Silence!('07)/ Petteri Sariola

北京オリンピック、本日無事閉会しましたね。
何はともあれ、鈴蘭台の星、朝原選手おめでとう御座いました。
近所に住んでた者としては、なんか人事とは思えないです。
そして、閉会式でのJimmy Pageの勇姿。
・・Whole Lotta Loveのリフが流れてきた時にゃ、泣けてきましたネ。
図らずも良いものを見せて頂きました・・謝謝、北京！（涙）


閑話休題。

今日はアコギモノで行ってみましょうか。
故Michael Hedges（マイケル・ヘッジス）のフォロワーは世界中に数多おられますね。
彼のオープン・チューニング＆両手タッピングというスタイルは、出た当時実に衝撃的でありました。
それ故か、音楽性よりも技巧面だけで語られる状況というのが、今から思えば少々かわいそうだったかもしれませんね。

北欧の国々というのは地理的な条件もあるのでしょうが、各分野の現代音楽シーンにおいて独自な進化を見せつつある不思議な地域ですよね。
モダン・ジャズやメタルでは特にそんな傾向が濃厚じゃないでしょうか。
今日採りあげるPetteri Sariola（ペッテリ・サリオラ）も、そんな北欧フィンランド出身のギタリストです。
アルバム収録時22歳ということで、まだまだ進化の途上にいる有望な方じゃないでしょうか。

このサリオラ君は、前出ヘッジスのアイデアを咀嚼し、独自に自分の音楽として表現方法を探究している一人なんですね。
ただ、両手タッピングより右手のパーカッション効果を優先してるあたりが、ヘッジスと大きく違うところなのかな。
この奏法は“引っ叩く”という言葉から引用して、彼自身“スラム奏法”と命名してるようです。
本人としては、おそらく足も使いたいと思ってるはずです。（笑）

レコーディングでも使ったメインのギターはLarrivee(ラリビー)OMシリーズで、このメーカーはインレイの美しさと鳴りの深さに定評があるようですね。
また、彼が最近ライヴ等で使用してるヘッドストックが尖ったヤツは、ドイツ製でCuntz（クンツ）というメーカのものらしいです。
なんぼシバキ倒しても壊れないし音も狂わないのがお気に入りなんですって。


【Petteri Sariola with Cuntz Guitar】

personnel:
Petteri Sariola(g,vo)
Jyri Sariola(bd,kb,kantele,d,cho on#1,2,5,4,7)
Timo Tuppurainen(b on#2,9)

tracks:
1.Stomp
2.Silence
3.Valve1
4.Prime
5.Without You
6.Valve2
7.Untitled Blues
8.Valve3
9.Train
10.Mothersong
11.Where The Streets Have No Name

独自の進化を垣間見れる最たる例が#1“Stomp”でしょうか。
多分、彼の持つテクニックが凝縮された一曲じゃないかと思われます。
彼の一番の特徴は、パーカッシヴなサウンドじゃないでしょうか。
ベースラインと共にパーカッションをも組み込み、一人トリオみたいな効果を生んでます。

曲によっては、自らヴォーカルをとったり、兄のJyri（イーリ）等のヘルプによりリズム系サウンドで更に厚みを加えるなど、このあたりはヘッジスもしばしば用いてたと思いますが。
そのヴォーカルも、アメリカンな感じで結構上手いですね。

そのヘッジスを強烈にイメージさせるのが#6“Valve2”かな。
おそらく#3,8などとともに“Valve”組曲みたいなイメージで組んでるんじゃないかと思います。
これら3曲に渡り、彼がイメージするヘッジスの音を組み込んでるような気が凄くするんですよ。
・・感謝を込めて、みたいな。

で、ラスト#11“Where The Streets Have No Name”は、Ｕ２のあの名曲です。
ノーギミックでストレートなアコースティック・ヴァージョンに仕上がってます。
・・とても素敵なカヴァーだと思います。

今年（Ｈ20年）の5月に来日してたようですね。
一度で良いからこの目で拝んでみたいなぁ。
・・非常に刺激が強そうです。（笑）