D9の響き

Guitarを肴につらつらと・・

Equilibrium('09)/ Erik Mongrain

2009-12-27 11:46:43 | acoustic guitarist
クリスマスも終わりホッと一息つける時期になりました。
私は、昨晩最後の仕事を終え、とりあえず年内の交渉事は完了し明日の納会を残すのみです。
・・しかし、色々あった年でした。

ウチの周りでは1週間ほど前に薄っすらと雪が積もり、以来寒い毎日が続いています。
こういう時期には、やはり熱いコーヒーを飲みながらアコースティックな調べに浸るのが、何ともいえず良い感じじゃないでしょうか。

そんな訳で、あのErik Mongrain(エリック・モングレイン)の2nd作“Equilibrium”にも、ここに来てようやく耳を傾けることができました。
邦盤のディストリビューターがDreamusicに替わり、音盤もBlu-Spc CDにグレードアップしてます。
オマケに邦盤のみライヴ映像のDVDが付いてます。

personnel:
Erik Mongrain(aco-g)
Michael Manring(fretless-b on #2,9)
Bill Plummer(synth)

参加ミュージシャンで今回特筆すべきは、あのMichael Hedges(マイケル・ヘッジス)の作品でも参加していたフレベの達人Michael Manring(マイク・マンリング)が2曲で客演してることでしょうか。
後述しますが、ヘッジスのスタイルに段々近づきつつある中、マンリングのベースがその傾向に拍車をかけるようでもあります。
ちょっと懐かしいといいますか、ヘッジスの姿が思い起こされるようで、なんとも云えませんが・・。

tracks:
【disc 1】
1.A Ripple Effect
2.Alone In The Mist
3.Equilibrium
4.Muse
5.The Silent Fool
6.Pandra's Box
7.Eon's Illusion
8.Raindigger
9.Maelstrom

【disc 2】
1.Raindigger
2.Pandra's Box
3.Muse
4.Equilibrium
*all crips :from a short film“Equilibrium-Experience”

肝心の音ですが、1st作で魅せたあの“Air Tap!”のようなラップタッピングスタイルの曲は鳴りを潜め、オープンチューニング&両手タッピングによる楽曲で構成されていると見受けられます。
そして、少し変化してるのは、ストロークの際のパーカッション効果に磨きが掛かってる点でしょうか。
ちょっとアフロっぽい響きですが、プリミティヴな雰囲気が彼の曲想に凄く合ってると思います。

1st作ほどヴァリエーションには富んでおらず、かつあのような春の初々しい感じが全く消え、厳寒の雪原や荒涼とした北の海原をイメージさせるように凍てつく音の洪水って感じかな。
精神性という点での進化・・いわゆるシリアス路線で纏められているような気がします。
あまり技巧的な面での探求より、音楽をしっかりと創り上げることに注力したのでしょうね。
・・当たり前といえばそれまででしょうがネ。

個人的には、やはり#1“A Ripple Effect”が一番好きかな。
あとの曲は、どれも水準は高いのですが、逆に言えばどれも特徴が無く聴こえてしまうような気がします。
だからといって、決して否定している訳ではありませんョ。
・・どの曲も甲乙つけがたい・・という意味ですので、誤解の無いようにお願いします。

かつて、ヘッジスが音楽より技巧面に注目される状況を嫌い、ヴォーカル曲中心にシフトしていったという事実。
女流タッパーのKaki King(カーキ・キング)も、同様の道を歩いているように感じられたり・・。
そのような現実を見てると、モングレインが今後どのような音楽に向かって行くのか、少し不安を感じたりもします。

ファンは意外と保守的なもんです。
技巧と質、それぞれの高さのバランスを今後も上手くとりながら、彼には素敵な音楽を創り上げていってほしいものですネ。


最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (桃猫)
2009-12-28 20:48:59
こんにちは。モングレンのギター、音の響きがとっても好いですね。はじめて映像で観た時の印象が強かったのですが、、慣れてくると、やはり、いささか飽きがくるところは、致し方ないのでしょうね。今後も高い志でカヴァーしてほしいとも思います。マンリングは、控えめなバッキングに徹しているようですが、インプロヴァイズなミュージシャンなので、もっと即興で、タップ合戦みたいなのも聞いてみたいところです。
返信する
桃猫様 (elmar35)
2009-12-28 21:06:29
コメントありがとう御座います。
そうですね、やはり初めての時の印象が余りにも凄かったのが、良かったのか悪かったのか・・。
徐々に普通になって行くようで、少々不安に思います。
まだまだ若いんだからもっと弾けてほしいと思うのは、ちょいと酷でしょうかネ。
今回のマンちゃん、めっちゃ地味です。(笑)
返信する
Unknown (decon)
2009-12-28 23:03:59
久しぶりにブックマークを開いてみれば、
復活なされてたんですね!

カーキは私と同じ女性ということで、聴いたことはあるんですが、モングレンは聴いたことがないので、今度聴いてみようと思います。

アコギのタッピングは、エレキと比べて超ムズカシイです。弦を触るだけで音が出ないので! ハーモニックスの倍音のコントロールや音程が微妙な私としてはアコギのタッピングはハードルが高いです。

これからもがんばって いろんなハイテクアーティストを紹介してください。
楽しみにしてます!!

返信する
decon様 (elmar35)
2009-12-29 08:59:52
その節は温かいお言葉ありがとう御座いました。
ひっそり復活してます。(笑)
モングレインを聴くなら、まず1stがお勧めですよ。
ベンスーザンも最近自身のソロ作を集めた13000円位のボックスセットを出してて、バラ売り可、ただし海外通販のみですがね。
ヘッジスの技については洋書ですがかなり詳しい教則本が出てます。
興味がおありでしたら“Pooh横丁”で検索してみてください。
これからもどうぞよろしくお願いします。(多謝)
返信する
Unknown (decon)
2009-12-29 20:42:14
おすすめのモングレンの1st Fates 今日買いました! これから聴いてみようと思います!!
マイケル・ヘッジスは、父が大ファンで、Aerial Boundariesをコピーしてよく弾いてました。
私も Hot Type を今年の文化祭の時 エレキで独奏しました。
これからもがんばってください!!
返信する
decon様 (elmar35)
2009-12-29 23:08:45
・・文化祭って、学生さんでしたか。
しかも、父上殿がヘッジスのファンとは。
なんか、すっげ~衝撃を受けてしまいましたよ。(笑)
decon様こそ、これからどんどんおきばりやす!
返信する