D9の響き

Guitarを肴につらつらと・・

From Your Heart And Your Soul('97)/Steve Hunt

2006-08-30 17:59:40 | allan holdsworth
速いもんで、8月もそろそろ終わりですね・・まだまだ暑い日が続きます。

今日の1枚は、Allan Holdsworth Groupへの参加で名を馳せたキーボーディストSteve Huntが'97年にリリースした自身初のソロ作です。

この作品は、SPICERACKというインディーズからのリリースのため日本国内盤としては出ていませんが、本人のサイトかCDBabyというUSの通販サイト(こちら)で試聴・購入ができます・・皆様どうぞよろしく!(笑)

パーソネルはあまり固定されてませんが以下のメンバーです。
Allan Holdsworth(g;#8)、Greg Bendian(d;#2-5)、Skuli Sverrisson(ele-b;#1,2,8)、John Lockwood(aco-b;#3-6)、Chad Wackerman(d;#8)、Ole Mathisen(s-sax,t-sax;#2,6)、George Garzone(t-sax;#3)、Nando Lauria(vo;#4,6)、Bruce Bartlett(g:#1)、Steve Michaud(d;#1)。
・・正直言って、後半の方々はほとんど知らない名前ばかり並んでますが、腕は確かな人選かなとは思います。
Steveは全編で主にピアノを弾いており、今回の収録に際しては自宅にあるスタインウエイのモデルBを使ったそうです。

音的には、やはり自分のルーツであるJazzをベースとしたアップデイトながらちょっとノスタルジックなテイストも感じさせる好演が詰まった1枚となってます。

#1.One Thing After Another:
Bruce Bartlettのギターをフューチャーしたアップテンポなナンバー。
アップデイトなJazzって感じでしょうか・・Skuli Sverrissonのベースソロもフラッシーです。
彼の性格もあるんでしょうが、ちょっと引きすぎですね・・せっかくのオープニングナンバーなんだし目立たなきゃダメじゃん。

#2.Point Of Light:
Steveらしいハートウォーミングなピアノ中心のバラードです・・ローズみたいなシンセが効いてますね。
Ole Mathisenのソプラノサックスが一層の華を添えており、とても美しく良い曲です。

#3.Wake Up:
ピアノカルテットでのファスト・チューン。
コルトレーンあたりをイメージしたような感はありますが、George Garzoneのテナーサックスでは役不足でしたね。
Steveはこんなハードなスタイルのピアノが本来好きみたいですね・・まるでBud Powellみたいです。

#4.Coming Home:
Nando Lauriaのスキャットが心地よいですね・・まるで、‘Letter From Home('89)’の頃のPat Metheny Groupのようです。
・・SteveはLyle Maysに成りきってるようですね。(笑)
ただ、ソロは少々無理してるようで、前半は音を選びながら徐々にウオームアップしてる感じ・・後半に一気に爆発する展開ですね。
ちょっとブルージーな音が楽しそうに聞こえます。

#5.From Your Heart And Your Soul(remembering Jimmy):
ピアノトリオでのクラシックスタイルなJazzナンバー。
彼がミュージシャンになるきっかけとなったJimmy Hurseというピアニスト(・・父や叔父の友人だった)に捧げた曲です。
タイトルも、そのJimmyの口癖から採ったようです。
人生の師に出会えたというのは、本当にすばらしいことですね。


【Jimmy Hurse(L)and father B.J.Hunt(R)】

#6.Triad:
再び、Ole MathisenのテナーとNando Lauriaのスキャットをフューチャー。
・・やっぱりメセニー風ですが、これも聞き応えがある良い曲ですね。

#7.Belle Faccia:
Steveのピアノソロです。
この原曲は、Holdsworth先生の‘WardenclyffeTower('92)’に収録されたSteveの曲‘Dodgy Boat’のようですね。
もしかしたら、こっちの方がオリジナルバージョンなのかもしれません。

#8.Wring It Out:
そして#7のメロディを発展させながらの、全く違うすばらしい演奏がこの曲です・・Holdsworth先生が唯一客演してます。
ベースはSkuli Sverrisson、ドラムはChad Wackermanと、例のRHAビデオと同じ、当時のA.H.Groupのメンバーで演ってます。
この曲を聴けば、Steveがいかにバンドに貢献してるかということがよくわかります。
彼はソリストというよりボトムを支える裏方タイプなんですよね・・しかも超強力なね。
・・この1曲のためだけでも、この作品を購入する価値があると私は思います・・当然一押しです。(笑)

#9.Funnels:
最後はHoldsworth先生の‘Atavachron('86)’収録作をピアノ・ソロで・・実に美しい演奏です。
元曲より一般リスナー向けのバージョンではないでしょうか。(笑)

本人の暖かい性格が曲にもいっぱい溢れてますね。
現在までHoldsworth先生は幾人ものキーボードと共演してますが、Steveほど全幅の信頼を得た人はいません。
腕のよさはさることながら、さり気に凄いサポートをしてくれるメンバーとして、Holdsworthファミリーには欠かせない存在ですね。
最近は、SPICERACK関係の人脈でのセッションが活動の中心となっているようで、Holdsworth先生もちょっと巻き込んだ作品にも参加してますね。
詳しいことは、また後日!(笑)


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