江戸観光案内

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白鬚明神

2012-09-08 | まち歩き

白鬚明神(現白鬚神社)は、東向島・墨田・堤通・京島・八広・押上地区の氏神様で、向島で最も古い由緒ある神社の一つです。社伝では、平安時代の比叡山の僧、慈恵大師が天暦五年(951年)に関東に下った際、近江国(現在の滋賀県)に鎮座する白鬚大明神の分霊を、ここに祀ったと伝えられています。祭神は道案内の守神として知られる猿田彦命(さるたひこのみこと)で、道案内の神というところから、後世、お客様を我が店に案内して下さる神としての信仰が生まれ、千客万来・商売繁昌などが祈願されました。社前の狛犬は、文化十二年(1815年)に山谷の料亭と吉原から奉納されたもので、当時の信仰のほどが偲ばれるものです。


時代小説の中では、池波正太郎著・剣客商売(一)の「女武芸者」の中で、主人公・秋山小兵衛が住む鐘ヶ淵周辺を「あたりには木母寺・梅若塚・白鬚明神などの名所旧跡が点在して」と形容する際に登場しています。


白鬚神社は隅田川七福神の寿老神(「人」の代わりに「神」の字があてられています)としても知られています。これは向島百花園が開かれた文化元年(1804年)に、文人達が向島百花園の福禄寿と付近の寺社の神様を合わせて七福神が出来ないかという話になった際に、寿老人を祀る適当な寺社が見つからなかったため、白鬚ならば白い鬚の御老人に違いないと寿老人にこじつけられたためです。小説には書かれていない秋山小兵衛最晩年の頃の話です。


白鬚明神(白鬚神社) 東京都墨田区東向島3-5-2

東武伊勢崎線東向島駅から約700m 徒歩約9分


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