遙かなる透明という幻影の言語を尋ねて彷徨う。

現代詩および短詩系文学(短歌・俳句)を尋ねて。〔言葉〕まかせの〔脚〕まかせ!非日常の風に吹かれる旅の果てまで。

記憶のレプリカ(現代詩)

2017-10-18 | 心に響く今日の名言
堅い胡桃を割って
手のひらの中で広がる果肉のメロディ
遠い日の風景が、誰かの手によって
耳の底で虫になる


記憶がそうささやいている
うっそうとした「さわ」には榎木、ハンノキ、ウツキ、ムラサキシキブの類
蔓性のアケビヘクソカズラ、そしてモリオアオガエル、トミヨ、
風は太古の記憶を反復している


一人で深い森をさまよい
書き連ねる動植物の命名者についてかんがえていると、
いきなり記憶の縁を滑り落ちる、落ちていく
悲惨な男の影になんか重なりたくない、
とんでもない悲惨な男の影の幽霊になるよりは、     
   

虫でいい、無視、無私、夢死でいい、と痛い目覚めの
夢は、麻縄のハンモックの反目である


(上の詩とは直接の関係はありません。)

心に響く今日の名言-モーツァルト

2017-10-18 | 心に響く今日の名言
「結婚したら色々分かってきますよ、
 今まで半分なぞだったことが
 今に経験からわかります、
 イヴが、後でカインを生んだのは、
 どんなことをさせられたからなのか。」
(モーツァルト『モーツァルトの手紙』(上)108-109より)