萬年橋(万年橋という表記もある)は、行徳(現在の千葉県市川市の南部)の塩等を江戸に運ぶために開削された小名木川と大川(現在の隅田川)とが合流するところに架けられた橋で、葛飾北斎の富嶽三十六景や歌川広重の名所江戸百景といった浮世絵にも画かれた橋です。北岸にはかつて松尾芭蕉が居を構え、その住居跡には現在、芭蕉稲荷神社が祀られています。
藤沢周平著「約束」(橋ものがたりに収録、新潮社)の中で、慕い合う男女が再会の地として選んだ場所がこの橋です。又、池波正太郎著「深川十万坪」(剣客商売(三)に収録、新潮社)の中で、金時婆さんが狼藉を働いた侍を懲らしめた場所でもあります。
新しいところでは、映画「容疑者Xの献身」(東野圭吾原作、東宝配給)の中で、堤真一さん演ずる石神哲哉と松雪泰子さん演ずる花岡靖子が住んでいたアパートがこの橋のたもとに在りました。
萬年橋(万年橋)が登場するその他の作品
- 坂岡真著「のど傷の女」(のうらく侍に収録、祥伝社)
- 宮部みゆき著「凍る月」(初ものがたりに収録、新潮社)
萬年橋 東京都江東区清澄1-8-3付近
都営大江戸線・東京メトロ半蔵門線清澄白河駅から約500m 徒歩約7分
都営新宿線森下駅から約620m 徒歩約8分