領土、滅びてもなを
謎が多い物語には
完璧な結末が用意されている
と、あらかじめの枠組みを
仮定することは
ぼくと、ぼくらの消極的な願望にまで
際だった形式論を振り向かせる
katue、と記した名辞。
「骨の火」の
火種は、
もともと終戦前の不発弾にあった
と、仮定することは
虚ろな伝説を
決定づけることになるのだろうか、
新潟に疎開していた前衛詩人の仮住まいの
庭から掘り起こされたという。
その「骨の火」の
貌は、
天を仰ぐすんだ目で口から切断された人物が
巨大な黒いアミーバをにらんでいた(と、想像する)
katue、と記した名辞。
あるいは明示。
むろん名実を伴う固有名詞だから。
(一九五十年三月発行第六号の「貌」が調布市のK氏から届いた二千三年夏
その「貌」は待ちに待った梅雨明けと同時にぼくとぼくらの長いタイムトン
ネルを一瞬に突き抜けて驚くほど微かな記憶とぴったり重なりあっていた)
大袈裟にいえば「骨の火」は
あっという間に北陸(新潟と富山)の青い脳髄の原野を
一面の火の海にして、
二年という歳月の地殻の移動が
ついに「骨片のある風景」を生み落とした
五十年代の北の伝説。
ぼくと、ぼくら遅れてきた傍観者には
謎ばかりの
「火の骨」だから
言葉でしかつたえられない
断念という未来があったかもしれない
太平洋の海に散った学友への敬虔な鎮魂の譜。
あるいはのどの乾きを潤すだけの
澄み切った地平線にぼうぼう燃え立つ巨大な蛤の吐く夢。
そして、無垢なる魂の、
真意を語る人はすでに見えない。
そして「骨の火」の
永遠に休息している頁をめくるとき
生成と消滅をくり返すかのように、
日々の波間で
戦後の青い脳髄が燃えていた、未知の連名に導かれ
振り返るほど遠く儚く、滅びてもなを
katue、と記した明示。
詩人そのものである明示は、
永遠に休息する波間を何処まで漂うのだろうか。
*午後からはになりました。
さっきは大きな雷が近くに落ちたらしくパソコンの電源が
ぱっと一瞬とぎれておどろきました。でもぶじでした。
謎が多い物語には
完璧な結末が用意されている
と、あらかじめの枠組みを
仮定することは
ぼくと、ぼくらの消極的な願望にまで
際だった形式論を振り向かせる
katue、と記した名辞。
「骨の火」の
火種は、
もともと終戦前の不発弾にあった
と、仮定することは
虚ろな伝説を
決定づけることになるのだろうか、
新潟に疎開していた前衛詩人の仮住まいの
庭から掘り起こされたという。
その「骨の火」の
貌は、
天を仰ぐすんだ目で口から切断された人物が
巨大な黒いアミーバをにらんでいた(と、想像する)
katue、と記した名辞。
あるいは明示。
むろん名実を伴う固有名詞だから。
(一九五十年三月発行第六号の「貌」が調布市のK氏から届いた二千三年夏
その「貌」は待ちに待った梅雨明けと同時にぼくとぼくらの長いタイムトン
ネルを一瞬に突き抜けて驚くほど微かな記憶とぴったり重なりあっていた)
大袈裟にいえば「骨の火」は
あっという間に北陸(新潟と富山)の青い脳髄の原野を
一面の火の海にして、
二年という歳月の地殻の移動が
ついに「骨片のある風景」を生み落とした
五十年代の北の伝説。
ぼくと、ぼくら遅れてきた傍観者には
謎ばかりの
「火の骨」だから
言葉でしかつたえられない
断念という未来があったかもしれない
太平洋の海に散った学友への敬虔な鎮魂の譜。
あるいはのどの乾きを潤すだけの
澄み切った地平線にぼうぼう燃え立つ巨大な蛤の吐く夢。
そして、無垢なる魂の、
真意を語る人はすでに見えない。
そして「骨の火」の
永遠に休息している頁をめくるとき
生成と消滅をくり返すかのように、
日々の波間で
戦後の青い脳髄が燃えていた、未知の連名に導かれ
振り返るほど遠く儚く、滅びてもなを
katue、と記した明示。
詩人そのものである明示は、
永遠に休息する波間を何処まで漂うのだろうか。
*午後からはになりました。
さっきは大きな雷が近くに落ちたらしくパソコンの電源が
ぱっと一瞬とぎれておどろきました。でもぶじでした。