昭和初期、精力的に作品を発表した菊池寛の大衆小説は数多く映画化され、主題歌としてつくられた文芸歌謡も人気を博しました。先のようなものです。
◇「明眸禍の唄」(曽我直子/昭和4)-『婦女界』連載作品・松竹映画「明眸禍」の主題歌。歌詞は吉井勇。
◇「不壊の白球」(四谷文子/昭和4)-朝日新聞連載作品・松竹映画化。
◇「有憂鼻の歌}(平井美奈子/昭和6)-報知新聞連載作品・松竹映画化。
◇「未来花の歌」(渡辺光子/昭和8)-日活映画「未来花」主題歌。
◇「白い椿の歌」(楠木繁夫/昭和10)-入江プロ「貞操問答」主題歌。
◇「慈悲心鳥」(楠木繁夫/昭和11)-日活映画「慈悲心鳥」主題歌。「白い椿の歌」とともに楠木繁夫の代表的な作品。
◇「美しき鷹」(由利あけみ/昭和12)-毎日新聞連載作品・東宝映画「美しき鷹」の主題歌。この小説の映画化は三者競作となった。
その菊池寛とモデル問題でトラブルをおこした広津和郎の『女給』の主題歌「女給の唄」(羽衣歌子/昭和6)」も忘れられない。
また、牧逸馬の「この太陽」も日活で映画化、同名の唄(佐藤千夜子/昭和5)を生んだし、『主婦の友』連載の小島政二郎の「人妻椿」は松竹で映画化され、その主題歌「人妻椿」(昭和11)は、松平晃のヒットナンバーとなりました。
さらに、吉屋信子の「良人の貞操」の映画化(昭和12)があり、群司次郎正の『侍ニッポン』は伊藤大輔監督、大河内伝次郎主演で映画化され、徳山環の昭和8年ヒット曲「侍ニッポン」を生んだし、この作家の〝ニッポン四部作〟の「ミス・ニッポン」はその前年、内田吐夢のメガホンで映画化され、四家文子の歌った同名の主題歌が世にでました。
また題名だけ羅列すれば、「祗園小唄」(昭和8)「千鳥格子」(市丸/昭和8)
「祗園囃子」(小唄勝太郎・三島一声/昭和8)等多くあります。
昭和8年に林不忘が世に送った「丹下左膳」があります。『お伝地獄』の主題歌「お伝地獄の唄」つくられたし、『雪之丞変化』が長谷川一夫主演で映画化されて、東海林太郎の「むらさき小唄」ができ、その前年、行友李風の『月形半平太』が松竹で映画化されたとき、東海林太郎の「月形半平太の唄」がつくられています。
流す涙が お芝居ならば
何の苦労も あるまいに
濡れて燕の なく声は
あはれ浮名の 女形
(佐藤惣之助作詞、阿部武雄作曲「むらさき小唄」)
獅子文六のユーモア小説『悦ちゃん』が昭和12年日活で映画化。吉川英治の『宮本武蔵』が片岡知恵蔵の武蔵、宮城千賀子のお通で昭和15年に日活で映画化されたときには樋口静雄の「武蔵の唄」が生まれています。
教えてよパパ 教えてよママ
パパとママ ママとパパ
どっちが先に 言ったのよ
パパはママが 好きだって
ママはパパが 好きだって
(獅子文六作詞、鈴木哲夫作曲「パパ・ママ・ソング」)
十一谷義三郎や川村花菱など多くの作家によって描かれた唐人お吉を主題にしたものには、「唐人お吉の唄」(「黒船編」佐藤智弥子・「明烏編」二三吉/昭和10年)をはじめ、「下田しぐれ」(東海林太郎/昭和19)、「唐人お吉」(新橋喜代三/昭和10)、「黒船情話」(上原敏/昭和12)等があり、現在でも、天津羽衣の「お吉物語」のようなお吉をテーマにした唄がつくられています。
さらには、川口松太郎。川端康成などの作家の作品が映画化されてその主題歌がつくられることになるのですが、次回とします。
◇「明眸禍の唄」(曽我直子/昭和4)-『婦女界』連載作品・松竹映画「明眸禍」の主題歌。歌詞は吉井勇。
◇「不壊の白球」(四谷文子/昭和4)-朝日新聞連載作品・松竹映画化。
◇「有憂鼻の歌}(平井美奈子/昭和6)-報知新聞連載作品・松竹映画化。
◇「未来花の歌」(渡辺光子/昭和8)-日活映画「未来花」主題歌。
◇「白い椿の歌」(楠木繁夫/昭和10)-入江プロ「貞操問答」主題歌。
◇「慈悲心鳥」(楠木繁夫/昭和11)-日活映画「慈悲心鳥」主題歌。「白い椿の歌」とともに楠木繁夫の代表的な作品。
◇「美しき鷹」(由利あけみ/昭和12)-毎日新聞連載作品・東宝映画「美しき鷹」の主題歌。この小説の映画化は三者競作となった。
その菊池寛とモデル問題でトラブルをおこした広津和郎の『女給』の主題歌「女給の唄」(羽衣歌子/昭和6)」も忘れられない。
また、牧逸馬の「この太陽」も日活で映画化、同名の唄(佐藤千夜子/昭和5)を生んだし、『主婦の友』連載の小島政二郎の「人妻椿」は松竹で映画化され、その主題歌「人妻椿」(昭和11)は、松平晃のヒットナンバーとなりました。
さらに、吉屋信子の「良人の貞操」の映画化(昭和12)があり、群司次郎正の『侍ニッポン』は伊藤大輔監督、大河内伝次郎主演で映画化され、徳山環の昭和8年ヒット曲「侍ニッポン」を生んだし、この作家の〝ニッポン四部作〟の「ミス・ニッポン」はその前年、内田吐夢のメガホンで映画化され、四家文子の歌った同名の主題歌が世にでました。
また題名だけ羅列すれば、「祗園小唄」(昭和8)「千鳥格子」(市丸/昭和8)
「祗園囃子」(小唄勝太郎・三島一声/昭和8)等多くあります。
昭和8年に林不忘が世に送った「丹下左膳」があります。『お伝地獄』の主題歌「お伝地獄の唄」つくられたし、『雪之丞変化』が長谷川一夫主演で映画化されて、東海林太郎の「むらさき小唄」ができ、その前年、行友李風の『月形半平太』が松竹で映画化されたとき、東海林太郎の「月形半平太の唄」がつくられています。
流す涙が お芝居ならば
何の苦労も あるまいに
濡れて燕の なく声は
あはれ浮名の 女形
(佐藤惣之助作詞、阿部武雄作曲「むらさき小唄」)
獅子文六のユーモア小説『悦ちゃん』が昭和12年日活で映画化。吉川英治の『宮本武蔵』が片岡知恵蔵の武蔵、宮城千賀子のお通で昭和15年に日活で映画化されたときには樋口静雄の「武蔵の唄」が生まれています。
教えてよパパ 教えてよママ
パパとママ ママとパパ
どっちが先に 言ったのよ
パパはママが 好きだって
ママはパパが 好きだって
(獅子文六作詞、鈴木哲夫作曲「パパ・ママ・ソング」)
十一谷義三郎や川村花菱など多くの作家によって描かれた唐人お吉を主題にしたものには、「唐人お吉の唄」(「黒船編」佐藤智弥子・「明烏編」二三吉/昭和10年)をはじめ、「下田しぐれ」(東海林太郎/昭和19)、「唐人お吉」(新橋喜代三/昭和10)、「黒船情話」(上原敏/昭和12)等があり、現在でも、天津羽衣の「お吉物語」のようなお吉をテーマにした唄がつくられています。
さらには、川口松太郎。川端康成などの作家の作品が映画化されてその主題歌がつくられることになるのですが、次回とします。