・・④
 かつ
   x/2+y=π/2+kπ または、x/2=π/2+pπ ・・・・⑤
 を得る(m,n,k,p は整数)。

 つまり、これを分解整理すると、つぎの4種類になる。
   x+(y/2)=π/2+mπ かつ x/2+y=π/2+kπ・・・⑥
 または
   x+(y/2)=π/2+mπ かつ x/2=π/2+pπ ・・・⑦

 または
   y/2=π/2+nπ かつ x/2+y=π/2+kπ・・・⑧
 または
   y/2=π/2+nπ かつ x/2=π/2+pπ ・・・⑨

 の場合を解けばよい。

 2.1 ⑥を整理すると

    x=π/3+(2m-k)2π/3、y=π/3+(2k-m)2π/3
  となる。このとき、①の条件から、x の (2m-k) は 0,1,2 しか無い。

 (a) 2m-k=0 のとき
    x=π/3, y=π/3+(3m)2π/3=π/3+2πm=π/3 (①からm=0のみ)
    fxx=fyy=-√3、 fxy=-(√3)/2 , fxx
  なので、f(π/3,π/3)=(3√3)/2 で極大。

 (b) 2m-k=1 のとき
    x=π、y=y=π/3+(3m-2)2π/3=-π+2πm=π (①からm=1のみ)
  fxx=fyy=fxy=0 なので判別式は使えない。そこで、x=y の方向のf の変化を考える。

    f(x,x)=2sin(x)+sin(2x)=2sin(x)(1+cos(x))=sin(x)cos²(x/2)
  なので(ここで、倍角・半角の公式を使用した)、x=πの前後で sin(x) によって、f()の
  符号が変化する。つまり、この場合は極値ではない。

  なお、変化方向として、y=π, x=π, y=2π-x のいずれも f=0 となるので、簡単なものは
  上の場合しかない。

 (c) 2m-k=2 のとき
    x=5π/3, y=π/3+(3m-2)2π/3=-7π/3+2πm=5π/3 (①からm=2のみ)

    fxx=fyy=√3、 fxy=(√3)/2 , fxx>0, fxxfyy-fxy²=3-3/4>0
  なので、f(5π/3,5π/3)= -(3√3)/2 で極小。

 2.2 ⑦を整理すると

  x=(2p+1)π, y=-π+(m-2p)2π となり、➀の条件を満たすものは p=0 のみ。つまり、
  x=π、y=-π+2mπ=π (①からm=1のみ)
  したがって、この条件は x=y=πで、2.1項の(b)と同じとなる。

  ⑧の場合は、⑦でx,yを変更しただけの式であるが、⑦の結論は x=y=π だから、ここの結
  論と同じになる。

 2.3 ⑨を整理すると

    y=π(1+2n) かつ x=π(1+2p)
  となり、いずれも、①を満たすのは n=p=1 の場合のみで、x=y=π となり、2.2項と同じ
  結論となる。


  結局、極値は 2.1項の(a)(c)のみとなる。そして、これが最大最小値でもある。

以上


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