D9の響き

Guitarを肴につらつらと・・

...until we felt red('06)/Kaki King

2006-08-27 13:52:13 | acoustic guitarist
本日は、カーキ・キング嬢の3rd作を採り挙げて見ました。

カーキ嬢といえば、その1st作‘everybody loves you('03)’で魅せた、アコギによるヘッジス的な脅威のタッピング・マジックで名を馳せたうら若き女流ギタリストですよね。
そんな彼女も26歳・・しかしながら、なんでしょう?この成長振りは・・。



最近私は、できるだけ新しい作品を旬の内に戴く(笑)ように心掛けておりまして、今回一抹の不安を感じつつも‘ままよ!’(笑)とばかりこれに飛びついたのですが、それが良かったのかもしれません。
2nd作‘Legs to Make us Longer('05)’で思い切り肩透かしをくらってたおかげで、今回は逆に新鮮な趣を感じることができました・・要するに・・ハードなタッピングの世界を期待するな・・ちゅうことです。



その辺を狙ってる方は聞かない方がいいのかも知れません・・でも、怖いもん見たさ(聴きたさ?)ってのもありますがね。(爆)

今回、彼女は意図的にその辺の‘技で魅せる’という手法を封印している様子が伺えます。



2nd作の頃から徐々に見られる傾向ではありましたが、ギターをおもちゃにして想い付くままに創ったものが、自分の意図に反して評価されてしまった状況に対するアンチテーゼ・・というか、そんな変化の原因は‘自我の目覚め’じゃないのか?と考えるのがいいのかもしれません。
・・生まれ出ずるアーティスティックな感性に自問自答しながら‘こんなんでいいのかな・・’と、このような作品に想いを昇華させてゆく様は、初期のMichael Hedgesの姿とも重なるような気がします。
我々は、彼女がその感性をブラッシュアップしつつある現場を垣間見ているだけなのかもしれませんね。

#1.yellowcake
#2....until we felt red
#3.you don't have to be afraid
#4.goby
#5.jessica
#6.first brain
#7.i never said i love you
#8.ahuvati
#9.these are the armies of the tyrannized
#10.second brain
#11.soft shoulder
#12.the footsteps die out forever
#13.gay sons of lesbian mothers
#14.brazilian(bonus track for japan)
#15.soft shoulder(alternative version;bonus track for japan)

今回、プロデュースを担当したJohn McEntireがほとんどのドラムとシンセを担当してますが、彼女が自身で弾くベースやドラムなども必聴でしょうね・・ギターよりキャリアが長いそうです。
自身のボーカルも5曲で披露してますが・・Suzanne Vegaが風邪ひいたみたい(苦笑)って言いすぎかな。

あと、エレクトリック・ギターの導入が特筆すべき点でしょうか・・ちょっとグランジかな・・。
当然彼女にはJennifer Battenみたいな姿を期待してはいけません・・ボチボチがんばってね。(笑)

フリューゲルホン、ハープ、チェロなんてのも、曲によっては使ってますが、全体的にドリーミーでゆったりした世界が展開されてます。
・・個人的には、#5,6,13あたりがいいですね。
日本版ボートラの2曲は、アコギ・タッパーのイメージをどこかで求めるリスナーに配慮したものでしょう・・蛇足ながら聞き応えはあります・・#15なんて原曲よりアグレッシブかも。

まあ先入観なしに何も考えずこのアンヴィエントな空間に浸るのもいいもんです。
・・我々はもう少し、彼女の成長を見守っていくとしますか。(笑)


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