ここではないどこかへ -Anywhere But Here-

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Go! Go! Niagara/大滝詠一

2006-12-19 23:32:54 | 音楽
『Go! Go! Niagara』は僕にとっては鬼門のアルバムである。
僕はど真ん中の『ロンバケ』世代で、ナイアガラ・レーベルとはディストリビューターがCBSソニーに代わってからのお付き合いである。
『ロンバケ』から鯉の滝登りよろしく遡ってアルバムを買い始めたのが中3ぐらいから高1ぐらいまでの間だっただろうか。
一枚ずつ買っていって最後まで残ったのがこの『Go! Go! Niagara』だった。
『Niagara Black Vox』のような高校生にとっては
恐ろしい値段のコレクターズ・アイテムなんかが出ていたころで買いそびれていたのだと思う。
ずっとレンタルから落としたカセットで聞いていて、
ずいぶん後になってアルバムを買おうと思った頃にはCDになっていて結局LPで買いそびれたきりになっているのである。
そんなわけで鬼門のアルバム。
当時は”ナイアガラー”なんていう言葉もまだなくて、ずいぶんとのんびりしていたものだ。

大滝さんの音源をしゃかりきになって探すこともなくなってからだいぶ経つので
巷の相場も分からなくなっているけど、今でもソニー盤と言えどもいい値段で取引されているのだろうか。
というわけで、今回もこの2006年の『30th Anniversary』を買いそびれてしまいそうな気配だったので
あわてて手に入れた。(96年のリマスター盤はもちろんあるんですけど)
また鬼門になってしまうといけないので、年内中にはなんとかということで・・・。

当時はこのアルバムもラジカセでずっと聴いていたのだけど、
それがまたラジオ番組という趣向のこのアルバムを聞く環境として、マッチしていたのだと思う。
聞いていた環境も含めてとにかく無性に楽しい内容のアルバムだった。
今回初のオリジナル・マスターでのCD化ということで、そういう意味でも心持ち懐かしいテイストがある。
スペクターの「Dr.Kaplan's Office」のテーマが流れてきただけであの頃に一気に引き戻される。ああ、懐かしいなあ。
思えばこのアルバムが数ある大滝さんのアルバムの中で最もノベルティ色の強いものであり、
それだけにバラエティに富んだ内容にもなっている。
そしてその後の『A Long Vacation』への萌芽もこのあたりから伺える。

当時のライナーノートも復刻されて封入されているが、改めて見直すと再発見があって楽しい。
参加ミュージシャンは、林立夫、上原裕、松本隆、細野晴臣、田中章弘、鈴木茂、
伊藤銀次、村松邦男、坂本龍一、佐藤博、矢野顕子、駒沢裕城、斉藤ノブ、
稲垣次郎、矢野誠、山下達郎、布谷文夫、吉田美奈子、大貫妙子・・・。
今これだけのメンバーを集めたらいろんな意味で大変だろうなあ・・・。