浅草の駒形橋の西詰にある御堂で、雷門から250メートルほど南方に離れた場所にポツンと建っていますが、れっきとした浅草寺の一部です。というよりも、この場所こそが浅草寺の草創ゆかりの聖地という方がむしろ正しく、浅草寺の御本尊の聖観世音菩薩様が魚網にかかって隅田川の中から示現なされた場所がここなのです。駒形堂は観音様の上陸を記念して、また隅田川を泳ぐ魚類の無事を祈念して建てられました。歌川広重の江戸名所百景にも描かれています。
剣客商売シリーズ(池波正太郎著、新潮社)のファンにとっては、駒形堂の裏に秋山小兵衛の行きつけの小料理屋「元長」が在ることで御馴染みの場所です(初登場は剣客商売(三)に収録の「嘘の皮」)。
現実の世界では、駒形堂の裏手に回っても「元長」が無い代わりに、東京スカイツリーの美しい姿を眺めることが出来ます。
駒形堂 東京都台東区雷門2-2
都営浅草線 浅草駅からすぐ 徒歩約1分