ここではないどこかへ -Anywhere But Here-

音楽・本・映画・サッカーなど興味の趣くままに書いていきます。

今年見た映画

2006-12-31 18:13:30 | 映画
THE 有頂天ホテル
スリング・ブレイド
ゴッド・ファーザー
あげまん
ネットワーク
GOAL!
遥かなる山の呼び声
カポーティ
博士の愛した数式
ルードヴィッヒ

映画も観れなかった一年だった。
劇場に足を運んだのは4回。
あとは、テレビ放送やDVDなどで見た旧作が殆ど。
映画こそきちんと時間を確保して気合を入れないとなかなか見れない。
数少ない劇場鑑賞で印象に残っているのが「カポーティ」。
作家という職業の業の深さを垣間見るようだった。

来年は月に一度くらいは劇場に通えるといいなと思う。

今年のランニング

2006-12-31 18:05:51 | ジョギング
11月の距離:31Km
12月の距離:13Km
2006年走行距離:661Km

今年のランニングは悔いの残る結果となった。
結局怪我がちだったのだけど、年齢的にもちょっとした無理や疲労が怪我につながっている。

そしてやはり走る時間をなかなか確保できないというのも大きい。
そのうち半分ぐらいは自分に言い訳をして時間を作る努力をしていないというのもあるのだが・・・。

毎年期するものがあるのだが、来年はコンスタントに走りたい。
そして来年こそはホノルル・マラソン完走を実現させたいと思う。
とにかく走れるということは健康の証。
健康であることがすべての基本であり、それが最大の目標でもある。

今年買ったレコード

2006-12-31 17:55:32 | 音楽
Joy To The World/Three Dog Night
All Things Must Pass/George Harrison
Smile A Little Smile For Me/The Flying Machine
Love(Can Make You Happy)/Mercy
For All We Know/Carpenters
Have You Seen Her/The Chi-Lites
Sky High/Jigsaw
Castle In The Air/Felix Cavaliere
Love Andy/Andy Williams
Striking It Rich!/Dan Hicks & His Hot Licks
Morph The Cat/Donald Fagen
Shiplaunching/冨田ラボ
At This Time/Burt Bacharach
Exotica Classica/Martin Denny
The Roy Orbison Song Book/The Sunset Strings
アフター・サーヴィス/YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)
H2O/Daryl Hall & John Oates
VOICES from FIFA World Cup
Minute By Minute/The Doobie Brothers
Bobby Caldwell
Honey/Andy Williams
Down In L.A./Brewer & Shipley
Sometimes Late At Night/Carole Bayer Sager
What's Wrong With This Picture?/Andrew Gold
Oasis/Jimmy Messina
Ray Kennedy
in Tokyo/Joao Gilberto
Randezvous In Rio/Michael Franks
Awakening/佐藤博
Calendar Girl/Julie London
Jaye P.Morgan
Marooned/Larry Lee
Ray Sings,Basie Swings/Ray Charles+The Count Basie
Go! Go! Niagara/大滝詠一
Richard Jon Smith
Philadelphia International Records 12" Singles
The Gamble & Huff Songbook Volume1

今年買ったレコードは37枚。こんなものかなあ。
ここ数年では買ったほうだと思う。
コンスタントに50枚以上買っていたころから比べると決して多くはないけれども
自分できちんと把握できるぐらいの枚数はやはりこれぐらいかな。

今年は夏ごろAORをかなり買った。懐かしい作品が目白押しだ。
前半はアナログでNick DeCaroものを少し買ったけど、後半はちょっと息切れ。
これはライフワークなので気長にそろえていきたいと思う。
そういえば年の初めは、弟の結婚式用のBGMをそろえるのに普段は聞かないようなものまで結構気合入れて揃えたけど
肝心の結婚式ではあまり使ってもらえずがっかり。

来年はフィラデルフィア・インターナショナルを手始めに。
日本のものももっと聴いてみたい。

今年読んだ本

2006-12-31 17:37:41 | 
フーリガンの社会学/ドミニック・ボダン
トワイライト/重松清
輪違屋糸里/浅田次郎
冬の蜃気楼/山田太一
頭がいい人、悪い人の話し方/樋口裕一
花まんま/朱川湊人
意味がなければスイングはない/村上春樹
後巷説百物語/京極夏彦
トゥルー・ストーリーズ/ポール・オースター
不屈者/後藤正治
震度0/横山秀夫
山口瞳の人生作法/山口瞳 ほか
帰宅の時代/林望
危機の宰相/沢木耕太郎
リプレイ/ケン・グリムウッド
21世紀のマラソントレーニング/前河洋一編著 石井好ニ郎 鈴木彰 山内武 山本正彦共著
国家の品格/藤原正彦
4TEEN/石田衣良
オシムの言葉-フィールドの向こうに人生が見える/木村元彦
頂上対談/ビートたけし
白洲次郎 占領を背負った男/北康利
風の男 白洲次郎/青柳恵介
日本のいちばん長い日/半藤一利
「頭のいい人」はシンプルに生きる/ウエイン・W・ダイアー
冷血/トルーマン・カポーティ
奇跡の自転車/ロン・マクラーティ
小説は電車で読もう/植草甚一
鬼平犯科帳(22)特別長編 迷路/池波正太郎
グレート・ギャツビー/スコット・フィッツジェラルド
町長選挙/奥田英朗

今年読んだ本の一覧。30冊。少ないなあ・・・。
基本的に読書は通勤の電車の中なのだが、新聞も読めば雑誌も読むのでペースは遅い。
家では殆ど読む時間がないので、というか酔っ払っているので読めない。(読まない)。
というわけで総括するほどのこともないのだけど、去年講演を聴いた、沢木耕太郎氏、浅田次郎氏の作品は印象深い。
夏ごろに読んでいた、白洲次郎の伝記本も日本人というアイデンティティを改めて気づかせてくれた。

今年は古典をひとつも読んでいないのと、いわゆる大作の部類には殆ど触手が伸びなかったので、来年は大作にじっくり取り組んでみたい。

The Gamble & Huff Songbook Volume1

2006-12-31 01:08:08 | 音楽
先日に引き続き、フィラデルフィア・インターナショナル・レコード(PIR)のコンピ。
Kenny Gamble & Leon Huff。
PIRはこのソングライター・チームそのものといっても過言ではない。
その彼らのコンビによって書かれた名曲の数々を2枚組に集めた今年制作のコンピレーション。
入門的な内容ではあるけれども、時代の風雪に耐えてきた名曲の数々は何度聞いても飽きない。

PIRはMotownやStaxなどに比べるとレーベルの個性がはっきりしているというかそのカラーが一定しているような気がする。
それは比較的所帯がこじんまりしているからなのかもしれないが、
Gamble & Huffが一定の方向性を持ってレーベル運営をしてきたからなのではないかという気がする。

フィラデルフィアという土地の持つ雰囲気とか文化的な土壌と相まって、
PIRを中心としたフィリー・ソウルにはどことなくアカデミックな雰囲気が漂う。
ある種の様式美というのがフィリーの特徴かもしれない。
そしてそういう「型」というのは決して悪くないと思う。
いやむしろそういう「型」というのがPIRの、だからGamble & Huffの最大の魅力といっていいと思うのだ。

町長選挙/奥田英朗

2006-12-29 23:42:14 | 
年の最後は笑えて痛快、スカッと終わりたいなということで、伊良部総合病院の精神科医師、伊良部一郎先生に登場願った。

「町長選挙」は「イン・ザ・プール」、直木賞を受賞した「空中ブランコ」に続く、伊良部シリーズの第3弾。
ただし、今回は実在の人物をモデルにしたということで新境地を開いた。
とにかく痛快なので、この際モデルになった人物を実名で紹介しようと思う。

権力の座にしがみつこうとするあまり、自らの死を恐れる新聞社の老会長、ナベマンこと田辺満雄はもちろんナベツネがモデルの「オーナー」。

アンポンマンこと安保貴明はIT長者でテレビ局の買収をもくろんでいる。
しかし、世の中のすべてを理詰めでばかり考えてそうでない世間を見下し、
デジタル思考で考えているうちに平仮名が書けなくなってしまう。
「アンポンマン」は「ホリエモン」がモデルだ。

40代に入っても自然な若さが売りの女優、白木カオルはライバルで同世代の女優、川村こと美には見栄を張り自然体を装ってみせるが、
その裏で必死のダイエットや美容法を続けるうちにそれが高じて過剰な行動に出てしまう。
白木カオルは黒木瞳で、川村こと美はもちろん川島なお美であろう。
売れっ子女優の舞台裏を描くのは「カリスマ」。

とにかく権威とか権力というものをこき下ろすから胸がすく。
しかし、それだけではなく著者の登場人物たちのへの視線に温もりがある。
そうやって肩肘を張らなくても、もっとシンプルに考えれば人生楽しいのに・・・、
ということを破天荒で精神年齢の著しく幼い伊良部医師を通して語りかける。

そして「町長選挙」ではそうした伊良部医師の人間的な魅力に初めて触れる。
伊良部シリーズの集大成とも言うべき作品だ。

とにかく多くを語る必要はない。カタルシスとでもいうべきこの本で、今年の垢を落としたい。
本当に大切なことは余計な虚飾をそぎ落としたところにあるものだ。

Philadelphia International Records 12" Singles

2006-12-29 00:44:58 | 音楽
フィラデルフィア・インターナショナル(PIR)は最近、
Edsel Recordsをディストリビューターにして過去のカタログを精力的にリリースしている。

ここのところPIRからしばらく遠ざかっていたので、
CDショップで大量のPIRのCDを見つけてからというもの、またふつふつとコレクター魂に火がつきそう。
手始めに、70年代に12インチでリリースされた曲が目白押しの2枚組コンピレーションを入手。
このジャケにあしらわれた、お馴染みのPIRの草色のレーベルを見るだけで自然に手が伸びてしまう。
当時は12インチという名前ではなくて「Disco Single」という名称で切られた、ディスコ向けのロングバージョンを集めたアルバム。

どれもダンス・ミュージックばかりなので、ぞくぞくするグルーヴで迫ってくる。
例えば、The Futuresの「Ain't No Time Fa Nuthin'」なんかは山下達郎の「Solid Slider」を思わせるような、
ブラスと弦の緊張感溢れるアレンジがたまらない。

ちょっとエキゾチックな雰囲気のThe Jones Girlsの「Nights Over Egypt」も雰囲気があっていい。
Jockoの「Rhythm Talk」などもこのアルバムならではの選曲。

もう何も考えずにリズムに乗っていればそれだけで楽しいアルバムだ。

グレート・ギャツビー/スコット・フィッツジェラルド

2006-12-27 22:11:31 | 
この本を読みながら考えていた二つのことについて、翻訳した村上春樹氏があとがきで明確な答えを用意してくれていた。
僕などが考えつくようなことはとっくに解決されているものなのだ。

まずひとつめはに思っていたのは、外国文学を日本語に翻訳した本で読むときのどうにもフィットしない言葉の感覚のことである。
それが古典で古い翻訳ともなると、内容以前のところで上滑りしてしまうことがよくある。
だから村上春樹氏がこの作品の翻訳にあたって「アップデート」ということを意識したというのは、とてもよく共感できた。

もうひとつは、読み進めるにつれてこれは「村上春樹のグレート・ギャツビー」だなと思ったこと。
あとがきで村上氏はこの作品が自身に与えた影響の大きさについて珍しく前のめりになって語っている。
そしてこの作品の翻訳にあたっては自らの作家というキャリアを最大限に活かそうとしたということも。

英語的に流麗で完成度の高い文章を訳していくには作家的な視点がどうしても欠かせなかったのであろう。
原文の細かなニュアンスが分かるほど英語に長けているわけではないけれども、一読して、
村上氏が一語一語を丁寧に丹念に訳していったという苦労のあとは十二分に分かった。
訳によって物語の質感や受ける印象は全く違うものになる。
村上氏が訳したことによって「グレート・ギャツビー」が氏にとって
作家人生を左右するべき作品であるということも、何となく腑に落ちるところがある。

初めてこの作品を読んだときには僕自身が若かったせいもあるが、いまひとつ感応して読むことができなかったような気がする。
若すぎて物語の深みに到達できなかったということもあるのだろうが、
それは、もしかするとギャッツのというよりも語り手のニックの諦観に近づけなかったことによるものなのかもしれない。

Richard Jon Smith

2006-12-26 23:32:00 | 音楽
James Brownの突然の訃報が飛び込んできた。享年73歳。まだ若かったと思う。
不世出の巨星堕つの感が強い。ご冥福をお祈りする。

さて、たまにはブラック・ミュージックを聴きたいなということで
いろいろと物色していてほとんど衝動買いしたのがこのRichard Jon Smithの83年のアルバム。
この人のことは知らなかったのだが、どうもイギリスのアーティストらしい。
ブリティッシュ・ソウル然とした雰囲気が漂っている。

それにしてももう、懐かしいほどにあの頃の音という感じ。シンセ・サウンド全開。
高校時代、FM雑誌に発表されるビルボードのブラック・チャートを毎週楽しみに見ていたきのことを思い出す。

「Stay With Me Tonight」が出色のダンスチューン。
なんとなくHerb Alpertの「Rise」を髣髴とさせるようなホーンアレンジがあったりして面白い。
Atlantic Starrみたいな雰囲気の「Baby's Got Anothr」など今聴くとちょっと古いかなあ、という感じがまさに80年代。
このちょいダサ感覚がまたクセになる。
個人的にはSmokey Robinsonのようなミディアム・バラードの「How I Miss You」がなかなか良かった。

このCDを出しているのが、Vinyl Masterpieceというイギリスのインディーズ・レーベル。
ここがまたほとんどビョーキの会社で、イギリス人っていうのは本当にこういうのが好きなんだなあ、と思う。
そしてここのオンライン・ショップは日本盤を輸入販売していたりする。
さもありなんという気がする。
こういうものを本気で物色しているのはイギリス人と日本人ぐらいだからだ。

鬼平犯科帳(22)特別長編 迷路/池波正太郎

2006-12-25 22:38:01 | 
この季節になると鬼平を読みたくなる。
寒い季節に探索を終えた与力や密偵が「五鉄」に集まり、熱い酒で冷えた体を温める。肴は素朴だがなんとも気が効いている。
季節と寄り添いながら生活している江戸の庶民の描写も池波文学の醍醐味のひとつだ。

というわけで最近は決まってこの時期にちびちびと(読み終わるのがもったいないので)読んでいる鬼平だが、
この22巻目の長編は少し趣が違う。

平蔵の身近な人たちが何者かに襲われ次々に命を落としていく。そしてその犯人が誰なのかが分からない。
自分に恨みを持つ者の反抗には違いないのだが、それが誰かが分からない。
かつてないほどに苦悩を重ね憔悴する平蔵。
そして、解決しない事件は平蔵の罷免問題にまで発展するのだ。
平蔵が最も苦しみ悲しみ怒り、そして感情を乱してしまう状況設定に置いたという点でかつてない読み応えがある。

長編では平蔵をはじめとした登場人物たちの心の持ちようがいくつかの挿話とともに丹念に描かれている。
平蔵のさりげない心配りや、おまさの平蔵への想い、倅の辰蔵の成長ぶりなど・・・。
そうした登場人物の変遷もまた読んでいて楽しい。