▲「三鬼」 宮部みゆき著 日本経済新聞出版社刊
江戸の洒落者たちに人気の袋物屋、神田の三島屋は“お嬢さん”のおちかが
一度に一人の語り手を招き入れての変わり百物語も評判だ。訪れる客は、村で
ただ一人お化けを見たという百姓の娘に、夏場はそっくり休業する絶品の弁当屋、
山陰の小藩の元江戸家老、心の時を十四歳で止めた老婆。亡者、憑き神、家の守
り神、とあの世やあやかしの者を通して、せつない話、こわい話、悲しい話を語
り出す。「もう、胸を塞ぐものはない」それぞれの身の処し方に感じ入る、聞き
手のおちかの身にもやがて、心ゆれる出来事が…。日経朝刊連載「迷いの旅篭」、
待望の単行本化! (「BOOK」データベースより)
三島屋変調百物語のシリーズ第四弾。
時代小説はまったく明るくない私ですが、高田郁さんの小説と宮部みゆきさんの
こちらのシリーズはサクサク(ブルブル?)読める数少ない江戸ものです。
今回も楽しくブルブルぞわぞわ読みました(表題の「三鬼」とか、こわーー)。
美味しい話、楽しい話に目がないワタシといたしましては、やはり第二話の
「食客ひだる神」がいちばんのお気に入りでした。のほほん。
ショッカクヒダルシン・・・なんだそりゃ!?
と思われた方、この話だけでもぜひご一読を。
ひだる神と亭主とお嫁さんとの絆(?)が、なんとも愛らしいおはなしでございます。
単発で読んでも楽しめるお話です。だるま屋さんのお弁当たべてぇ~~。
それにしても、聞いて聞き捨て、語って語り捨て・・・肝心かなめのおちかちゃんの幸せは
一体いつ来るのでしょうか。一日も早く幸せになりますように~~。