江戸観光案内

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業平橋

2012-09-15 | まち歩き

業平橋(なりひらばし)は、都営浅草線の本所吾妻橋駅で地下鉄を降り、東京スカイツリーの方に歩いて間もなくのところに在ります。商店街の店舗に隠れていたスカイツリーは、ここで姿を現し、遠目にスカイツリーを何度も見ていた人でさえ、初めてこの地からスカイツリーを眺める際には、その巨大さに圧倒されます。どこにでも在るただの橋ですが、今やスカイツリーをカメラに収める絶好の場所となり、多くの人がここで足を止めるようになりました。


橋の名前は、平安初期の貴族・在原業平(ありわらのなりひら)にちなむ業平天神社という神社が、かつてこの橋の近くに存在したことに由来します。在原業平は、その作品が古今和歌集に入集されていることでも知られる歌人であり、平安時代の歌物語「伊勢物語」の主人公ともみられている人です。また、周辺の「おしなり商店街」のマスコット、「おしなりくん」のモチーフとなった人でもあります。ちなみに、おしなりくんは、押上の「おし」と業平橋の「なり」から命名されました。


業平橋は、池波正太郎著「敵」(鬼平犯科帳(四)に収録、文藝春秋)の中で、密偵になる以前の大滝の五郎蔵が、業平橋を渡ったところで尾行されている気配を感じて身を隠すという場面で登場しています。鬼平の時代には、業平橋の下には横川が流れていましたが、現在は埋め立てられて、大横川親水公園として生まれ変わり、墨田区民の憩いの場所となっています。


業平橋 東京都墨田区東駒形4-15-18

都営浅草線 本所吾妻橋駅から約250m 徒歩約4分


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