弁当の中身

　ちょっとばかし飲み過ぎたようで。軽く頭が痛いし、微妙に腹の調子が悪いし、さりげなく気持ち悪い。俺ってなんでこうなんだろ…。でも、とりあえず部屋の掃除もしたし、聴いてなかったレコードも聴いたから、まぁいいかな。今日もうだうだせずに、やるべきことをやっていこう。おー。

　先日、弁当の中身をよく見ないで買ったら、僕のあまり好きではない豆と栗が入っていた。うーむ…とのけぞりつつも、食べられないわけでもないので、嫌いなものは最初に食べてしまうことにした。

　まずは気に入らないものから始末していく。で、最初からなかったことにしてしまう。

　・・・なんか怖いなぁ。冷酷な感じ。ひとかけらの愛情も見当たらない。昔は好きなものから食べていったものだが、性格が変わったのでしょうか？でも、好きなものから食べて、嫌いなものを残すってことは…、

　好きなものにしか目を向けない。嫌いなものは最初からなかったとして無視。

　・・・これも問題あるか。無視ほど残酷なこともないような気がするし。困ったな。

　学校給食の献立が五目豆の日が苦痛だった。休み時間になってもひとり残されて食べてる自分の姿を容易に想像できたから。どうしてあんなつらい思いをしてまで豆を食わないといけないのか？僕にはまったく理解できなかったけど、嫌いなものを時間をかけてでも受け入れていくという行為は、あれはあれで意味があったのかもしれない。

　大人になって嫌いなものを食べる機会は減ったけど、たまに弁当の中に豆が入っているのも悪いことじゃない。きっと。でも、できればいてほしくないわけで…。今度はじっくり中身をみてから買うとしよう。そうしよう。