今年はいろいろとあって、途中からサッカーのレビューを書く余裕がなくなってしまい、
今までに見た試合もほとんど総括できずにJリーグも終盤に差し掛かってきた。
試合を見ていないわけではない。去年よりは観戦数が少ないながらも、FC東京の試合を中心に観てはいるのだ。
ただ、書くきっかけというものがつかめなかった。書けなかった試合についてはそのうちにサマリーしたい。
さて、川崎フロンターレとの一戦。両クラブは今シーズンからこの一戦を「多摩川クラシコ」と名づけて盛り上げようとしている。
"クラシコ"=伝統の一戦。サッカー文化の歴史が浅い日本では盛り上げるためには
10回あまりしか対戦していなくても、
「伝統」と名乗らざるを得ないところがなんとも苦しいところだが、その性急さもある意味で逆説的で、個人的には楽しい。
無理やりにでも気分を盛り上げて、それで熱く戦えるのならそれはそれで悪くない。
こじつけでも何でも根付いてしまえばそれが伝統なのだ。
川崎サポーターは多摩川を舟をこいでやってくるとか、東京が南武線を広告でジャックしてしまうとか、そういう盛り上がり方も悪くない話だ。
それなのに「クラシコ」を名乗るには今年の東京はあまりにも情けなかった。
前回の対戦は5-2、そして今回は7-0と歴史的な大敗を喫してしまった。
これは決して偶然の産物ではないような気がする。
思えばJリーグでは東京と川崎は対照的な道筋を辿ってきている。
J1に昇格したのはどちらも2000年のシーズン。以降東京がJ1に定着しているのに対し、川崎はわずか一年でJ2に降格の苦渋を味わっている。
補強策の失敗などでフロントスタッフをはじめ、選手の多くがチームを去った。
2000年をボトムに、地道な改革に着手した川崎は、2005年に5年ぶりのJ1復帰。
着実に力をつけてその年は8位と健闘。続く昨年は2位と躍進し、今年のACL出場を勝ち取った。
今年はナビスコのファイナルに進出しており初タイトルの可能性もある。
それに対して東京は、J1昇格後着実に好位置をキープし、2004年にはナビスコカップで悲願の初タイトルを獲得した。
しかしそこをピークにここ3年あまりチームは踊り場に差し掛かっている。
一旦は契約を満了した原監督を再び招聘した今年は、満を持して選手補強を行ったものの機能せず下位に甘んじている。
思えば、両クラブのチーム事情は2000年以降見事にスパイラルしているようである。
J2で身をかがめて力を蓄えてきた川崎はかがんでいた分だけ大きくジャンプしている。
一方の東京は、J1に安住してしまってまるで貯金を食いつぶしてしまっているかのようである。
思えば今期の原さんの復帰は完全に時計の針を逆に廻したもので、
それならば、まったく違うスタイルのサッカーを志向した去年のガーロは何だったのかということになる。
原さんの是非はともかく、今年のシーズン初めはこの体制に多くのファンが釈然としなかったのではないか。
むろんフロントから我々ファンに対して、納得のいく説明などあるはずもなく、何となくうやむやのうちに今シーズンが始まってしまった。
ワンチョペや福西といった大型補強に期待が高まっていたが、そのことによってむしろ本質的な問題を遠ざけたままでシーズンに入ったのだ。
結局そのうやむやにしてきたことが、この一戦に象徴的に現れたに過ぎないと思う。
思えば東京のサイド攻撃はセンターラインがしっかり機能して初めて効果を発揮する。
それなのに、センターバックやボランチに故障者が一人、二人出るだけでもろくも崩れてもうどうにもならなくなる。
原さんでもう一度スペイン流の攻撃サッカーに回帰するのであれば、そのことを踏まえた選手補強があってしかるべきだったのに、
何となく場当たり的に大物を採ってきたという気がしてならない。
そんなフロントと現場のちぐはぐさが、ここに来て一気に噴出してしまったということに過ぎないと思う。
だから負け惜しみではなく、歴史的な大敗ではあるが屈辱的大敗というほど悲観的なるほどのこともないのではないか。
7点はやられすぎだが、4,5点の大差で完封されるというのは、想像の範囲ではあったのだ。
高い授業料を払ってしまったが、このまま問題をうやむやにしたままシーズンを終わるよりはずっとよかったと思う。
どのクラブにも苦しいときはある。この試練をどうやって乗り越えていくか、考えようによってはこんなに楽しみなシチュエーションもないのだ。
今までに見た試合もほとんど総括できずにJリーグも終盤に差し掛かってきた。
試合を見ていないわけではない。去年よりは観戦数が少ないながらも、FC東京の試合を中心に観てはいるのだ。
ただ、書くきっかけというものがつかめなかった。書けなかった試合についてはそのうちにサマリーしたい。
さて、川崎フロンターレとの一戦。両クラブは今シーズンからこの一戦を「多摩川クラシコ」と名づけて盛り上げようとしている。
"クラシコ"=伝統の一戦。サッカー文化の歴史が浅い日本では盛り上げるためには
10回あまりしか対戦していなくても、
「伝統」と名乗らざるを得ないところがなんとも苦しいところだが、その性急さもある意味で逆説的で、個人的には楽しい。
無理やりにでも気分を盛り上げて、それで熱く戦えるのならそれはそれで悪くない。
こじつけでも何でも根付いてしまえばそれが伝統なのだ。
川崎サポーターは多摩川を舟をこいでやってくるとか、東京が南武線を広告でジャックしてしまうとか、そういう盛り上がり方も悪くない話だ。
それなのに「クラシコ」を名乗るには今年の東京はあまりにも情けなかった。
前回の対戦は5-2、そして今回は7-0と歴史的な大敗を喫してしまった。
これは決して偶然の産物ではないような気がする。
思えばJリーグでは東京と川崎は対照的な道筋を辿ってきている。
J1に昇格したのはどちらも2000年のシーズン。以降東京がJ1に定着しているのに対し、川崎はわずか一年でJ2に降格の苦渋を味わっている。
補強策の失敗などでフロントスタッフをはじめ、選手の多くがチームを去った。
2000年をボトムに、地道な改革に着手した川崎は、2005年に5年ぶりのJ1復帰。
着実に力をつけてその年は8位と健闘。続く昨年は2位と躍進し、今年のACL出場を勝ち取った。
今年はナビスコのファイナルに進出しており初タイトルの可能性もある。
それに対して東京は、J1昇格後着実に好位置をキープし、2004年にはナビスコカップで悲願の初タイトルを獲得した。
しかしそこをピークにここ3年あまりチームは踊り場に差し掛かっている。
一旦は契約を満了した原監督を再び招聘した今年は、満を持して選手補強を行ったものの機能せず下位に甘んじている。
思えば、両クラブのチーム事情は2000年以降見事にスパイラルしているようである。
J2で身をかがめて力を蓄えてきた川崎はかがんでいた分だけ大きくジャンプしている。
一方の東京は、J1に安住してしまってまるで貯金を食いつぶしてしまっているかのようである。
思えば今期の原さんの復帰は完全に時計の針を逆に廻したもので、
それならば、まったく違うスタイルのサッカーを志向した去年のガーロは何だったのかということになる。
原さんの是非はともかく、今年のシーズン初めはこの体制に多くのファンが釈然としなかったのではないか。
むろんフロントから我々ファンに対して、納得のいく説明などあるはずもなく、何となくうやむやのうちに今シーズンが始まってしまった。
ワンチョペや福西といった大型補強に期待が高まっていたが、そのことによってむしろ本質的な問題を遠ざけたままでシーズンに入ったのだ。
結局そのうやむやにしてきたことが、この一戦に象徴的に現れたに過ぎないと思う。
思えば東京のサイド攻撃はセンターラインがしっかり機能して初めて効果を発揮する。
それなのに、センターバックやボランチに故障者が一人、二人出るだけでもろくも崩れてもうどうにもならなくなる。
原さんでもう一度スペイン流の攻撃サッカーに回帰するのであれば、そのことを踏まえた選手補強があってしかるべきだったのに、
何となく場当たり的に大物を採ってきたという気がしてならない。
そんなフロントと現場のちぐはぐさが、ここに来て一気に噴出してしまったということに過ぎないと思う。
だから負け惜しみではなく、歴史的な大敗ではあるが屈辱的大敗というほど悲観的なるほどのこともないのではないか。
7点はやられすぎだが、4,5点の大差で完封されるというのは、想像の範囲ではあったのだ。
高い授業料を払ってしまったが、このまま問題をうやむやにしたままシーズンを終わるよりはずっとよかったと思う。
どのクラブにも苦しいときはある。この試練をどうやって乗り越えていくか、考えようによってはこんなに楽しみなシチュエーションもないのだ。