ここではないどこかへ -Anywhere But Here-

音楽・本・映画・サッカーなど興味の趣くままに書いていきます。

J1第21節 FC東京対セレッソ大阪(東京・国立競技場)3-2

2006-08-31 22:00:19 | サッカー
サッカーというスポーツはつくづく精神的な心のありようがパフォーマンスに素直に出るスポーツだと思う。
この前はあんなに良かったのに何日もしないうちに信じられないほどパフォーマンスが落ちてしまうことは往々にしてよくある。

とりわけJリーグのような実力の拮抗したリーグではメンタルのありようでどうにでもなるような気がする。
だから連勝を続けられるチームというのはやはりメンタル面で充実しているのではないかと思うのだ。

東京は前節の清水との試合を落としてしまい3連勝ができなかった。
この前に3連勝をしたのは2002年のシーズンだというのだからいかに波の多いチームかということが分かる。
クラブとしての歴史においてやはりまだ経験が足りないのかもしれない。

さて夏の4連戦の最後は先週に引き続き国立でのセレッソ大阪戦。
この4連戦を3勝1敗で勝ち越すのと、2勝2敗にしてしまうのとではやはり大きな違いがある。
そういう意味ではなんとしても勝つという強い気持ちが必要だったのだが・・・。

結果的にはより強い気持ちを持っていたのはセレッソの方だった。
何としても最下位は脱出しなければならない。対東京戦ではホームで大敗を喫している。そして去年の最終節の屈辱の借り・・・・。
彼らにはいくつものモチベーションがあった。そしてそこに名波というカンフル剤を打った。

それが功を奏した。全員がひたむきにゴールを目指し、名波が抜群のボール捌きでその選手たちを鼓舞し続けた。
何人かの選手が連戦の疲れで後半は足が止まっていたが、東京のパフォーマンスも一時期の混乱は脱していたように思う。
無論連戦はどこのチームも同じであり、連戦を走れないことの言い訳にはできない。
いずれにせよ、絶対に負けられないという心の持ち方の差がそのまま結果に現れたと思う。

出場停止や怪我で出られない選手がいるということもあったが、それ以前の問題として気持ちで負けていてはどうにもならない。

8/27のランニング

2006-08-27 16:32:23 | ジョギング
子供のサッカー合宿の応援に八ヶ岳まで来ているが、そこでジョギング。
清里の上あたりから野辺山の電波天文台の裏の牧場まで7キロ。
しかし標高1300メートルの高地でやはり少し疲れが早く出る。

今日の距離:7キロ
8月の走行距離:34キロ
累計走行距離:579キロ

J1第19節 FC東京対アビスパ福岡(東京・国立競技場)5-1

2006-08-24 22:10:28 | サッカー
晴れ。

久しぶりの国立競技場。
最近東京が国立で開催するホームゲームは夏のナイトゲームが多い。
都心の夜景のなかで夕涼みがてら楽しむサッカーもなかなかおつなものだ。

東京のゴール裏は前節から新しいチャントを歌い始めた。
そもそも東京のチャントにはばかばかしくてナンセンスなものが多いのだが今回のは極めつけである。
「オレオレ~、東京が好き、オンナよりもシゴトよりもトーキョー」
というものだが仕事もそこそこにいそいそと国立に駆けつけた私などは全くこの歌のとおりである。

今日の相手はアビスパ福岡。
J1に復帰してきた福岡も東京同様苦しい戦いが続いている。
川勝監督に交代以降、前線の高い位置からボールを奪うというアグレッシブなサッカーを目標に掲げているが、
これまでのところなかなか結果に結びついてない。
それでも前節は打ち合いに負けたものの京都を相手に4点を奪っている。
いまだ守備に不安の残る東京にとっては油断のできない相手だ。

福岡は引き気味に構えカウンターを狙う典型的なアウェイの戦術。
東京が苦手とするタイプである。
本来はこういった相手をつり出すためのポゼッションサッカーだったのだが、
東京の選手たちはそれをうまく消化しきれないまま苦しんできた。
倉又監督に代わってサイドを使って縦に速い展開で崩そうとする去年までのスタイルに戻したことが
こういう相手に対してどう機能するかも興味があるところだ。

前半の途中までは主導権を握りながらも引き気味の相手にてこずっていたが
薮田が退場になったのをきっかけにゲームが微妙に狂い始める。
福岡は完全に引いて守りを固めてきたし東京もスペースを見つけられない。
しかし、前節で自信を取り戻した東京は慌てなかった。
ラインを高く保ってするすると前線へ顔を出した藤山がなんとJ1初ゴール。
試合後自らを「"ミスター東京"と呼んで欲しい」とカミングアウトした、東京一筋の男の、33歳嬉しい初ゴールだった。

これで落ち着いたかに見えたが、後半3バックに変えてきた福岡の布陣に混乱してオウンゴールから同点にされた。
このあたりの守備の修正が課題だろう。今後の過密日程でどこまで建て直せるかだ。

しかしながら両サイドの川口、石川を走らせて優位に立つ東京は64分、ゴール前で畳み掛ける波状攻撃で赤嶺がヒールでシュートを放ち均衡を破る。
続く66分には川口のシュートのこぼれ玉をすかさず石川が叩き込み2点差とした。沸き立つゴール裏。
更に石川のCKに伊野波がきれいに頭で合わせて勝負は決した。
そして最後は、前節の決勝ゴールの直後に鼻骨骨折をしながらこの試合でもスーパーサブで起用された阿部の、
引導を渡すヘディングシュートが決まった。

終わってみれば5-1の大勝。ちょっと最近記憶にないほどの大量点で2連勝。
何度も東京ブギウギが歌えて嬉しかったけれども、次が大事。
わずか2日後に好調の清水を相手のアウェイ戦。
連戦の疲れも出てくるころだし、ここを乗り切れれば本物だと思う。

J1第18節 ジェフユナイテッド市原・千葉対FC東京(千葉・フクダ電子アリーナ)3-4

2006-08-21 23:22:04 | サッカー
晴れ。

いささか旧聞に属するが、8月15日に東京はガーロ監督を解任した。
結局最後まで何をやりたいのかよく分からない監督だった。
シーズン当初、私と同世代の青年監督、しかも東京にとってはクラブ史上初の外国人指揮官ということで大きな期待を寄せた。
カウンター主体の縦に早いサッカーを土台に繋ぐサッカーを目指すという方向性に東京の新しい一歩と期待を寄せた。

しかし、思うように成果が出ないとマンマークの守備を強いたり、いきなり3バックの陣形を取ったりしてみた。
ルーカスを2列目に下げたのは功を奏したものの、
本来捌き屋の馬場をトップに配したり、金沢が怪我するとみるや4バックを簡単にあきらめたりと、
選手に対する信頼感に疑問を抱かざるを得ないような布陣を敷いてきた。

勝っても負けても感情を表に表さない能面のような指揮官は、喜怒哀楽を満面に表していた原前監督とは好対照だった。
少なくとも私はこの何を考えているのかよく分からないガーロ監督に対して非常なストレスがあった。
負けが込んできてゴール裏が「ガーロやめろ!」コールを繰り返したとき、
おそらくその何パーセントかには私が感じたのと同じようなストレスもあったのではないかと思う。

この漠とした不安感はクラブを取り巻く関係者の一致した思いだったのだろう。
昨年までをよく知る倉又監督を後任に選び、倉又監督自身が去年までの戦い方を踏襲すると表明したことで、
図らずもそうしたみんなの不安のベクトルが同じ方向を向いていたことを思い知らされる。
ガーロ監督の更迭はかなり辛辣ではあるが、必然だったのだ。ぎりぎりのタイミングだったと思う。

さて、そのシーズン途中での監督解任というクラブ初の劇薬を用いた東京の、
新体制での初めての試合を観にフクアリまではるばる足を伸ばした。
去年オープンした新しいスタジアムに出かけるのは今日が初めて。
サッカー専用の2万人弱のキャパというコンパクトなすばらしいスタジアムである。
千葉のさらに先の蘇我は結構遠かったけど。

ジェフもオシム監督の代表監就任によって息子のアマル・オシムが指揮を執るようになったばかり。
代表にも多くの選手を輩出するようになった今が旬のチームである。
体制が変わったばかりの東京は相当に苦労するだろうと思われた。

覚悟はできていたが、序盤10分までにアンラッキーな2失点。
しかしいきなり横っ面を2発連続ではたかれたことで俄然スイッチが入る。
とにかく出足が早い。前から前からプレスをかける。
ボールを奪ったら猛然と前にボールを送る。その手段はドリブルであったりパスであったり・・・。
しかしそこには前節までは見られなかった、2人目、3人目の動きが絡んでいる。

そんな全員統一された動きがルーカスの個人技を呼ぶ。前半を2-1で折り返す。
ジェフの動きが悪かったわけではない。
「このままではいけない、このままじゃ終われない」という選手たちの気迫と
倉又監督に代わったことでシンプルに考えて動けばいいんだと解き放たれたことが選手たちを活性化した。
最初の一歩目でジェフ意を上回れたのはそんなちょっとした意識の違いだったのだと思う。
でなければわずか数日で功も変われることはないだろう。劇薬はひとまず功を奏した。
そしてそんな選手たちを必死に後押ししようとするゴール裏。

本能のストライカー、赤嶺が全身でボールを押し込んで同点とすると、
梶山の絶妙のパスを受けた石川が右サイドの角度のないところから狙いすましてシュートを放つ。
長い怪我からようやく抜け出した石川の待望のゴールは2点差をはじき返す逆転弾という劇的なものだった。
本当に全身で喜びを表現する石川。見ているこちらも嬉しくなってくるゴールだった。

残り数分のところでカウンターから羽生に同点ゴールを決められ、
「やはり無理だったか。でも今日はこれでもよしとしよう」と思っていたロスタイム。
猛然と右サイドを駆け上がる徳永から気持ちのこもったクロスが供給されると、
それを信じて飛び込んだ阿部吉朗が右足で美しく蹴りこんだ。
爆発するゴール裏。

長い長いトンネルを抜け出したかのような爽快感が一気に全身を満たした。
3点取られたら4点とって勝てばいいじゃないか、という攻撃サッカーを地でいくゲームだった。
首都のチームはこんなサッカーをしなければ誰も振り向いてはくれない。
そんなことを思い起こさせる、見事な勝ちっぷりだった。

武相荘(旧白洲邸)へ

2006-08-14 21:38:02 | 
晴れ。

十数年前に結婚して初めて住んだのは町田市の鶴川というところだった。
小田急線の鶴川駅からバスに乗り鶴川団地を抜けて10分ほどのところにある新築アパートは、
地元の農家の大家さんが広い敷地の一部をつぶして建てたものだった。
隣は竹やぶで、季節になると大家さんが筍をおすそ分けに持ってきてくれるようなところだった。
だから、高度成長で鶴川団地ができるまでのあの一帯は、多摩ののどかな山村が広がっていただろうことは容易に想像がつく。

かつて私たちが住んでいたところからそう遠くないところに白洲次郎、正子夫妻が終の棲家とした家があると知ったのは最近も最近。
白洲次郎という人の存在を知ったのもごく最近のことで、住んでいた当時は近くにそんな人たちが住んでいたとは
(少なくとも晩年の正子が暮らしていたころはまだ鶴川にいたのだ)知らなかった。

最近になってNHKで紹介されたり「占領を背負った男」という本が出て本屋の店頭をにぎわしているせいか、
ちょっとした白洲ブームになっているが恥ずかしながら私自身そのブームのおかげで知ったぐらいである。

学校ではどういうわけか近代史というのを教えない。
高校の日本史では明治維新ぐらいまでで終わって、後は教科書を読んでおけという。
理由は試験に出ないから。
でもそのおかげで私を含め現代の日本人の多くは現在の日本を形作った近代の歴史、
とりわけ戦中、戦後史については通り一遍のことしか知らないのではないか。

今もって靖国問題をはじめあの戦争に絡んだ問題が大きな問題になっているということもあるし、
思想的なイデオロギーは別にして、日本の近現代史をきちんと知るということは
ある意味で現代に生きる日本人としての務めだろうと思い、
そのあたりの歴史に造詣の深い友人にもいろいろと教えを請いながら、去年ぐらいから戦中戦後史を勉強している。
白洲次郎氏にまつわる著作についても、その友人から一度読んでみなよと紹介されていた。

その過程で夫妻かつてが鶴川に住んでいたというのを知り、
しかも最近その旧宅がギャラリーとして一般に公開されているのを知って
土地勘のある場所だけに早速訪れてみたということなのである。

白洲夫妻のことはまた別の機会に書こうと思うが、夫妻が鶴川に住み始めたのは
太平洋戦争が始まる直前の昭和15年ごろのことらしい。
日本はやがて戦争に負け食糧難が来るであろうことを予見した次郎が、百姓生活をするべく引っ越した土地が鶴川だったのだ。

武蔵と相模の境の意と無愛想とを引っ掛けて「武相荘」と名づけられた白洲邸は、
住宅街の中にある今となっては、意外なほど森閑とした雑木林の中にしっとりとたたずんでいる。
自然の野草が生い茂り雑木林で鳴く蜩の声を聞いていると、ここが町田の鶴川かと思うほどである。

「趣味(hobby)は違っていたが趣味(taste)は同じ」だったという夫妻の旧家には、
正子が集めた陶芸や書籍、次郎愛用の品が溶け込むように展示されている。
ここだけは気温が2,3度低く感じるほど外の世界から隔絶された感のあるたたずまいで、
しばし喧騒を忘れてのんびりとした時間を過ごした。

在野から日本の行く末を憂えた気骨ある先達は、東京郊外のこの場所でどんな思索にふけったのか、
そんなことを少し思ってみる。

頂上対談/ビートたけし

2006-08-09 22:07:10 | 
雨。

機内で読もうと思って空港の本屋で買った文庫本。
飛行機の中ではあまり堅苦しい本は読みたくないなと思い、いつも軽い題材の本を選ぶ。

実は北野武の映画は一本も見たことがない。映画監督としての彼の魅力とか感性というものについてはほとんど知らない。
ビートたけしとしてテレビに出ているタレントとしての彼は時々見るのでなんとなくは知っている。
彼の本も読んだことがないのだが、対談集ということで手に取った。
彼自身よりもどちらかというと対談の相手に興味があったのかもしれない。
石原慎太郎、中田英寿、古田敦也、淀川長治。
そういった人たちとあのテレビで見るたけしがどんな対談をするのか。

対談自体は数年前に行われたものがほとんどでいささか状況が古かったりするが
特にスポーツ選手との対談は面白かった。
たけしが驚くほどスポーツに対して慧眼なのだ。
スポーツを見るまなざしの洞察の深さに彼の並々ならぬ才能を感じる。
これに対して、いわゆる文化人といわれるような人たちとの対談には多少の気負いも見えて
なんとなくあのたけしのキレからは遠い気がした。
まあ、対談というものは語られた言葉がすべて収められているはずもなく、
また言外のニュアンスが必ずしも正確に文章になっているとは限らないので
そうしたことはある程度は割り引いて読む必要はあると思う。

一方で、映画人としての一面を知らない私としては、映画を見てから彼の発言を聞くとまた違った印象があるのもかもしれない。

Down In L.A./Brewer & Shipley

2006-08-08 22:10:33 | 音楽
Nick DeCaroシリーズ。
今回はシンガーソングライターのデュオ・グループ。
日本ではほとんど無名に近いが「One Toke Over the Line」というトップテン・ヒットもある。
Buffalo Springfieldにも似たテイストのフォークロック・デュオ。
コーラスの感じがRichie Furayって感じ。

A&Mではこのデビューアルバムが唯一。この後はカーマ・ストラに移籍している。
A&Mの縁でNick DeCaroが参加しているのだろう。ストリングスとホーンのアレンジで参加している。
プロデューサーにはJerry Riopelleが参画している。
バックにはJim Gordon、Hal BlaineのドラマーコンビにJoe Osbornのベースと、レッキングクルーが参加しており、
なるほどそうした雰囲気はあるが、こういう感じのグループでも彼らがバックをやっているのはちょっと意外な感じ。
Nick DeCaroにしても本職外で本来の持ち味が発揮されているという感じではないが、
貪欲にくる仕事をこなしていたのが伺える。

しかし、アメリカのポピュラーミュージック界というのは、
広いのか狭いのかよく分からないところがまた面白かったりする。
思わぬところで意外な出会いがある。