キリスト者の慰め

無宗教主義の著者が、人生の苦しみに直面し、キリストによって慰めをえる記録

ローマ書執筆の意図

2012-02-12 19:09:25 | 聖書原典研究(パウロ書簡)
彼(イエス)とは,旧約聖書において,
彼の預言者を通して予め告げ知らせられた方です。
(ローマ書1-2/私訳)



新約聖書の中心と言われる「ローマ書」の主題とは何なのだろうか?

それは,上記の聖句からすると,旧約聖書の解明である。

日本語には関係代名詞というものがないので,上記の聖句は余り強調されないが,

イエス(御子)が旧約預言者の希望の集約であることは,

パウロがローマ書劈頭で強調するところである。

カルヴァン曰く,「パウロはここで,旧約聖書解明の手掛かりを与えている」と。
(J・カルヴァン「ローマ書注解」)


1章~4章は序論であって,ローマ書の本論は5章から始まる。

5章~8章は「イエスに従順な者の救い」であって,

エレミヤが預言した「新しき契約の成就」である。


キリスト・イエスにある命の御霊の律法が,罪と死の律法からあなたを奴隷解放した。
(ローマ書8-2/私訳)


9章~11章は「イエスに不従順な者の救い」であって,

エゼキエルが預言した「死骨の復活」である。


もし彼らの捨てられることが世の和解になったのなら,
彼らの受け入れられることは,死人の中からの復活でなくて何であろう。
(ローマ書11-15/新改訳)


12章~15章は「イエスにある人間の生」であって,

イザヤが預言した,強者が弱者を受け入れる「神の国の成就」である。


キリストがあなた方を受け入れたように,
あなた方も,神の栄光のために互いに受け入れなさい。
(ローマ書15-7/私訳)


パウロは,全体の流れをヨブ記に範を取りながら,

本論3章は三大預言者の希望の成就として執筆し,

要所・要所に,アモス・ホセア・ハバクク等々の希望を散りばめながら,

自身の福音をもって旧約聖書解明の手掛かりを与えているのである。


※パウロ当時は新約聖書など存在せず,彼らの最も尊ぶべき信仰書といえば,
旧約聖書一冊であったことを,想起すべきである。



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