生徒をその気にさせるのが指導者の技量であるのですが、これがなかなか難しい。だから、本気の生徒からアドバイスを求められた場合を除いて、こちらからのアドバイスの押し売りは辞めるべきだと思っています。生徒にスイッチが入らないとアドバイスは流されてしまい、徒労に終わることがほとんどだからです。
先日、ある高2生から「現代文が得意になるには何をしたらいいですか」という本気のアドバイスを求められました。現代文がどんな力を求める科目であるかの説明から始まり、私の実体験と共におススメの問題集を紹介しました。
そして一昨日、彼との英語の授業である英文を読んでいた時に、Of course …, but ~ という譲歩逆説構文が出てきたので解説すると、「先生が先日紹介してくれた現代文の問題集でも、同じ解説が載っていました」と話してくれました。「あー、彼はアドバイスを行動に結びつけ、実践してくれたんだ」という、指導者として純粋な喜び。
アドバイスを受け入れて行動に移す生徒は、必ず伸びます。彼も、現代文で学んだことが英語でも生かされ、語学に共通する論理性を習得したのです。
本気が機会をもたらし、その機会が行動を起こします。それは、自分が本気になれば周囲も変わる証でもあります。