Box of Days

~日々の雑念をつらつらと綴るもの也~ by MIYAI

3枚目を聴いて思うこと

2006年07月21日 | diary
 久しぶりにひっぱり出したレッド・ツェッペリンの3枚目。これがツェッペリンのベスト・アルバムだとはちっとも思わないのだけど、いつしか一番良く聴くアルバムになってたりする。…と言っても、かなり久しぶりなんだけど。

 初期の頃のツェッペリンはあんまりアルバム・タイトルに頓着しなかったみたい。1枚目から3枚目までは、ただ数字がふられているだけだし、4枚目にいたっては、タイトルそのものがなくなったというか、記号化されてしまっているわけでね。

 でもま、覚えやすいし、いいかな。大切なのは音楽であって、タイトルじゃないから。

 僕に関わる多くのことがそうであるように、僕はこのアルバムもアナログ盤で聴いてたりする。で、そういう立場で話をするならば、僕はA面よりB面の方が好きで、中でもハイライトは“Tangerine”と”That's the Way”の2曲だったりする。これらがツェッペリンのベスト・ソングだとはちっとも思わないのだけど、僕はいつだってこの2曲の登場を心待ちにしてこのアルバムを聴いている。どちらもメロディがきれいだし、アコースティック・ギターの不思議な響きもいい。ヨーロッパらしい歴史性と旅情をもっていると思う。

 ビートルズで一番好きなアルバムは?と問われると、僕は『For Sale』と答える。スプリングスティーンだと『Tunnel of Love』で、ディランだと『Another Side of Bob Dylan』で、ポールだと『Red Rose Speedway』で、ジョージだと『Somewhere in England』で、ツェッペリンだと『Led Zeppelin 3』だったりする。

 「なんかわざと地味なの選んでない?」とか言われそうだけど、そんなつもりは全然ない。その証拠に、ストーンズなら『Exile on Main St.』を選ぶし、フーなら『Quadrophenia』を選ぶ。スプリングスティーンにしたって「あれ、『Born to Run』じゃないの?」と問われれば、「あ、そうそう。やっぱりそれ」とか言いかねない(というか、その方が正しいような気もする)。

 ただ、そのアーティストを聴き込んで、(僕なりの)親密な関係を築いていくと、クォリティの高さよりも、よりパーソナルな匂いのする作品に惹かれる傾向はあるかもしれない。そうなるともう、その音楽が好きなのか、アーティストそのものが好きなのか、よくわからなくなってくる。こうした聴き方が(音楽的な意味において)いいのか悪いのかはともかくとして、おかげで自分にとってとても大切なアーティストをいくつも持てたのだから、少なくとも悪いことばかりではない…と、ささやかに思ってたりはする。