D9の響き

Guitarを肴につらつらと・・

Live In Paris('97)/P.Bensusan&D.Malherbe

2006-02-26 01:34:02 | acoustic guitarist
荒川静香さんおめでとう!言葉が出ませんでした・・すばらしい!

'97年3月14日、パリのNew Morningで展開されたPierre BensusanとDidier Malherbeのデュオ・コンサートの様子が収録された奇跡の1枚です。

Pierreは、'57年アルジェリア生まれのスペイン系フランス人。いまやDモーダル・チューニングのパイオニアと呼ばれるアコギの天才です。
かたやDidier Malherbeは、はっきりとは分かりませんが彼のHPで類推する限り'47年頃パリ生まれの生粋パリジャンで、あのGONGの創設メンバーの一人であり、'77年Gazeuse!で我らがAllan Holdsworth先生とも共演しているSax Playerです。
Didierは笛マニアで、GONGのころから変わった笛を好んで使っておりこの盤でも竹製の横笛である‘Bamboo Flute(Bansouri)’でいい味出してます。
この2人は80年代後半のUSツアー以来の付き合いのようです。

#1.Fetish:
まるで尺八のような竹笛で始まる少し物悲しい5拍子のバラード。ラストではDidierのちょっとうなり声が入ったりして、ライブな感じがいいですね。
2人の共作となってますが、Didierの2ndソロ‘Fetish('90)’のタイトル曲のようなんで、オリジナルでも共演してるのかもしれませんね。‘Mania’でないところがポイントでしょうか・・。(笑)

#2.1000 Valleys:
Soprano Saxに持ち替え、一転さわやかな曲調へ・・ちょっと渡辺貞夫っぽいかも。
Guitarは持ち替えてないと思いますが、まるでレギュラー・チューニングで弾いてるように聞こえる明るい音使いがとても印象深いです。
Pierreの曲で‘Spices('87)’収録曲。

#3.Bamboule:
イントロ頭ではオカリナ吹いてんのかな?・・テーマからFluteに持ち替え熱いサンバ・・ちょっとアフロかな・・。
Pierreのスキャットがまるで躍るよう・・Dモーダル丸出しの曲調・・このGuitarはぜひ聞いていただきたいです。
Pierreの‘Solilai('93)’収録曲。

#4.Bamboo Shoot:
竹笛によるソロ・インプロビゼーション・・Didierのオリジナルです。
ヨーロッパのJazzRock関係者は意外と竹笛使ってるんですよね。SoftsやGONG、Nucleusなどを聞いて知った事実です。

#5.Agadiramadan:
Pierreのスキャットによる弾き語りで始まるちょっとモロッコ風の曲。スパイシーな感じがたまりません。
Guitarの低音弦を叩いたり、引っかいたりして出す効果音を随所に混ぜながらバッキング+ソロが展開され、途中からDidierの竹笛がからんできます。
タンギングの瞬間飛び散る唾が見えてきそうな音があったり・・ぜひ映像で見てみたいなあ・・。
Pierreはソロコンサートで良く使うあのサンプラーを利用した一人多重演奏を唯一この曲で採用してます・・この様子は彼のDVDで観るとおもしろいですよ。
この曲は前出‘Spices’に収録され、後に‘Intuite('01)’に再録されてます。

#6.The Alchemist(L'alchimiste):
Pierreのオリジナル曲。彼のHPでフリーの楽譜が入手できます・・もちろんDモーダルの曲ですけどね・・。(興味のある方はトライしてみては?)
関係ない話で恐縮ですが、Fullmetal Alchemist・・鋼の錬金術師・・に最近はまってまして‘シャンバラを征く者’を先日拝見したのですが、ちょっと納得がでけんなあと思いました・・どうでもいいけど・・。
そんなハガレンみたいなイメージが偶然感じられるようなPierreの独奏で、なつかしくてあったかい曲です。
この曲は後日、前出の‘Intuite’に収録されてます。

#7.Kourouts Nota:
Didierの曲。もしかしたらこれも前出の‘Fetish’に収録されてるかもしれません・・PierreのGuitarと相性ばっちりなんで。
Clarinetかな・・テーマが7拍子のバラードです。どこかで聞いたことがあるような曲なんですが・・思い出せないな・・。
まるでジプシーが踊ってるような雰囲気の少し物悲しい曲です。

#8.Alive:
2人共作のインプロ。Alto Saxかな・・Pink Pantherのテーマみたいな感じから・・ちょっとお酒が欲しくなるようなけだるい雰囲気への展開。結構Jazzyです。

#9.Montsegur:
Pierreの前出‘Spices’収録曲。
これもDモーダルらしいメロディの曲・・こんな雰囲気の時、Pierreは必ずスキャットを入れてきますね。
Didierもイスラミックなオブリガードを流し、2人は完全に融合したようなすばらしいアンサンブルを聞かせてくれます。

#10.Lunch Of Kisses:
Didierのオリジナルでこれも#1と同じ盤からのチョイスかもしれません。
Pierreのバッキングとあいまってすごく心地よい竹笛の響きが堪能できます・・いままで唯のFluteだと思ってましたが、こんなに竹笛の音が奥深いものとは・・。
本当にアコギのサウンドと合ってます・・すばらしい!

この盤は現在入手が難しい状況ですが、オリジナルのフランス盤‘Live au New Morning’が再発されたようで、若干装丁は違いますが通販で出回っており、とりあえず入手は容易なようです。
Hedges系統の好きな彼氏やアコギでマッタりしたい彼女に勧めたい1枚です・・言い回しがオヤジ丸出しやな。(涙)

アコースティック楽器は演奏者の心のヒダに直接触れることが出来そうな気にさせてくれるところがいいですね。
ちょっとお酒があったりすればピッタリですよ。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
不意打ちなり(笑) (kuru)
2006-03-25 13:18:16
お久です♪今ちょうどこの盤聴いています♪

素晴らしすぎる出来は言うまでもなく二人の天才が溶け合うように音を楽しむ様子が浮かんできます♪しかしホント、Pierreに負けず劣らず本物ですねDidierの音は♪



まじかで観てみたい・・・せめてDVDにして・・(笑)
返信する
kuru様 (elmar35)
2006-03-25 18:07:46
ちょっとご無沙汰でしたね。

コメントありがとうございます。

もしかして昼間から飲んでるんですか?(笑)



そうですよね、生で観てみたいです。

・・この2人で来日してほしいな。
返信する